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2012/06/06

本棚:「札幌学」岩中祥史

Img_0144前回の本棚に引き続き、肩の凝らない一冊。

タイトルは一見堅そうだが、表紙を見てもわかる通り、きわめてソフトな内容で、札幌(を中心とした北海道)の生活や、札幌人の人となりをまとめた本である。

私は北海道に来て今年で22年目になる。人生の半分以上をすでに北海道で過ごしていることになるが、当初やって来たときは、その生活習慣に驚くことしばしばであった。今となってはそれもすべて当たり前になってしまっているが、日常の生活ひとつとっても新鮮な発見と違和感の連続だった。その当時に味わった気分がよみがえってくるような一冊である。

特に北海道における冠婚葬祭のきわめて合理的なスタイルは、未だに戸惑うこともある。なにしろ私の生まれた岐阜県は、名古屋文化圏に近く、特に「婚」の派手さはテレビドラマにもなるほどである。

面白かったのは、通夜で家族写真を撮る習慣に関するくだりである。私の感覚の中ではちょっと違和感のある習慣なのだが、これは北海道と名古屋にしかないものなのだそうである。他の地域での通夜に出たことがないので実際のところはどうかわからないが、冠婚葬祭に対する考え方が両極端にある名古屋と北海道で、この習慣が共通している、というのはなんとも興味深い。

筆者の岩中氏の本職は編集者だが、県民性の研究もされているようで、「札幌学」についても、ただ事実を列挙するだけでなく、その理由を筆者なりに分析しているところがよい。中には首をかしげるような分析もなくはないのだが、そのあたりのギャップを楽しむのも悪くない。

北海道に縁がある方は、何年か前に流行った、血液型別の「自分の説明書」のように、チェックリスト感覚で読めると思うし、北海道に無縁な方は、9割方事実だという前提で読んでたのしんでいただければよいと思う。

ちなみに名古屋生まれの岩中氏の主な著作の中には、
Honn020
こんな本もある。今も私の実家の本棚の奥の方に眠っているはずである。

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