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2012/04/03

本棚:「6TEEN(シックスティーン)」石田衣良

Arashi0092週間ほど前のブログで触れたが、石田衣良の直木賞受賞作「4TEEN(フォーティーン)」の2年後を描いた、いわば続編に相当する作品である。先週末に出掛けた南区民センターの図書室で発見し、迷わず借りてきた。

が、正直なところ、読み終わった後に何も残らなかった。私は非常にがっかりした気持ちになった。

登場人物たちの心象描写が薄い。しかも、14歳から中学卒業を経て16歳という多感のピークのような年代への2年間が過ぎたというのに、彼らの心象はまるで不感症のように成長していない。

彼らの周囲に出てくる人々や起こる出来事は、確かに彼らが年齢的に成長した分だけ大人びている。なのにそれを取り囲んでいる主人公たち4人の中身は、14歳のころのままのようにみえる。そこにどうにもリアリティが感じられない。

読み終わってからしばらく、私は自分の14歳から16歳までの2年間はどうだったか、思わず真剣に考え込んでしまった。中学から高校に行って交友関係も生活パターンも変わり、中学では丸坊主強制だった髪型も変わった。実際の内面がどうだったかはともかくとして、少しでも大人の世界に自分の意識を置こうと背伸びした時期であり、少なくとも自分を表現する方法を変えようとした時期だったように思うのは、果たして私だけだろうか。

作者が、変わらない4人の関係式の中で、敢えて変わらない彼らの精神を書こうとした、というようにも感じられない。この本が面白ければ「池袋ウェストゲートパーク」にも行ってみようか、と思っていたのだが、この本を読み終わって、何となくその気持ちはバラけてしまった。
当分石田衣良の本には手を出さないような気がする。

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