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2014/07/22

2008年欧州の旅【2】フランス・パリ(2) なんだかなあ。

前回の続き。

08100905 パリに到着した日、私たちが宿泊したのは、RERで私たちが降り立ったパリ北駅に隣接するパリ東駅に近い某チェーンのホテル。おりしもパリ・モーターショーの最中とのことで、東横インに毛が生えた程度のツインルームは1泊3万円以上と超高価。けれども私にとっては最上の部屋でもあった。

08100908 それは部屋の窓を開けると、眼下にパリ東駅の構内が広がっていたからである。
構内の大きさに比して列車の出入りする本数は驚くほど少ない。もっともそれは日本の鉄道ターミナルのせわしない情景を見慣れたからであって、一般に海外のターミナルは時間が穏やかに流れるように感じる。ときおりTGVの長い編成が、体をくねらせながらゆっくりと進入してくるのが見え、私は部屋で過ごす時間、この景色を飽くことなく眺めた。

ところでその日の夕食のためにロビーへ集合すると、ボスが憤慨している。
聞くと狭い部屋の中で足をぶつけて流血したらしく、ズボンを捲り上げて怪我した足を私たちに見せる。曰く、
「ベッドはひとつしかねえ。シャワールームにはバスタブもないし、荷物を広げるのにも難儀する狭さだ。ベッドの角で足をぶつけて、このざまだ。」

私たち4人は顔を見合わせた。ボス以外の4名の部屋はツインルームで、確かに狭いがもうひとつのベッドを使えば荷物を広げるのに不自由はしない。バスタブもついている。
どうやらボスひとりだけが貧乏くじを引かされたらしいが、すでに全員部屋に荷物を広げてリラックスした中、誰も代わって差し上げようと言えず、気まずい雰囲気が一瞬流れる。

5586359_824635636_1large 時差ぼけ回避と明朝の早起きに備え、ホテル近くのビストロで軽めの夕食。ビールで乾杯し、メニューを広げるが、当然ながらすべてフランス語。20年以上も前、しかも全く真面目に取り組まなかった第二外国語に歯が立つわけもなく、イラストだけで判断し、「Jambon」の正体も分からぬまま、「Jambon de Paris」を注文する。

で、運ばれてきた物がこれである。

5586359_824635637_1large_2 ここに至ってようやく、「Jambon」=ハムであることは理解できたのだが、ずいぶんイラストと違う。緑も黄色もどこにも見当たらない。これで4.2ユーロ、約600円である。5人揃ってブツブツと文句を言いながら、ハムが挟まったカリカリのパンを食べる。


食事を済ませて解散した後、私はホテルで飲む飲み物が欲しくなった。パリ東駅周辺は、ガイドブックにはあまり治安の良くないエリアであり、ひとり歩きは避けるようにとガイドブックに書かれている。そこで、ホテルのすぐ近くにある1軒の商店に入った。

間口2間ほどの小さな店で、10歳くらいと思われる黒人系の少年が店番をしている。私は1.5ユーロと値札の貼られたファンタオレンジを手にレジへ行き、彼に5ユーロ紙幣を差し出した。彼はレジを叩き、5ユーロ紙幣を奪うようにして取ったが、なかなかお釣りが出てこない。
「ハリアップ」と軽くつぶやいてみると、彼はレジの中から小銭を無造作に取り出し、私の掌の上に置いた。

ところが店の外で金額を数えてみると、10セント硬貨が11枚に20セント硬貨が2枚。明らかに足りない。
私は店へ戻り、レジの少年に「おかしいべや」と日本語で抗議。それから頼りない英語で3.5ユーロ返せと要求してみる。すると彼はジュースを指差し、何やら言っている。よく聞くと、「これは2ユーロだ」と言い張っている。

ここで私はこの少年が私を騙そうとしていることに気がついた。要するに金が欲しいのであろう。50ユーロくらいくれてやっても別段構わないが、そもそも私は5ユーロ払って1.5ユーロしか返してもらっていない

「わかったよtwo払えばいいんだろ。そのかわりきっちり釣りは返せよ。」
日本語でまくしたてて小銭を少年に突っ返すと、彼は不服そうにレジから3ユーロを取り出して私に返してよこした。
「ふざけんなよ。」そう吐き捨てて帰ろうとした私の背中に、

アリガト
少年が片言の日本語を浴びせた。振り返ると少年はニヤニヤ笑っている。

08100912 言葉を解さない観光客、とりわけ日本人が、この国、というかこの地区でどのように見られているかを垣間見たような気がして、私は悶々としながらホテルへ戻り、500mlで290円相当のファンタオレンジ飲みながら、しばしぼんやりと窓の外のパリ東駅を眺めていた。


