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2015/06/15

10年ひと昔、ですね。

Img_1809  札幌の自宅の本棚には、かつて毎月購入していた「鉄道ジャーナル」という雑誌が並んでいる。1967年の創刊だから、48年の歴史がある。
 私がこれを定期的に買うようになったのは1989年からだが、インターネットの普及で情報収集が容易になったことと、雑誌の内容が物足りなくなったことで、2008年6月号、通巻500号を最後に購入するのをやめた。それでも古本屋で購入したバックナンバーも多く、岐阜の実家に残したものも含めると、おそらく手元には300冊以上があると思われる。


 最近ではいちいち開いて読むことも少なくなったが、ブログの過去記事を書くときなどには参考になる場面も多く、資料としては一級品である。鉄道の盛衰には、その時代の社会的背景が絡んでいることが多く、特にあまたある鉄道雑誌の中でも「鉄道ジャーナル」は創刊以来一貫して「社会派」を標榜しているから、掲載記事から当時の世相や事件を察することもできる。


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 さて、10年ひと昔、などという言葉もあるが、ちょうど10年前の「鉄道ジャーナル」にはどんな記事が載っていたのか。ふと思い立って、2005年6月号を開いてみた。鉄道雑誌は前々月の20日前後に発売になるから、これは2005年の4月に発売された号になる。
 特集記事は「観光と鉄道 新たな展開」。表紙と特集記事は、デビューしたばかりの小田急ロマンスカーVSEが飾っている。今も真新しさを感じさせるVSEだが、すでにデビュー10年を経過していることに驚かされる。
 また、「愛・地球博」の会場アクセスに関する記事もある。愛知万博、そして史上初の浮上式鉄道、リニモの登場からも10年である。


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 ニュース記事を見てみると、新型車両のデビュー記事として、広島電鉄「グリーンムーバーmax」、常磐線のE531系電車、JR北海道の道路・線路両方を走行できる「DMV」などの記事がある。
 また、近鉄けいはんな線(生駒-学研奈良登美ヶ丘)、つくばエクスプレス(秋葉原-つくば)などが開業を控えた準備段階にあることがわかる。どちらも今では通勤の足としてすっかり定着した感があるが、まだ開業から10年経過していないのである。


Img_1814_2  さらに10年をさかのぼって、1995年6月号をひも解いてみる。
 こちらの特集は「列車ダイヤへの招待」だが、目につくのはこの年1月に発生した阪神・淡路大震災における鉄道被害に関する記事。ちょうど発売日がJR新幹線・在来線の復旧直後にあたっており、他の路線も含めた被害と復旧の状況が詳しく報じられている。
 また、種村直樹氏の執筆する「レイルウェイ・レビュー」のテーマは地下鉄サリン事件。発生20年を迎える今年はテレビでもしばしば特集されているが、この記事が執筆された時点ではまだ犯人が特定されていないことが窺える。


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 いっぽう、巻頭記事は、開業を2年後に控えた秋田新幹線用のE3系電車の登場速報記事。特集記事の柱は山手線のダイヤの話であるが、当時の主力車両は205系。現行のE231系の先代に当たる。
 E3系は2014年に秋田新幹線「こまち」の運用から撤退し、山手線に至っては205系を置き換えて登場したE231系でさえ、今秋以降順次新型車両に置き換えられることになっている。10年ひと昔というが、20年たつと鉄道の世界ではさらに次の世代にバトンタッチしていくものもある。時の流れの速さを感じずにはいられない。


 そうしてふと考えるに、私が社会人になったのも1995年。これで丸20年が経過したわけである。道理で歳をとるわけであるが、私たちは世代交代どころかむしろ一番の働き盛りとばかりにこき使われている。
 もちろん、まだまだお払い箱にされるわけにはいかないし、休もうとしたところで周囲がそれを許すはずがない。私たちの時代には70歳くらいまでは平気で働かされることになるという。そうなれば労働期間48年。E3系電車の2倍をはるかに超える



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鉄道の旅人」カテゴリの記事

コメント

こんにちは^^
貧血の私にとって、いつも鉄分の補給となる記事をありがたく
拝見させていただいてますよ
働かされる? っていうのはどうなんでしょうか。
働きたくても仕事がない人もいます。歳をとればとるほど。。。
私の世代にならないとわからないでしょうけど、70くらいまで
働けるのはとても嬉しいことだと捉えてほしいものです

投稿: ターコイズ | 2015/06/15 10:22

 ターコイズさん、いつもありがとうございます。
 働く場所・機会が与えられているということは、とてもありがたいことだと思います。また、働ける体、すなわち健康体であることもなにより素晴らしいことだと思っています。
 「働かされる」というよりは「働かなければならない」という表現が正しいような気がしますが、その「働かなければならない」年齢が、世の中の流れで、60歳から65歳、ゆくゆくは70歳まで伸びていこうとしています。
 平均寿命が延びているとはいえ、本当にその年まで体が動くのか、そして役目を果たし終えた後にわずかな休息を楽しむだけの心身の余力があるのか、心配は尽きません。これは逆に私たち世代にしかわからないプレッシャーではないか、という気もするのです。
 生意気なコメントですみません。今後ともよろしくお願いします。

