« 東海道中乗りつぶし【9】十国峠から箱根へ | トップページ | 東海道中乗りつぶし【11】秩父にて重箱の隅をつつく »

2014/11/27

東海道中乗りつぶし【10】箱根横断 桃源台から湯本へ

続き。
Hakone_2

20140922057 20140922061
 さて、箱根町港から、11時20分発の箱根海賊船で、芦ノ湖を対岸の桃源台へ渡る。豪華というかやや悪趣味な感もあるが、ともかく休日谷間の平日のせいか乗客は多く、外国人の姿も多い。元箱根港に立ち寄って旅客を入れ替え、40分弱で桃源台港に到着する。

20140922073 20140922077
 桃源台港のターミナルからは、箱根ロープウェイに乗車。スキーのゴンドラをやや大ぶりにした感じのゴンドラが1~2分の間隔で運転される。途中駅のあるロープウェイも珍しい。右手前方に湯気の立ちのぼる大涌谷の景色を眺めながら、大涌谷駅に到着。ここまで約16分。ロープウェイはいったんここで乗換えとなる。

20140922086 20140922092
 大涌谷駅の展望台に出てみると、正面に冠ヶ岳の中腹に広がる大涌谷の噴煙地が望める。予告編6枚目の場所である。噴煙に向かってたくさんの観光客が上っていく姿がゴマ粒のように見える。その姿をひとしきり眺めてから駅に戻り、今度は早雲山へ向けてロープウェイで運ばれる。無数のパイプが迷路のように張り巡らされた谷あいの地肌は、ところどころが硫黄で黄色く染まっている。

20140922099_2 20140922105_2
 早雲山12時30分発の強羅行き箱根登山鉄道ケーブルカーは、平べったい車体を赤く塗られた近代的なケーブルカー。ほぼ一直線に山を下っていく。全長1.2kmに対し、高低差は214mと、比較的緩やかである。
 上強羅・中強羅・公園上・公園下と4つの中間駅がある、珍しい路線である。ケーブルカーは2編成の電車が両端駅を発車しくみになっているから、駅間距離はすべて240mに統一されている。2編成の電車は中強羅と公園上の中間ですれ違う。

20140922112 20140922117
 山小屋風の強羅駅に近い食堂で玉子丼を食べ、13時23分発の箱根登山鉄道箱根湯本行き電車に乗る。
 箱根登山鉄道は、趣味的には他の鉄道にない特色を非常に多く持っている。そのひとつは、日本の粘着式鉄道(レールと車輪だけで走る鉄道)で最大の勾配最小半径のカーブを有する、ということがあげられる。特に小涌谷~箱根湯本間では、80‰の勾配と半径30mのカーブを随所で駆使しながら、谷あいの山道を地形なりに下っていく。電車自体が傾斜にあわせて傾いているのもよくわかる。

20140922127 20140922129
 先頭に立って線路の行く末を眺める。宮ノ下を出てトンネルをくぐると、左下から線路が近づいてくる。その先にはプラットホームがあり、電車が止まっている。わが電車はその隣のホームへ入って停車するが、ドアは開かない。線路の先は行き止まりになっている。
 ここは上大平台信号場という場所で、旅客の乗り降りはできないが、運転士がホームへ降り、後ろへ歩いていく。電車はここで進行方向を変え、逆向きに走る。最後尾となった窓から眺めると、電車は先ほど窓越しに見た線路へ進入し、右手上方へ向かって、先ほど走ってきた線路が別れていく。高低差のある区間を効率よく上り下りするためのスイッチバックと呼ばれる方式である。

20140922135 Hakonetozan
 今度は進行方向右手下側から、また別の線路が寄り添ってきて、大平台駅に入る。ここも線路は行き止まりになっており、運転士が再びこちら側の運転台へ戻ってくる。
 また逆向きに発車して、先ほど走ってきた線路と分かれ、左方向への線路を、再び急勾配で下っていく。ちょうど逆Z字を描いて走っていくわけである。この先さらにもう一度スイッチバックし、都合3回、進行方向を変えて、わずか8.9kmで450mの標高差を下っていくのである。ケーブルカーであれば取るに足らない勾配だが、粘着式鉄道としては日本国内はおろか、本場スイスの登山電車をも越える

