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2012/06/09

海外の都市交通事情(1) アメリカ・ボストン

2海外の交通事情紹介の最初は、やはり思い入れの強いボストンから始めたい。
ボストン市自体の人口は60万人程度だが、周辺のいわゆる「大ボストン圏」と呼ばれるエリアを含むと人口は450万人に達する。

ボストンの公共交通は、地下鉄・バス、それに郊外路線であるコミュータトレインを含め、すべてMBTA(マサチューセッツ湾交通局)が管理・運営している。
地下鉄は5路線。そのうちブルーライン・レッドライン・オレンジラインの3線は、日本の地下鉄同様の高速鉄道である。

P9262759残りの2路線は、若干色合いが変わっている。
シルバーラインは、ダウンタウンとローガン国際空港などを結ぶバス路線だが、市内中心部で専用トンネル内を走っており、地下鉄の仲間としてカウントされている。市街地を抜けると一般道路を走って空港へ入り、5つにわかれたターミナルを丹念に回る。

グリーンラインは、ボストン北東のレックメア(Lechmere)と、ボストン西郊・南郊を4方向に枝分かれして結んでいる。枝分かれする路線はそれぞれB線・C線・D線・E線と呼ばれている。
路面電車タイプの車両が2両編成(もしくは2編成連結の4両編成)で運転されており、D線以外は、道路上に敷かれた併用軌道の上を走る「路面電車」である。それが、市街地のケンモア(Kenmore)駅からノースステーション(North Station)駅の間では地下に潜り、地下鉄となる。この区間は、1898年に開業した、アメリカ最古の地下鉄路線とされている。

P9202690郊外からグリーンラインC線の電車に乗ると、ビーコン・ストリートの路面上をクルマにまぎれて走った電車は、正面にボストンのダウンタウンが見え始めると地下に潜り、場合によっては信号待ちのためにいったん停止してから、B線・D線と合流してケンモアに滑り込む。地下駅の立派な構内の低いホームに、たった2両の路面電車がちょこんと停まる姿はなかなかユーモラスである。
各線とも路面電車だから、地上の道路交通状況によって所要時間はかなり前後するはずで、それをよく整理して地下区間に流し込んでいるものだと感心する。

P9202692乗車時に注意したいことがふたつある。
ひとつ目。電車は、地下鉄区間では頼まれなくても各駅に停車するが、ひとたび郊外に出れば路面電車同様、乗降客がいなければ通過する
日本の場合はブザーで知らせるが、ボストンの電車には窓の上下左右に黄色いテープが張りめぐらされており、指先でそれを押すと停止合図になる。窓上に通されたワイヤーを引っ張るタイプの車両もある。
私がその停止合図の方法を理解したのは、ボストンに来てから3日目、学校の帰りに隣の駅まで強制的に連れて行かれたときであった。

もうひとつ、グリーンラインの電車は、運行間隔の調節のために、いきなり車庫最寄りの駅で運転打ち切りになったり、途中駅から突然快速運転になったりする。
「突然」といっても案内放送くらいはあるわけだが、英語の不自由な私には当然聞き取れない。E線の電車でボストン美術館へ行った日、美術館の2つほど手前の駅で、私を除く乗客が皆一斉に下車した。不審に思っていると、電車はそこからいきなりノンストップ運転になり、私はたったひとり、強制的に終点のヒース(Heath)まで連れて行かれることになった。

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