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2012/06/19

本棚:歴史劇画「大宰相」全10巻 さいとうたかを

Img_0160このところ偉そうに「本棚」などと称して読書家ぶってはいるが、私の読む本のジャンルは非常に狭い。
実のところ私は、純文学よりは推理小説、小説よりはノンフィクションを好んで読む。その中でも大好物は「日本現代政治史」である。

ことの発端は「田中角栄」という人物への興味である。
バブル景気が崩壊して日本中が不況に喘いでいた2000年前後、政治が迷走を続ける中にあって、「田中角栄待望論」をしばしば耳にした。

田中内閣の誕生は1972年7月。私が生まれる前月のことである。よってこの人のことは正直よく知らなかった。田中眞紀子の親父で、ロッキード事件で有罪判決を受けた元首相で、竹下登に派閥を乗っ取られて脳梗塞になった人、というレベルである。

そういう人がなぜ、その時代に求められたのだろう、という疑問から手に取ったのが、「歴史劇画・大宰相」の第5巻である。近年、「自民党総裁」とタイトルを変えてコンビニ本でも発売されているので、目にした方もいらっしゃるはずである。

断っておくが、これは漫画である。「ゴルゴ13」のさいとうたかをが描いたもので、登場人物の絵には妙なリアリティがあり、時代の裏で繰り広げられた政争がダイナミックに描かれている。
田中角栄へのアプローチとして購入した1冊だったが、自然に1冊では飽き足らなくなり、間をおかずに10冊すべてが私の本棚に並んだ。原作は戸川猪佐武の「小説・吉田学校」。今も折に触れて読み返す、私の現代政治史のバイブルである。

1巻から10巻までの解説は、田中角栄元秘書の早坂茂三が書いている。このためか、全体的な流れも田中擁護の視点から描かれ、彼の対立軸であった福田赳夫に対してはやや批判的に描かれているきらいはあるが、この本をきっかけにさまざまな文献を漁り、自分なりにバランス良く知識を吸収してきたつもりではある。

ここから始まった私の近代政治史の旅は、10年余りかけて時代をゆっくりとさかのぼり、今ようやく昭和初期までたどり着いている。先般のブログの米内光政の話も、この流れの中で得た知見である。その辺の話は、「左だ」とか「右だ」とか、いらん批判を受けないように勉強したうえで、いずれ書いてみたいと思う。

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