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2012/06/14

いかさま流読書法

職場の上司が5月中旬に貸してくれた「1Q84」BOOK1・2の計4冊。これを私は3週間あまり放置し、読み始めたのが先週の水曜日のことであった。
申し訳ないことであるが、他にも読むべき本があったことと、あわよくば5月の末に発売になるBOOK3の2冊もお借りして、一気に読んでしまおうなどと甘いことを考えたためである。

ところが、一度読み始めると無性に先を急ぐ性格の私は、土曜日にはそれをすべて読み終わってしまった。月曜日、その4冊をお返ししがてら上司に進捗状況を尋ねると、まだ5冊目の途中だという。待ちきれなくなった私は、その日の仕事帰りに残りの2冊を自ら買い求め、昨日の深夜にはめでたく読了となった。

この読書のスピードについては、しばしば周囲からも賛否両論の指摘をいただく。
」については、「早いね~」「すごいね~」といったところで、根が素直な私は額面どおりありがたく受け止めさせていただいている。
」については、大半が「それで中身をちゃんと理解しているのか?」というご意見である。これについては反論のしようがない。おおよその筋は当然理解するが、細部にわたっての理解は、この読み方では私には不可能である。

昭和前半の戦争時代に総理大臣・海軍大臣を歴任した「米内光政 」という人物がいる。この人についてはいずれ本ブログでも取り上げることになるであろうから詳しい言及は避けるが、読書家であったこの人の本の読み方は非常に特徴的で、

本は三度読むべし。1回目は始めから終わりまで大急ぎで、2度目は少しゆっくり、3度目は咀嚼して味わうように読む。

と述べている。図らずも私の読書法はこれにほぼ近い。中身を完全に理解しなくても、1度流し読みをすれば、その本が面白いか否か自分に何物かを与えてくれるか否かを判断することはできる。1度目の通読で「ピピッ」と来た本だけが2度目以降の読書に進むことができる。

ごく一部の例外を除いて、私が本を買うのはこの段階である。このような形で、私は月平均15~20冊くらいの本を通読する。これをすべて自らの懐で賄うのは不可能である。再び読みたいと思った本だけが、私の本棚には残る仕組みになっている。本棚に残らなかった本は、漠然とした全体像以外、私の記憶にも残らないことが多い。

これは一見、非常に時間を浪費しているようにも見えるが、限られた脳味噌のキャパシティですべてを吸収することなど無理に決まっている。多様なものに触れるところから初めて、それを厳選していくことで、より自分の理解を深めたり、真理に近づいていくことができるのだと思っている。インターネットで簡便に大量の情報が入手できる時代に求められる情報整理の能力に通ずるものがあるように思える。

ともかく、私はおそらく遠くない将来に「1Q84」の最初の4冊を買い求め、合わせて6冊を本棚に並べてニヤニヤしながら眺めた後、2度目、3度目の読書に入ることになるはずである。おそらく他の村上本を手元に置き、そのリンクを楽しみながらじっくりと。

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