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2012/07/05

北海道新幹線に思うこと【その3-完】

4.結局、需要はどのくらい見込めるのか?

北海道経済連合会が2006年に実施した調査によれば、北海道新幹線の全線開業を2020年と仮定し、全線の所要時間を4時間、GDP成長率を年1.4%とした場合、北海道新幹線の利用客を年間1,420万人、片道あたり710万人と見込んでいる。

2005年の国土交通省調査によると、道外から北海道への旅客流動は年間約1,175万人。このうち航空利用者が1,073万人、鉄道利用者はわずかに58万人である。航空:鉄道のシェア比はおよそ95:5である。

私は、東京-札幌間が、道内経済団体の試算どおり4時間で結ばれたとした場合の、関東・東北各県庁所在地から北海道への予想所要時間を元に、東海道・山陽新幹線沿線各府県の実態と比較し、鉄道シェアの検討を行った。
東北新幹線の沿線に当たる青森・岩手・宮城・福島・栃木・埼玉・東京では、鉄道のシェアに劇的な変化が発生するとみられる。直接の沿線でない県では恩恵は小さい。中部以西ではシェアに大きな変化はないと考えられる。

現状の旅客流動に対してシェア移動が発生した場合の基礎数値を出してみた。

(1) 関東・東北から北海道への利用客を347万人と算出した
(2) 中部以西からの現状の鉄道利用者数は3万人。
(3) 道南→道央間の「道内利用客」を80万人。

これで430万人である。
さらに、一般的に新幹線開業により、航空旅客の転移だけでなく、新たな旅客流動需要が創出される。道内需要では乗用車からの転移も見込まれる。

よって、いささか乱暴だが上記の数字をおおむね3割増した560万人、これがいかさま流試算による北海道新幹線の年間利用者数である

道経連の試算とは2割以上の開きがある(笑)。ほんとに大丈夫か、と、需要予測を疑いたくなる。

けれども、私の低い方の試算をベースにしても、片道1日あたりの平均でみると、約15,300人である。
東北新幹線E5系新幹線「はやぶさ」の定員は731名。平均乗車率を70%として、1日当たり30往復の新幹線列車を走らせることになる。定期列車ベースでいくと長野新幹線を上回る運転頻度になる

意外にイケるかもしれない。

ただ、もうひとつ忘れてはいけないことがある。
日本の人口は、2007年以降減少を続けており、北海道新幹線札幌開業予定の2035年度の日本の総人口は、2005年度比1,700万人マイナスの1億1,068万人と推計されている(国立社会保障・人口問題研究所)。
特に北海道・東北は、すべての県で人口が15%以上減少する。おまけに高齢化も進む

この状況で日本の経済成長がGDP年1.4%を確保できる保証はなく、そうなると私の厳し目な需要予測をさらに下回る可能性も出てくる。新幹線と言う、莫大な投資を要するインフラを、いかに効率的に活用していくか、完工までの24年間、状況を見ながらしっかりと考えていく必要があるだろう。

ちなみに札幌延伸予定の2035年、私は63歳になっている
きっとまだ働かされてるんだろうなぁ。

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