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2013/11/24

あれから20年。

珍しく先週1週間、寝不足になるほど働いたいかさまです。こんばんは。

最近鉄ネタばかりで評判が悪いので、ホットなネタを。

我が家の上の坊主は小学校4年生である。
今の段階では特段中学受験など考えているわけでもないし、こと勉強に関して、親として尻を叩くつもりも毛頭ない。お父さんの経験上、この手のことは無理やり押し付けたところで何の効果も発揮しないことは明らかである。

それでもどういうわけか、このところ、あちこちの公開テストを受験に行くことに熱意を示している。本人がその気になっているのであれば、やらせておいて損はない。自分のポジションがどのあたりなのか、折に触れて確認しておくことも、悪くないことである。
こうした一連の公開テストの延長線上で、今日、某学習塾の模擬授業を受けることになった。

この某学習塾は、私が大学時代にアルバイトで講師を務めていたところである。保護者向けの説明会も兼ねての開催で、会場は普段の教室ではなく、都心の会議室を借りてのものであったが、説明会の合間に授業風景を見学することもできた。

私は会場の最後列に座り、子供たちの前で懸命に授業をする講師を注視した。
その講師は、私の学生講師時代の同級生である。

私と彼は所属する本部は違ったが、同じ科目を教えていた。当時のこの塾は、札幌市内の各本部相互に学生講師同士の交流があり、夏休みや冬休みの講習会前など、本部をまたいで学生講師が集まり、お互いに授業研究(模擬授業)をしながら意見を交わしていた。
温泉に泊りこんで、若手講師が先輩方を前に授業をし、メッタメタに駄目出しをされ、昼夜を分かたずやっつけられる「合宿」などというイベントもあった。

私と彼はともに、若造時代にその「合宿」で授業研究をさせられ、ともに蜂の巣状態にされた「戦友である。よく通る声で押し出しも強く、やや勢い任せの傾向がなくもなかったが、堂々とした授業スタイルは、若手のそれではなかった。私も自分の授業についてはそれなりに自信はあったが、黒板の前に立つ彼を見て、こいつには負けたくない、と思った。

それから時を経て、私は20年ぶりに、彼の授業風景を見つめていた。
私は大学卒業とともに塾講師のアルバイトを離れて久しい。一方彼は、大学卒業後、そのまま専任講師としてそのまま塾に残り、天分と実力をいかんなく発揮したようで、今では小学生部門の重要なポジションに就いている。

そんなわけで、私は彼の授業を、親としての目線でなく、同僚としての目線で追った
授業そのものはテキストの答え合わせと解説が中心の内容で、時間も短く、往年の工夫を凝らした授業を見ることはかなわなかったが、当時よりいくらか太くなった体から出される声は往時以上によく通り、破壊力十分だった。大きなボディアクションも、押しの強さも健在だった。

彼は模擬授業に入る前に、「そうか今日はおまえに授業を見られるのかぁ。なんか緊張するなぁ」などと言って笑っていたが、子供の前に立った彼は、私にはない18年間の蓄積を経た自信に満ち溢れていた。
坊主によると、私たちが見学に入る前の授業では、面白い例えも引きながら子供たちをリラックスさせたらしい。満足げに語る坊主の話を聞いて、私は、あいつ変わんねぇな、と、思わずにやりと笑った。

我が家で坊主を塾に通わせるのはまだ当分先になるだろうが、そうなったとき、選択肢の中に、同期としてお互いに高め合ってきた仲間がいる、ということは、何にも増して心強いことではある。


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日常の旅人」カテゴリの記事

コメント

こんにちは^^
いろんなご縁というのはあるものですね。
世間は狭いとも言えるかな?
うちの長男が入学した高校の進路部長として君臨していた
のは、高校時代の同級生でした。同じ仲間だった友人と、
何だか息子を人質にとられた気分ねなどと
話したことを思い出しました

投稿: ターコイズ | 2013/11/25 09:24

面白い体験ですね。

塾に行かなくても、小6から始めても、中学受験は成功します。
我が家がそうでした。
私自身、小4からがちがちに塾に通わせて受験をすることに、すごく違和感を感じてます。
その年代には、その年代にしか感じられないことや経験できないことがいっぱいあって・・・。
そういうのを大事にしてあげたいと思ってます。