続く。


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世界の旅人」カテゴリの記事

コメント

フランスのレストランで
同じ目に遭いましたよ。
まだ ユーロではなくフランでしたが・・・。
帰国日にお金が余ったので、夫と夕食を
ホテル以外で取る事にしました。
お客が沢山いて待っている人も沢山・・・。
夫はカード払いを・・・と言ったのですが、
お金を使い切りたくて、現金払いに。
ウエイターに現金を渡すと・・・小銭を苦労しながら
もそもそと出しています。何だろ~と不審に思っていたらサッサと居なくなり、やっとお釣りが
少ないのに気が付きました。
フランス語も分らないのにウエイターを追っかけましたが姿が見えません。
フランスって嫌いになりました。

投稿: マーチャン | 2014/07/23 06:44

思わず1ユーロ以下の単位を検索してしまいました (^-^;

ほとんどの日本人が「まあいいかっ!」で
済ませてしまうんでしょうね
いかさまさんみたいに正義感の強い日本人が
もっと増えれば、対応は変わってくるのに (*^m^)

「Jambon de Paris」
この絵を見る限りは、そのまま届くって思っちゃいますよね
もう5.5ユーロでサラダとトマトが et Jambon されることが
メニューの一番下に書かれてあるなんて、現場じゃとても
冷静に判断できませ〜ん

投稿: buzzっち | 2014/07/23 07:08

日本人は、カモにされるという話はよく聞きますが、
少年でさえ、そうなんですね。ちょっと悲しくなるエピソードですね。
ボスの話は笑えました。きっと日頃の行いが。。。

投稿: ターコイズ | 2014/07/23 08:50

おフランスだぁ~\(^o^)/
海外ではお釣りの計算の仕方が違うらしいですね~?
きっとフランス語が堪能でない外人は
多少のことは諦めてしまうって
少年も学習していたのかも…
「おかしいべや」
…きっとこの言葉、少年にも通じたのでしょうね?
最後の「アリガト」でちょっと救われました。
ホテルの部屋で駅を見下ろしながら
一人飲むファンタの味は…同じでしたか~?

投稿: ひまわりっこ | 2014/07/23 14:10

おはようございます。
さすがいかさま。
日本語でクレームつけるなんて(* ̄ー ̄*)ソンケイ
mitakeya海外ではばら銭全部出して(* ̄0 ̄)ノOK?
なんての種類ですので、お釣り確認なんかできません。
でも、いかさまのお叱りで、現地の子どもも人をだます恥ずかしさに芽生えたかもしれませんね。
( ̄▽ ̄)良い話だ!

投稿: mitakeya | 2014/07/24 06:18

>マーチャンさん
いつもありがとうございます。
この記事を書いた後、友人から「いくらなんでもそんなことはないだろう」と言われたのですが、事実です。同じ体験を共有(?)した方がいらっしゃってホッとしています。
フランス人は、フランス語を解さない人を少し見下しているような気がしますね。
今回更新分も、フランスでの「なんだかなぁ」な体験を綴っています。フランス、綺麗な国なのですが、あまりいい印象を得られませんね。

投稿: いかさま | 2014/07/27 23:40

>buzzっちさん
いつもありがとうございます。
失礼いたしました。ユーロの端数はドルと同じく、「セント」ですね。1ユーロ以下は硬貨、1ユーロ以上は札があります。

本来私は引っ込み思案なので(笑)、おかしい!と思っても言えないことが多々あります。ファンタのときはたまたま言ってしまいましたが、パンの時には言えませんでした。冷静に考えると、言葉が多少分からなくても、サラダ・トマト・フロマージュくらいは理解できるはずですものね(笑)

投稿: いかさま | 2014/07/27 23:44

>ターコイズさん
いつもありがとうございます。
パリ東駅周辺はあまり治安の良くないエリアで、この店も何か妙な雰囲気が漂っていました。あまり強く言って、屈強なオッサンが出てきたらいやだなぁ、という気もしていましたし。

ボスは大変いい人なのですが、日頃仕事でよくやっつけられていましたので、こういう場面に遭遇すると、心の中で小さなガッツポーズをとってしまう自分が居ます。悪い奴ですね(笑)

投稿: いかさま | 2014/07/27 23:47

>ひまわりっこさん
いつもありがとうございます。
「アリガト」の一言、良心的に受け止めればそういうことなのでしょうが、今に至るまで私は、言葉、それもフランス語どころか英語も覚束ない私を小馬鹿にされたように感じています。
そんな気分で駅を見下ろしながらひとり飲んだファンタの味は…ファンタでした(笑)

投稿: いかさま | 2014/07/27 23:49

>mitakeyaさん
いつもありがとうございます。
日本語でクレームをつけたのは、日本語以外にしゃべれる言葉がなかったからに他なりません(笑)
普段だったら私もつり銭など確認しないのですが、あまりに妙な雰囲気だったのでちょっと不審に思ったのです。

あの雰囲気からすると、連中はこれで反省したとは思えませんね。おそらく、同じような日本人を見つけては、その後もおつりをごまかし続けたんだろう、そう思っています。

投稿: いかさま | 2014/07/27 23:51

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