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2015/03/15

名優の陰で消えた名脇役~北海道電化の功労者、711系

 3月12日がラストランとなった「トワイライトエクスプレス」に続き、3月13日、ダイヤ改正前日には「北斗星」が定期運行の最終日を迎えた。札幌駅のホームはこの日も多くの鉄道ファンで賑わったようである。

 この日を最後に去って行った列車は「北斗星」だけではない。北陸新幹線がらみでは、越後湯沢-金沢間特急「はくたか」、金沢-新潟間特急「北越」が廃止となった。ただし「はくたか」の愛称は北陸新幹線に引き継がれて存続する。

 意外なところでは、東京-成田-鹿島神宮・銚子間特急「あやめ」も姿を消す。1975年以来40年の歴史を持つが、近年では利用客の減少から、通勤特急的な存在になっていた。「あやめ」に限らず、房総特急は全体的に利用客の減少から退潮気味であり、総武本線「しおさい」と外房線「わかしお」は1往復減便、内房線「さざなみ」は、平日の全列車が君津打ち切りとなって通勤特急に特化する。

 名の通ったこれらの特急列車の引退が大きく報じられる中、ひっそりと、というわけでもないが、比較的静かに姿を消していく脇役列車たちもいる。

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 そのひとつが、JR北海道711系電車である。
 厳寒の北海道専用車両として開発された711系は、1967年に試作車が誕生、翌1968年の小樽-滝川間電化に合わせて量産車が投入されており、48年の歴史を持つ。1969年の滝川-旭川間電化、1980年の千歳線白石-室蘭間電化の際にも増備されており、最大時には3両編成20本、計60両が在籍した。

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 都市近郊輸送の車両でありながら、寒さ対策から2ドア・デッキ付という急行型電車に近い構造となっていた。このため、札幌を中心とした近郊輸送だけでなく、現在の特急「スーパーカムイ」の前身に当たる急行「かむい」「さちかぜ」にも使用された。1971年から75年まで設定された「さちかぜ」は、札幌-旭川間136.8kmをノンストップ1時間36~38分で走り、1975年に北海道初の電車特急「いしかり」が登場するまで、エース列車として君臨した。

 しかし、急速に都市化が進行した札幌周辺の通勤需要に2ドアの電車は対応できず、一部の車両は中間にドアを増設する改造を施された。さらにJR化後、通勤輸送を考慮して当初から3ドアで製造された新型電車が相次いで投入され、711系の活躍の場は次第に狭められていった。試作車および最初の量産車は2004年までに廃車となり、現在残っているのは千歳線電化時に投入された車両のみである。ただ、これとて車齢は35年になる。

Untitled  ラストランを間近に控えた711系電車には「さよなら711系」のヘッドマークが掲げられた。旭川近郊からは3月12日を最後にひっそりと姿を消し、13日から721系電車に置き換えられた。JR通勤している私の同僚、Y君とA君は、突然の電車交代に驚いたという。
 711系電車の最終列車は、3月13日、岩見沢7時49分発、札幌着8時38分の144M。札幌駅に近い私の会社では、この列車を通勤に利用している人も多く、札幌時代の同僚だったMさんもそのひとり。札幌駅では「さようなら」の横断幕と、たくさんの鉄道ファンに迎えられたそうである。

2012070403  711系電車の引退で、北海道から国鉄型電車が姿を消した。また、札幌周辺で直角座席の車両に乗ることもできなくなった。
 国鉄型車両の象徴ともいえる直角座席は、全国的にはまだ多く存在しており、北海道でも非電化各線に残るキハ40形でまだ堪能することができるが、若き日に直角座席に揺られて高校に通い、ある時には直角座席の夜行列車で一夜を明かした思い出を持つ私としては、やはり一抹の寂しさを感じるのである。



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コメント

国鉄初の交流電車、お疲れ様でした!

投稿: キハ58 | 2015/03/17 00:28

>キハ58さん
コメントありがとうございます。お返事が遅れまして申し訳ありません。

今でこそ九州や東北で当たり前に走っている交流電車ですが、その元祖は北海道でしたね。交流電車としても、北海道向けの耐雪構造も、今の電車たちのお手本になっていることでしょう。
思い出深い電車の引退です。

投稿: いかさま | 2015/03/20 23:38

こんにちは。
 
711系、道内のファンが 岩見沢に残すべく資金集めを始めたとのこと、
今朝の新聞に載っていましたね。

投稿: 花mame | 2015/03/24 16:41

>花mameさん
コメントありがとうございます。
新聞記事は私も見ました。ホームページでも広く資金を募っているようですね。期限まで時間がないこともあり、現在のところ厳しい状況が続いているようです。
個人的には北海道の鉄道近代化に貢献した車両ですから残して欲しい気もするのですが、美しい姿での保存には多額の費用がかかり、大半は時間の経過とともに褪色や劣化が進むようです。それならば記憶の中だけにとどめておきたい、という気持ちもあり、正直なところ複雑な気分です。

投稿: いかさま | 2015/03/27 02:05

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