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2014/09/05

2008年欧州の旅【9】オランダ・世界最大の花市場

続き。

私がブログを通じて交流させていただいている方々の中には、花のお好きな方が多い。私自身は花を育てたり、観賞したりする趣味はないけれども、世の中にはこんな「花」の世界もある、というお話。

デン・ハーグでの視察を終え、アムステルダムに入った私たちは、その翌日、世界最大の花市場へ足を運んだ。

オランダと言えば花の国である。街の至る所に色とりどりの花が競うように開き、商業ベースでも世界有数の花き生産国であるとともに、世界各地から花が集まり、また世界各地へと売られてゆく、物流の一大拠点でもある。

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そのオランダ最大にして世界最大の花市場が「アールスメア花き市場」である。スキポール国際空港近くにあるこの市場は、年間50億本の切り花5億鉢の鉢花を取り扱う。日本国内最大の花市場である東京中央卸売市場(大田市場)の扱い量が切り花6億本、鉢花2,500万鉢であるから、ざっとその10倍の規模である。

市場そのものが農業協同組合と同様な組織形態になっており、構成員である生産者が、厳しい品質基準に基づいて生産された花を出荷してくる。産地はオランダだけでなく、近隣諸国やアフリカ・ケニアなどにまで広がっている。

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入荷した花は構内で自動仕分けされて競りにかけられる。売人とひな壇の買参人が指を突き出しながら大声でやり取りする古くからのスタイルではなく、ひな壇の正面に掲示された大きな時計(競り時計)に示された情報と、その下に展示された花の現物を参考に、買参人が手元のキーボードで希望価格・数量などを入力して入札する、という自動入札が行われている。大田市場や国内の主要市場でも導入されている方式であるが、扱う数量が膨大なことから、競り場の数も多い。現物を展示せず、生産者情報だけに基づいて競りが行われるものもあり、猛烈なスピード感である。

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競り落とされた花は、入札情報の入ったラベルを貼られて自動的に仕分けされ、所定の引き取り場所に搬送され、買参人のもとに渡る。場内には3社の大手仲卸業者が入っており、彼らが購入した花は「アールスメア・シャトル」と呼ばれる自動搬送機で、市場に隣接する各社のリパックセンターへ運ばれていく。ここで段ボールに再包装されたり、ブーケアレンジされたりして、世界各地へ輸出されていく。一連の流れを見ていると、その膨大な物流に圧倒され、世界のどこにこれほどの需要があるんだろうと感心することになる。

2008102_418 オランダの国花であるチューリップの生産は当然のようにオランダが世界一である。一方、バラやキク、ガーベラなど、汎用性の高い花の生産地は、生産コストの安いアフリカへ技術移転し、現地生産する比率が高まっている。オランダ国内での花生産は希少品種や付加価値が高く収益性の高い品種へのシフトが進んでおり、生産者の収益性確保が図られているのである。「花の国」オランダを縁の下から支える生産者と物流業者は、世界の一歩先を進んでいる。


続く。


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コメント

ワァ―!すごいねえ
お花の通販のパンフレットを見てると
オランダ産の多いこと!さすがですね
物流システムもハイテクなんですね
あっという間に世界中に供給できるんですもの

投稿: 姉さん | 2014/09/05 22:31

こんばんは、お久しぶりです。
オランダってお花といえばチューリップ…しか思いつかない貧しい知識しかないのですが。
しかも、画像を見てもお花よりも「意外と市場が近代的」とか物流システムの話に食いついちゃう感じです。
ちょっと行ってみたいなぁ!

投稿: ミナゾウ | 2014/09/06 23:45

こんばんは。
もの凄く規模が大きいですね。
私にとってオランダはやはり花の国です。
キューケンホフの帰りにチューリップの球根を扱う市場へ行きましたがそこもすごく広かった事を思い出しました。
市場の入札風景も見てみたいです。
その前にあまりの広さにキョロキョロしそうですが(笑)

投稿: ミミ | 2014/09/07 20:55

>姉さんさん
いつもありがとうございます。
「オランダ=花の国」と言うイメージは漠然と持っていても、実際にこういう風景を目の当たりにすると、その印象を強いものにしているバックボーンがあるということを知らされます。日本にもこれに近い施設はありますが、なにしろ規模が桁違いなので圧倒されますね。

投稿: いかさま | 2014/09/09 00:14

>ミナゾウさん
ご無沙汰しております。いつもありがとうございます。
ご心配無用です。私の知識もその程度です(笑)。これは一応仕事向けに一生懸命学んだ成果です。
市場ではセリ場だけではなくインターネットを介してのセリへの参加も可能だと聞きましたが、日本に帰って、日本の花市場でもそういうシステムを導入しているところが増えていることを知りました。時代は確実に変わっていますね。

投稿: いかさま | 2014/09/09 00:16

>ミミさん
いつもありがとうございます。
切花のみならず、チューリップなどの球根もかなりの量がオランダから日本に入ってきていますね。
セリの光景は、広さと人数の割には静かに、淡々と進んでいきます。ひと昔前の怒号に近い入札の声が飛び交うような雰囲気ではないですね。
市場内には花の鮮度試験を行う場所や研究室などもあって、ひとりだったら迷子になっていたに違いありません(笑)

投稿: いかさま | 2014/09/09 00:18

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