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2012/07/09

【ちょうど1年前の旅 (3)】山陰のローカル線三態(その2)

3.JR三江線(江津-三次) 客よりも社員の方が多い列車

P7085840

出雲市から江津へ移動し、大物ローカル線、三江線に挑む。

島根県の江津と広島県の三次は、直線距離でおよそ63kmであるが、この区間を結ぶ三江線は、ほぼ全線にわたって江の川と寄り添うように敷かれており、総延長は108.1kmに達する。
陰陽連絡線のひとつではあるが、この線形ではまったくその役割を果たしておらず、1日4ないし5往復の列車が走るだけのローカル線である。

P7085841軽量ディーゼルカー1両の三江線三次行きは、私を含めて8名の客を乗せて、15時08分、江津を出発。最初の停車駅、江津本町で2名が乗車し、計10名となる。
車窓左手に見える江の川と線路の間をへばりつくように貧弱な県道が通っているが、車はほとんど見かけない。江の川の対岸の国道を、台数は少ないものの快調に走る車の姿が目に付く。

出発してわずか15分の川平で2名下車。次の川戸で6名下車して2名乗車。続いて田津で1名下車、石見川越で2名下車
発車して45分、車内にはついに私ひとりが残された

P7085842_2それから20分、石見川本でようやく4名の乗車があり、粕渕で2名下車、1名乗車
16時52分着、9分停車の浜原で、江津行き列車を見送るが、こちらも乗客はゼロである。

浜原から口羽までの区間は、1975年に開業した最も新しい区間である。それは線路のつくりからもわかる。旧カーブが減り、長いトンネルが増える。
しかし客は増えない。潮で1名下車して1名乗車、石見松原で1名下車、石見都賀で1名下車

P7085848新線区間の終わる口羽で16分の大休止。浜原行きの列車とすれ違うが、向こうも乗客は1人だけである。

作木口と式敷の間で県境を超え、広島県に入るが、乗客は増える気配なし。どの駅も周辺に民家の姿はまばらである。終点のひとつ手前、尾関山からようやく住宅街が広がるが、時すでに遅く、18時52分、三次着。

石見都賀から約1時間半にわたって、乗客は私と、潮から乗った婆さんだけだった。

この日はJR西日本米子支社による、三江線旅客流動調査も行われており、社員が全日、全列車に乗車して、乗客から行き先や利用の理由などの聞き取りを行っていた。
普段はここから高校生が何人か乗ってくるのですが。
石見川本に着いた時、調査員氏がふと漏らしたが、「何人か」では焼け石に水にしかならない。 時間帯によっては学生や通院客など、もう少し客も多いのだろうが、1日4往復ないし5往復の超閑散ローカル線で、そのうちの1本がこれでは悲惨である。

景色は確かに美しい。鉄道ファンが旅愁をそそられるローカル線であることは間違いないが、それだけではいかんともしがたい。
鉄道は大量輸送機関で、環境にも優しいというが、燃費2km/Lにも満たないディーゼルカーの乗客がこの程度では、自家用車よりも不経済かつ環境にも優しくない。 
わたしは地元住民でもなければJR西日本の株主でもないから意見をすることは出来ないけれど、ローカル線のあり方について考えさせられる乗車体験だった。

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