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2012/03/08

さよなら「急行」、さよなら「きたぐに」。

JRのダイヤ改正といえば、華々しくデビューする列車や路線がある一方で、乗客減や合理化を理由に、ひっそりと姿を消していく列車がある。

今年3月17日のダイヤ改正では、大阪-新潟間の急行「きたぐに」が姿を消す。

1995年、大学卒業記念の日本一周旅行に出た。小樽から新潟行きのフェリーに乗って朝5時に新潟に着き、会津若松を経由して再び新潟県に戻り、加茂駅から急行「きたぐに」のB寝台に乗車した。

1995012701「きたぐに」は、「583系」と呼ばれる寝台電車で運転されていた。まだ新幹線が東京-新大阪間だけだった昭和40年代に、新幹線に接続して九州方面へ向かう特急列車用として製造された電車ある。昼間は座席特急、夜は寝台特急として八面六臂の活躍をした。

1995012607_2寝台は3段式で、ベッドに座ることもできない低さ。ただし、私の利用した中段寝台は、天井の設備の関係でそこだけ2段しかベッドがない場所で、天井も高く快適だった。
いずれにせよ、大量輸送時代の面影を色濃く残した電車であった。私は料金5,000円のその寝台でわずかに5時間ほど眠り、翌朝4時過ぎの敦賀駅で下車した。

それから17年、JRも儲からない列車と認識していたのか、車体の色や内装にちょこちょこと手は加えられたものの、基本的に当時と変わらない車両と設備のままで、「きたぐに」は走り続けた。583系電車の車齢はおそらく40年を超えているはずであり、「きたぐに」に使用されるようになってからもすでに四半世紀が経過している。時代に取り残された夜行急行列車は、あと10日足らずで姿を消す。

ところで、「特急」が「特別急行」の略語だということを知っている人もすっかり少なくなったのではないかと思うが、昭和40年代までの特急はまさしく「特別」な列車であり、地方幹線には無数の「急行(普通急行)」列車が走っていた。
スピードと快適さを求める世の中において時代遅れとなった急行列車は、ダイヤ改正のたびにその数を減らしてゆき、3月17日以降は、青森と札幌を結ぶ急行「はまなす」が、全国のJRで唯一、毎日運転される定期急行列車となる。「はまなす」も、おそらく4年後に迫る北海道新幹線函館開業時には廃止となるのではないか。そうなると、「普通」急行がないのに「特別」急行だけがわんさか走っている、という、日本語的には摩訶不思議な事態となる。

やれやれ、昭和は遠くなりにけり、である。

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