投稿: ai | 2013/11/25 15:09

鉄ネタの評判が悪いわけはないと思いますが
それは置いておいて
塾の講師をされてたんですね。
すごいなー。
私は家庭教師はやりましたが、塾の講師はムリ
学校の先生も、塾の先生も、尊敬しちゃいます
中学受験を親が勧めて子どもをその気にさせるのは
どうかなーと思うんですけど、
自分からやりたいのなら、それは大いに勉強してください、ですね。
そこに、信頼できる昔の仲間がいらっしゃるなら
なお良し、ですね~。

投稿: 瑠璃 | 2013/11/25 18:36

いかさまこんばんは。息子さん、親の背中を見ながら育ってますね。また偶然にも昔の戦友との再会!因縁めいたものがあり、素晴らしい。
子育てってゆうより一人の友としての見守り、楽しみがあっていいですね。羨ましい!

投稿: mitakeya | 2013/11/25 21:15

寝不足になるほど働いた・・・それはめずらしい!(笑)
いかさまjr.1号、自分から公開テストを受けに行くってすごい!

私は母親の意向で中学受験をするところでした~。なかなかイヤだと言えなくて、土壇場で『みんなと同じ中学に行きたい』と意思表示をしたものだよ。

そういうことが多々あったので、私も自分の子供には何かを押し付けるようなことは絶対にしたくないと思ってる。

その『彼』は私の知っている先生なのかな?

投稿: むっち | 2013/11/25 23:26

>ターコイズさん
お返事が遅れましたが、いつもありがとうございます。
彼が卒業後も塾講師の道を選んだことは人づてに聞いて知ってはいましたが、いざこういう場面で遭遇すると、世間のせまさを感じますよね。
子供がそういう年代になってきたということは、裏を返せばそれだけ歳をとったということで、嬉しいような、悲しいような、です(笑)

投稿: いかさま | 2013/11/28 00:01

>aiさん
コメントありがとうございます。お返事が遅れました。
何事につけてものんびりした北海道の土地柄では、中学受験はまだ珍しいです。我が家も全くその気はないのですが、本人がその気になって自ら勉強する、というのであれば、止める理由はないかな、と思っています。

まだ4年生だし、後に退くこともできますからね。
個人的には私も、アホでもいいから視野と心の広い人間になってほしいと思っています。まあ私の子ですからあまり期待はできませんが(笑)

投稿: いかさま | 2013/11/28 00:05

>瑠璃さん
お返事が遅れましたが、いつもありがとうございます。
鉄ネタが深い所に入っていくと、日々のアクセス数が減るという結果が、如実にあらわれておりまして(笑)
鉄分は軽めがちょうどいいようです。

「教える」という作業は難しいです。仕事の上でのOJTも全く同じで、対象が大人であっても子供であっても、伝えて理解させるというのは大変ですね。私には4年が限界でした。この仕事を20年以上続ける、ということは、それだけで尊敬に値します。ましてそいつがどんな先生かを知っていれば、なおさらですね。

投稿: いかさま | 2013/11/28 00:09

>mitakeyaさん
お返事が遅れました。いつもありがとうございます。
残念なことに、うちの坊主はお父さんの背中どころか、常に鏡を見てきたのではないかと思うほどお父さんそっくりに成長してしまっておりますが(笑)、お父さんの子供時代には勉強など1秒たりともしたくないと思っておりましたので、そのあたりはだいぶ違うようですね。嫁に似たわけでもないようです(笑)。

当時とはお互い立場が違うのですから、本当は親の目線で塾や先生の評価をしなければいけないのでしょうが、やはり一度身に沁みた感覚は、なかなか抜けませんね。

投稿: いかさま | 2013/11/28 00:13

>むっちさん
お返事が遅れました。いつもありがとうございます。
その彼は残念ながら本部も違いますので、おそらくご存じないと思いますが、教える立場、親の立場を体験した私が唯一体験したことがないのが、実は生徒として「教わる立場」だったりするわけです。
そのへんのところ、若き日の私に「教わる立場」だったむっちさんのご感想を、じっくりと伺ってみたいような、みたくないような(笑)

投稿: いかさま | 2013/11/28 00:15

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