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2014/04/03

いかさまトラブラー【7】珍トラブル編(1)

久しぶりに鉄道旅行のネタを。


以前に「寝過ごし」「忘れ物」を題材に、旅先におけるトラブルをいくつか紹介した。
 ⇒「いかさまトラブラー」
これに「乗り遅れ」を加えれば、旅先のトラブル三冠達成となるのだが、幸い、これまでの旅の中で、自己責任による「乗り遅れ」の記憶はほとんどない。

だが、結果として旅そのものに支障をきたしたわけではないけれども、道中起こったトラブルというのは他にもいくつかある。

前にも書いた1995年の日本一周旅行の時の話である。

まだ九州新幹線が影も形もない頃、博多から西鹿児島(現在の鹿児島中央)行きの夜行特急「ドリームつばめ」に乗り、深夜2時25分着の八代で下車した。
私はここから人吉方面へ向かう肥薩線の始発列車に乗る予定にしていた。発車は6時01分で、3時間半あまりある。ホテルに泊まるほどの時間も金もなく、私は待ち時間を駅の駅の待合室で過ごすつもりであった。

ところが、「ドリームつばめ」が出てしまうと、非情にも駅の待合室は施錠され、私たちは外へ追い出された。かつては夜行列車の停車駅など、ほぼ一晩中待合室は解放されていたものだが、ホームレス対策などの理由により閉鎖するところが増えつつあったようである。

時は2月、九州とはいえ外気温はおそらくひとケタである。私は暖を求めて駅前の通りを歩き、国道3号線に出た。右手数百mのところに「リンガーハット」の看板が光っている。営業時間は4時まで(※現在は2時まで)と中途半端だが、少なくとも1時間ほどは時間をつぶすことができる。私は店に入って、特段うまいとも思わないちゃんぽんを腹に流し込んで、体を暖めた。

やがて閉店の時間となり、のろのろと私は席を立った。店を出ると近くにセブンイレブンがあり、そこへ入ってみたが、品定めや立ち読みでそうそう時間を潰せるものではない。4時半過ぎ、私は諦めて八代駅に戻った。駅前のベンチに座っていると、せっかく暖まった体が少しずつ冷えていくのがわかる。

駅前のロータリーにパトカーが入ってきて止まった。何かあったのかと見ていると、パトカーを降りた警察官ふたりがつかつかと私の方へ歩み寄ってきた
ちょっといいかい?ボク」警察官のひとりが話しかける。人生初めての職務質問体験である。
「どこから来たの?」-札幌です。「名前は?」-○○です。
家出じゃないよね?」-違います。

断っておくがこのとき私は22歳である。元来薄いが無精ひげも生えている。その私を捕まえて家出少年と疑うとは何事か。おまけによくよく思い出すと「ボク」などと呼ばれている。私はむっとしたが、公権力に逆らってみたところで得られるものは何もない。私は、警察官が無線で家出人照会するのを黙って見ていた。

Yatsushiro当然のことながら該当の家出人は見つからず、私は無罪放免となった。ふと横を見ると、隣のベンチで同じく体を丸めていた中年のサラリーマン氏が、頭を掻きながら同様に職務質問を受けている。こちらは「家出中年」扱いである。同じく無罪放免されたサラリーマン氏は福岡県庁の職員で、自宅最寄りの羽犬塚で下車するつもりが寝過ごし、八代まで連れて来られてしまったとのこと。始発列車で引き返すという氏は、「もし近くに来たら寄りなさい」と連絡先を教えてくれたが、行程の関係でお伺いすることができなかったのが残念である。

私にとって人生初の職務質問体験は、幸いこの程度のことで済んだのだが、後ろ暗いところがないとわかっていてもあまりいい気分がしないのが普通である。それ以来、いかに貧乏旅行であっても、屋外で一夜を過ごすようなことは絶対しないよう気を付けている



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コメント

おはようございますいかさま。
とんだ失敗例熊本編ですね。読みながら( ´艸`)プププついつい笑ってしまいました。
「ボク」ちゃんくれぐれも間違われて職質されないよう気をつけて下さいね。(*^m^)

