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2014/11/13

東海道中乗りつぶし【7】♪あまぎ~ご~え~

 旅行からすでに2か月近くが経ち、鮮度の点ではすっかり腐りかけになってしまっているが、懲りずに続きを。


20140921054  修善寺駅前で借り出したトヨタ・パッソのハンドルを握り、12時半ごろ出発。国道136号から414号へと入り、伊豆半島の中央部を南に向かって走っていく。
 小ぶりな車の扱いにはあまり慣れていないが、きびきびと小回りがきいた扱いやすい車である。ただし、非力な車であることも、随所でひしひしと伝わってくる。


Izu2_2  国道414号は通称「下田街道」と呼ばれている。下田は近代日本の幕開けとして非常に重要な港町であったが、物流も人の往来も開運に頼っており、陸路の発達が遅れた。下田街道はその中でも早くに開通し、伊豆半島南部と駿河を結ぶ主要な道路として機能した。けれども地形は急峻であり、熱川・伊東などを経て熱海方面と結ぶ東海岸の道路が開通すると、次第にそちらがメインになっていっている。

 川端康成の小説「伊豆の踊子」の舞台はこの下田街道である。主人公と踊り子たちはこの街道の難所である天城峠を越えて下田へ歩いた。この行程をモチーフにしてつくられた石川さゆりの歌「天城越え」は大ヒット作となり、今に至るまでよく耳にする。

20140921055  西海岸へ向かう国道136号線と別れると、下田街道は狩野川にほぼ沿うような形で南へと向かう。緩やかな上り坂が続き、地形はすこしずつ険しくなる。
 谷あいにかつての宿場町、湯ヶ島の集落が開ける。「天城ミュージアム」という展示施設を持つ駐車公園で、ほっとコーヒーをすすりながら小休止をとる。

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 それから5分ほど走ると、ドライブイン「浄蓮の滝観光センター」。休日の昼下がりで駐車場は混雑しており、道路を挟んで反対側の第2駐車場に車を止めて、急かつ長い階段を下って、狩野川の支流、本谷川のほとりへと下りる。

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 やがて正面に小さな滝が見える。日本の滝100選にも選ばれている浄蓮の滝が、本編の予告編3枚目の写真の地点。幅7m、落差25m。それほど大きくないが、太い1本の水の流れが意志の強さのようにも見える。滝の脇のウロコのような規則的な模様は、柱状節理と呼ばれ、火山活動の痕跡を示すものである。滝壺の脇には、「天城越え」の歌碑が立っている。滝の周辺は鱒釣り場になっており、さらに下流側には沢の周囲をわさびが埋めつくす「わさび沢」もある。

 再び車に乗り込んで、天城峠を目指す。1970年に開通した全長800mの新天城トンネルで貫かれているが、峠の手前からは、踊り子たちが越えた旧道が分岐している。当初乗る予定だったバスは、当然のようにトンネルを経由してまっすぐに目的地を目指すが、そこはひとりドライブの気楽さで、旧道に車を乗り入れる。道幅は一気に狭くなり、車同士のすれ違いも困難になる。

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 ほどなくアスファルトが途切れ、車1台に毛が生えた程度の道幅の未舗装路が、右へ左へくねりながら峠を登る。時折道幅を広げた待避所が出てくるが、下ってくる車は少ない。

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 この旧道のサミットにあるのが天城山隧道(旧天城トンネル)。全長446m。重要文化財にも指定された石造りの貴重なトンネルである。わずかな灯りがほんのりと照らすトンネル内の道路は舗装されているが幅は狭く、車のすれ違いはできない。対向車が来ないことを確認しながら、ゆっくりとトンネルを抜ける。

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 トンネルを抜けたあともしばらく、未舗装の細い道が続く。その道幅が広がり、舗装路に変わると寒天橋。石川さゆりの「天城越え」を追うようにドライブを進めてきたが、下田への道はまだ半ばである。


続く。


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コメント

鉄路を離れてドライブも又良し

投稿: 姉さん | 2014/11/14 17:02

いいですね~天城超え うちのさゆりちゃんの
歌ですモン 歌もいいですが、田中裕子さんが
演じた映画もなかなかでしたよね 実はあの
映画は、砂の器と同じく我が師匠とも言える今は亡き
菅野充亮先生が音楽を担当されています。

投稿: ターコイズ | 2014/11/14 18:20

こんにちは。
修善寺、浄蓮の滝。懐かしいです。
わさびソフトクリームが予想より辛かった事を思い出しましたが…景色より食い気ですみません
バスでしたので旧道はもちろん素通り。
なので凄く興味深く写真を眺めていました。
いや~・・凄いですね。
狭い道を進んでいくのは私も大好きなのですが、あのトンネルは恐いです
自分ではとても走れませんのでこの記事で脳内ドライブ楽しみました!

投稿: ミミ | 2014/11/15 13:02

このあたりはどうしても
「イノシシ村」と、滝だけが思い出されます
いったいどこへ行ったときに通ったのかなぁ。
西伊豆かな?

投稿: 瑠璃 | 2014/11/16 22:06

>姉さんさん
いつもありがとうございます。
そうですね。鉄道ばっかりの旅の中に、こういうドライブが入ると、ちょっとした気分転換にもなりますし、ブログのアクセントにもなります(笑)

投稿: いかさま | 2014/11/17 00:22

>ターコイズさん
いつもありがとうございます。体調はいかがですか?
石川さゆりさんは熊本のご出身でしたね。津軽とか能登のイメージが強いですが(笑)あの歌唱力、伸びのある歌声は、本当に魅了されます。
田中裕子さんの映画「天城越え」は松本清張の原作ですね。こうして現地を訪れると、原作を読んでみたい衝動に駆られています。

投稿: いかさま | 2014/11/17 00:25

>ミミさん
いつもありがとうございます。
「わさびソフトクリーム」なんてのが売ってるんですね。わりと食べ物には無頓着で、気付かなかったのですが、ドライブインの売店で売っているのでしょうか。
トンネルは全長500m足らずですが、ゆっくりと通り抜けると1分ほどかかりますね。道幅も狭いし、なかなか緊張する運転でした。友人に「あのトンネルは何か居そうだよね」と言われましたが、鈍感な私は感じませんでした。buzzっちさんあたりだと、きっと何か気配を察したに違いありませんね(笑)

投稿: いかさま | 2014/11/17 00:28

>瑠璃さん
いつもありがとうございます。
やはり「イノシシ村」ですか(笑)よほど瑠璃さんの中で強い印象を与えたのでしょうね。
もし今でも存在していたら、ひょっとすると私も立ち寄って、瑠璃さんと同じように強い印象を受けて、ブログ1本「イノシシ村」でイケてたかもしれないと思うと、少しばかり残念です(笑)

投稿: いかさま | 2014/11/17 00:30

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