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2012/03/21

本棚:「4TEEN」石田衣良

459501これも今秋の8冊のうちの1冊である。

私はもともと本を読むのは大好きだったが、いわゆる売れ筋の本を読むようになったのは比較的最近のことである。芥川賞や直木賞受賞作だとか、村上春樹の小説なども然りである。

こんな調子だから、石田衣良と言われてもピンとこない。「池袋ウェストゲートパーク」の人、といわれて、ああそういえば、と気づく程度である。
先日テレビを見ていたときに、「永遠の0」の作者、百田尚樹と一緒に、この人がトーク番組に出ていた。その際、あるシチュエーションに基づいて即興で小説を書く、という企画があった。この人は全く悩む様子もなくペンを走らせた。ただ一人違った視点から、とても起伏の豊かな文章を書いた。
それで私はこの人のことが非常に気になった。

本作は直木賞の授賞作である。月島で育つ4人の14歳を主人公にした小説である。個々が抱える精神的・あるいは肉体的な苦悩はどちらかというと現代的なものだが、彼ら4人の人間模様は、昭和の古き良き時代を感じさせる。いかにも軽い感じの小説だが、さわやかだ。

それは、私自身の中に、少なからずこういう青春時代に対する憧れがあるからなんだろうと思う。もっとずるい、また卑屈な青春時代を送ってきたせいか、ストレートな感情の吐露と、飾らない人間関係を非常に羨ましく思うのである。
この小説の続編にあたる「6TEEN」という本も出ているらしい。彼らがその後、どんな青春を送って行ったのかとても気になる。

私は、芥川賞をもらってやった小説などを筆頭に、純文学系の小説もそこそこ読んだのだが、元来読み流し系の読み方をするせいか、作者が訴えかけているものを理解するのにややしばらく時間がかかる。理解できないこともある
「4TEEN」が、直木賞の重さを持っているかどうかといわれると腕組みをして考え込まないでもないが、大衆小説の方がやっぱり読みやすいと思ってしまう。軽快さと爽やかさに惑わされるようでは、私の読書力もまだまだだな、と思う。

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