投稿: mitakeya | 2014/04/04 06:39

一夜を外で過ごさなくするように....って言っても

訳あり特別料金では泊まりたくないよ~(笑)

投稿: buzzっち | 2014/04/04 12:16

こんにちは!
朝の4時半に職務質問…
どうせなら警察署とか交番に入れてくれたら寒さもしのげたのに!
ちなみに私はアメリカで不法入国者?に間違われパトカーに乗せられました。
夏でも寒いボストンで半袖短パンで歩いていたからでしょうか…
パスポートを照会してすぐに解放になり、最寄り駅まで送ってもらいましたが、金網がはられ自分で開けられないドアの車は複雑な気分でした。
まぁ、貴重な体験の思い出です。
いかさまさんも「家出少年」という青春の思い出!
切ない感じが、早くもいかさまさんの雰囲気を醸し出してますね!

投稿: ミナゾウ | 2014/04/06 07:37

こんばんは。
警官の職質とは…ドキドキでしたね。
読む方は笑ってしまいますが^^
いかさまさんはかなりお若く見えたのですね。
若い時に若く(幼く)見えるのは複雑な心境ですね。
今だったら嬉しいかも…男性はそれほどでもないのでしょうか?
ちなみに私は二十歳の時小学生にみられた事があります。
さすがに嬉しいを通りこしました(笑)

投稿: ミミ | 2014/04/06 23:20

>mitakeyaさん
こんばんは。いつもありがとうございます。
ある意味、私が「失敗」したわけではないのですが(笑)、深夜に駅前でフラフラしているなど、若かろうが年をとっていようが怪しいのに違いはないですね。
この年になるとさすがに、立ち居ぶるまいには気をつけるようにしています。いい歳こいて職質など、シャレになりませんもんね(笑)

投稿: いかさま | 2014/04/07 00:04

>buzzっちさん
こんばんは。いつもありがとうございます。
そういえばそんなこともありました(笑)

何が訳ありだったのか未だにわかりません。鈍感なんでしょうか。
buzzっちさん、舞鶴にお越しの際は、試しに泊ってみてください(笑)

投稿: いかさま | 2014/04/07 00:05

>ミナゾウさん
こんばんは。いつもありがとうございます。
ボストンのどのあたりだったのでしょうか?
お互い何事もなくてよかったですね。それにしても、異国の地でポリスマンに問い詰められてパトカーに乗せられるとは、ミナゾウさんもかなりの恐怖体験でしたね。

今となっては笑い話、ネタとして活用できますが(笑)

投稿: いかさま | 2014/04/07 00:07

>ミミさん
こんばんは。いつもありがとうございます。
何事も「程度」というものがありますよね。
22歳当時、おまわり様から見て私はいったい幾つに見えたのでしょうか。中学生くらいですかね。
20歳で小学生を疑われたミミさんにはかないませんね。

今ですと30代中くらいに見られると、ちょっと嬉しいかもしれませんね。ちなみに私は30代前半で係長を拝命した際、取引先の方に
「お前みたいな若造じゃ話にならん。係長を連れてこい!!」
とどやしあげられたことがあります(笑)

投稿: いかさま | 2014/04/07 00:10

ふふふ・・・
過ぎてみれば、笑い話なのでしょうけど・・・
寒さの上に、職質とは
そこまでするなら・・・せめて、駅舎があくまで交番に連れて行ってほしかったですよね。
それにしても・・・『ぼく』って・・・
仮に10代に見えたにしても失礼過ぎですよね!

投稿: ai | 2014/04/07 23:19

>aiさん
こんばんは。いつもありがとうございます。

この手の話は、時間が過ぎてしまうと笑い話として活用できるのがいいですね(笑)
暖かいところに行きたかったのは山々ですが、交番に連れて行かれるのは、それはそれであまり気分がよろしくないと思われますので(笑)、短時間の職質で済んでよかったと思います。

「ボク」に関しては、40を超えて未だに若手のオモチャにされている私なので、仕方がありません。

投稿: いかさま | 2014/04/10 00:27

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