20140922144 20140922145
 8.9kmに44分を要し、14時07分、箱根湯本に到着。ここで14時18分発の新宿行き小田急ロマンスカー「はこね26号」に乗り換える。ここから小田原までも箱根登山鉄道線だが、走るのは小田急の電車だけ、という区間になる。勾配もカーブも幾分緩やかになり、沿線には家並みも望めるようになった。小田原には14時31分の到着。熱海から小田原まで、東海道新幹線「こだま」ならわずか9分の距離を、観光も少しずつ交えたとは言いながら、5時間以上をかけてやってきたことになる。のんびりした旅である。

続く。


ランキング参加中です。みなさまの「クリック」が明日への糧になります。よろしかったら、
ポチっとな
にほんブログ村 鉄道ブログへ
 にほんブログ村 鉄道ブログ 鉄道旅行へ  鉄道コム

|

« 東海道中乗りつぶし【9】十国峠から箱根へ | トップページ | 東海道中乗りつぶし【11】秩父にて重箱の隅をつつく »

鉄道の旅人」カテゴリの記事

コメント

おはようございます。いかさま。
そちらはすっかり冬真っ只中でしょうね。
動物園のペンギンの行進のニュースやってたみたいでしたけど。
ところでbu・・さんお姿が見えないのでさみしいですね。突っ込んでくれる人がいないとブログ更新も気合がいりません。(u_u。)

投稿: mitakeya | 2014/11/27 07:11

このスイッチバックは楽しいですよね。
停まるたびに、運転手さんが来るぞ来るぞ
窓の外を楽しく眺めてしまいます。
あまりにセカセカしすぎる現代社会。
こののんびり旅は、究極の贅沢なのかもしれませんね

投稿: 瑠璃 | 2014/11/27 18:11

箱根登山鉄道は、ほんと乗りごたえありますね。
最大級の勾配が、箱根湯本駅をでてすぐ位のお土産物屋さん見えるところにあるというのも、面白いです。

投稿: キハ58 | 2014/11/28 22:26

こんばんは。
箱根登山鉄道、こんなに面白いなんて知りませんでした。
箱根は何年かかけてじっくり回ろうと思っている地です。
すごく参考になりました。
ありがとうございます^^早く行きた~い!

投稿: ミミ | 2014/11/30 21:37

>mitakeyaさん
いつもありがとうございます。
北海道では11月の中旬にまとまった雪が降りましたが、このところ気温もやや高く、まだ秋の終わりが続いている感じです。
そういえばbuzzっちさん、ご無沙汰されていますね。お忙しいのでしょうか。催促してはいけないと思いつつも、寂しい思いをしています。mitakeyaさんも同じお気持ちのようですね。(笑)

投稿: いかさま | 2014/12/01 02:14

>瑠璃さん
いつもありがとうございます。
鉄道ファン以外でも楽しめる電車旅の典型といってもいいでしょうね。風景そのものは山の中なので単調ではありますが、電車と人の動きが、行程をとても楽しいものにしてくれていると思います。

投稿: いかさま | 2014/12/01 02:16

>キハ58さん
いつもありがとうございます。
この路線の最急勾配は強羅寄りではなくて箱根湯本寄りにあるのですね。それもまた意外な感じがします。趣味的にも、存分に楽しめる路線ですね。

投稿: いかさま | 2014/12/01 02:17

>ミミさん
いつもありがとうございます。
ミミさんの現地での発見を奪ってしまったようで申し訳ありませんが(笑)、とてもゆかいな鉄道です。何度乗っても楽しめるのではないでしょうか。
箱根地区はバス路線も充実しているようですので、車ではなく、ぜひ電車でお出掛けください。

って、鉄道・バス会社の回し者みたいですね(笑)

投稿: いかさま | 2014/12/01 02:18

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 東海道中乗りつぶし【10】箱根横断 桃源台から湯本へ:

« 東海道中乗りつぶし【9】十国峠から箱根へ | トップページ | 東海道中乗りつぶし【11】秩父にて重箱の隅をつつく »