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2013/05/19

いかさまトラブラー【2】寝過ごし編(2)

前回のブログで書いた九州旅行以来、私は自戒の念を込めて、時計もしくは携帯電話でのアラームを極力持ち歩き、不安な時にはそれをセットして下車に備えるようになった。それ以来、旅先で寝過ごすことはめったになくなったが、それでも昨年の関西旅行の際のように、ふとした油断でやらかしてしまうことは間々発生する。

また、緊張感のあるはずの日常生活でも、寝過ごし体験は少なからず存在する。
不思議なもので、何事によらず「あと少しでゴール」という段になると、それまでの緊張が一気に緩和へ向かう傾向がある。このあたり、私が周囲から「詰めが甘い」と言われる所以でもあるが、ともかく、自分が下車する駅の直前までの意識ははっきりしており、あとひと駅、というところから急速に夢の世界へ堕ちていき、気がつくと寝過ごし、というパターンが多い。

旭川に住んでいた頃、札幌から最終またはその1本前の特急で旭川へ帰る、ということが何度かあった。札幌から30分間隔で運転されていた旭川行き特急の最終は21時。そのあと、22時台・23時台は、稚内行き「利尻」、網走行き「オホーツク9号」という夜行列車であった。

日付まではっきり覚えてはいないが、まだ私が独身だったことや、当時のダイヤ構成から考えて、1999年のことだと思う。その時も札幌で所要があり、会食の後、札幌発23時05分の最終特急「オホーツク9号」に乗った。基本的に酒が不得手な私は、この日も酒量を控えてソフトドリンクで会食に付き合い、ほぼしらふの状態であった。それでも1日をフルに活動した疲れはある。私は、寝るまいぞ、寝るまいぞと自分に言い聞かせながら、およそ1時間30分の行程を過ごした。

Touma深川を過ぎ、何本ものトンネルをくぐって、旭川のふたつ手前、伊納駅の駅名標が窓の外を通過して行った。ここまでははっきりと覚えている。
ところが次に気がついたとき、列車は小さな高架駅をゆっくりと通過するところだった。「旭川四条」と駅名が読めた。旭川の次の駅である。

私は、ああ、やってしまった、と猛省したがもう遅い。ここから旭川へ引き返す方法は、次の停車駅、当麻で下車して自力で戻るか、上川で札幌行きの「オホーツク10号」を捕まえて戻る「夜行返し」しかない。これだと旭川に帰り着くのは明け方4時になる。

私は車掌に事情を話して当麻で下車した。他に下車客もない小さな無人駅だが、市街地にたまたまいたタクシーを拾って旭川まで戻った。5,000円以上かかったような記憶がある。札幌-旭川間の特急往復割引きっぷの値段を超える料金を払って2時過ぎに家に帰ったが、わずかな時間にもかかわらず列車の中で眠ってしまったのと、「やらかした」という反省の気持ちから、部屋に帰ってもほとんど眠れなかった。

昼間の特急「オホーツク」は、当時から旭川を出ると48.6km先の上川までノンストップであるが、この夜行「オホーツク9・10号」は、急行列車だった時代の名残で、唯一当麻に停車する特急であった。旭川-当麻間は17.6kmである。
また、仮に乗った列車が稚内行きの「利尻」であれば、旭川の次の停車駅は36.3km先の和寒。タクシーで戻ろうという発想には、おそらくならなかったに違いない。「オホーツク9号」だったのが不幸中の幸いであった、とも言える。

時は流れ、2006年3月のダイヤ改正で、「オホーツク9・10号」は、「利尻」とともに多客期のみ運転の臨時列車となり、2年後の2008年には列車そのものが廃止となってしまった。札幌発22時台・23時台には、旭川行き「スーパーホワイトアロー」(現「スーパーカムイ」)が増発された。旭川住民にとっては寝過ごしの心配はなくなり、電車化で到着時刻も繰り上がって便利になったが、私はふたつの意味で複雑な気分だった。
ひとつは愛すべき夜行列車が廃止の憂き目に遭ったこと。そしてもうひとつは、その時私は転勤によってすでに岩見沢市民となっており、特急で札幌から帰る限りにおいては寝過ごしのリスクは解消されていなかったことである。

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コメント

こんばんは~寝過ごしというと思い出す話があります。

私の伯父は生前茨木に住んでいた頃の事です。
梅田でお酒を飲んで阪急電車に乗るのですが寝入ってしまい、終点の河原町で車掌さんに起こされたそうです。もうその時間になると電車は始発までなく、タクシーで戻ったそうです。それなら初めから梅田からタクシーで帰った方が安くついたのに・・・と伯母がぼやいていました。

投稿: きなこ団子 | 2013/05/20 00:12

>きなこ団子さん
コメントありがとうございます。

茨木から河原町もかなりのつわものですね(笑)。
今調べてみたら30kmもあるようです。タクシーに乗ったら10,000円近い距離でしょうか。それなら梅田からタクシーの方が間違いなく安いですね(笑)。

むしろ「高い酒代になってしまった」という感じでしょうね。

投稿: いかさま | 2013/05/20 22:49

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