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2012/03/27

森見登美彦と鉄道、融合。

1200612270旅と鉄道 」。朝日新聞出版から隔月で発行されている雑誌である。その名のとおり、鉄道を中心に据えた旅雑誌で、今月発行号は「復刊4号」とされている。
この雑誌の前身は、1971年から2009年まで、鉄道ジャーナル社から季刊で発行されていた同名の雑誌である。昨年9月、元鉄道ジャーナル社の芦原伸氏の手により、版元を変えて再開されている。

この「復刊4号」に、私が勝手に注目している作家、森見登美彦氏が、「鉄子」として名高い酒井順子氏とともに登場している。

森見氏は、これまでも著書の中に、あまたの小説の舞台となった京都を走る叡山電車や、李白さんの三階建自家用電車などを登場させ、私に「ひょっとしたら?」という期待を抱かせていた。

その森見氏が、「単行列車で陰陽の脊梁をゆく」と題し、姫路から姫新線、芸備線、三江線、山陰本線を経由して温泉津までを旅している。特に三江線は、私自身も昨年の夏に乗車したばかりで親近感を覚える路線である。

当初の予想を裏切り、鉄分はどちらかというと低めであるが、小説とはまた違った軽妙なタッチと隠し味的に撒かれた理屈が楽しい。出会う人々との会話もいい。
三次から乗車予定の三江線が雪で不通になり、列車に乗るはずが石見川本まで延々と代行のマイクロで運ばれることになる(全線のほぼ3分の2に相当する!)。やっと乗った列車は雪でしなる竹に行く手を阻まれ、運転士がのこぎり持参で列車を降りる、などのアクシデント続発も、淡々と記されている。

この人の肩肘を張らない文章は、本当に読んでいて味わいがある。

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