投稿: いかさま | 2015/06/15 11:13

いかさまこんにちは。
鉄道制覇の気概を持ってこられた人生を雑誌と共に振り返るのは自分のこれからの生き方にも方向性と確認ができていいことですね。
10年一昔といいますが、たかが10年の間にいろんなことがあるのが人生ですからね。
これからの10年、つらくもあり、楽しくもあることでしょう。
この先の10年がある人生は羨ましい。精一杯楽しんでくださいよ。

投稿: miatkeya | 2015/06/15 16:45

この歳(?)になると・・・1年1年が大事です。
後10年なんて・・・考えるだけで恐ろしい

投稿: 姉さん | 2015/06/15 21:13

10年前は一体何をしていたのか?
記憶にありませんが、
たった10年で鉄道もいろいろ様変わりしているんですね。
そういえば10年前は
阪神も難波には到達していなかった。

いかさまさんの年では
普通に定年が70歳になっているのでは?
そんな気がします。

投稿: きなこ団子 | 2015/06/16 01:57

こんにちは いかさまさん。
10年、20年を鉄道ジャーナルで振り返るというのは、いかにもテツのいかさまさんらしいですね。
テツではない私(鉄道旅行は好きですが)が、鉄道雑誌の特集になることぐらいは、なんとなく覚えていて、「そうか、もうそんなにたったのか」と懐かしくなります。
たしか、いかさまさんとは干支がひとまわりなので、私はあと一回りして、今年33年目です。あきらかに勤め人としては、残りのほうが短くなりましたが、賞味期限を少しでも長くしなくてはと、ふと思いました。

投稿: Khaaw | 2015/06/16 08:26

ひと昔前の本。普段忘れてるけどふと手に取ると懐かしさを感じますね。
ブログを書く時の参考になる事もあるから私も旅の本等捨てないでとってあります。
70歳まで働くって今の私には考えられないです
今もうすでに働くことに飽きているくらいで。
定年になったら退職してアルバイト程度の短時間勤務でいいと思っています(笑)
仕事人間ではないですね~

投稿: ミミ | 2015/06/17 20:15

こんばんは!
確かに長期間現役で働くのですから、定期点検も必要ですね〜。
メンテしつつ頑張りましょうね〜!

投稿: ミナゾウ | 2015/06/18 22:40

 mitakeyaさん、いつもありがとうございます。
たかが10年の間にいろいろある、本当にそうですね。私の場合は次男誕生、自宅新築、2回の転勤と単身赴任と、すべてこの10年の出来事です。次の10年で自分の身にどんなことが起こるのか、鉄道はどう変わっているのか、楽しみでもあり不安でもあります。
 mitakeyaさんに負けないくらい実り多い10年にしなければ。

投稿: いかさま | 2015/06/21 00:54

 姉さんさん、いつもありがとうございます。
 過去を振り返るときは10年、20年単位で振り返るのに、未来を見るときはなかなか10年スパンで物事は見られません。私も1年先すら見えません。
 が、それでも1年終えれば次の1年、と、時間は容赦なくやって来ます。まずは健康体で乗り切っていかなくちゃいけませんね。

投稿: いかさま | 2015/06/21 00:56

 きなこ団子さん、いつもありがとうございます。
 10年前の2005年は、ここには書きませんでしたが福知山線事故の年ですので、非常に印象に残っています。
 阪神のなんば乗り入れは2009年ですね。関西地区ですと、この10年で近鉄けいはんな線、地下鉄今里筋線、JRおおさか東線なんかが開業しているようです。
 定年が伸びるのはおそらく必然の流れでしょうね。これまでなら仕事生活も折り返し点を過ぎたくらいの年齢・年数だったのですが、70歳定年ともなればまだ前半ロスタイムにも入っていません。先は長いですね(笑)

投稿: いかさま | 2015/06/21 01:08

 Khaawさん、いつもありがとうございます。
 お褒めいただいて恐縮です(笑)この類のネタは、実際に書くための予習をしていて非常に楽しいです。当時の鉄道は今以上にワクワクの種がいっぱいでした。
 ただ同時に、やはり過去を振り返るときには自分自身が歳を取ったことを実感せずにはいられません。20代の時のような体のキレも肌のツヤも(笑)ありませんし、精神的にもときめきが少なくなってきているような気がします。でもまだまだ先は長いですものね、どこかで気を引き締めなおして、もう一回エンジンをかけないといけないような気がしています。

投稿: いかさま | 2015/06/21 01:11

 ミミさん、いつもありがとうございます。
 私はあまり物に対する執着はない方なのですが、こと記録に関しては貪欲に手元に残しておく方です。どうも趣味の傾向として鉄道にせよ本にせよ、やや懐古的な傾向があるようで、役に立つ、というのももちろんですが、時々引っ張り出しては読むこと自体を楽しんでいるフシがあります(笑)
 これまでなんとなく人生の半分が働く時間なのかな、と漠然と思っていましたが、70歳定年だと人生の7割方は働かないとならない計算ですよね。
 まあ、働いて稼いだお金で電車に乗れるということで、頑張らなきゃならんですね。

投稿: いかさま | 2015/06/21 01:15

 ミナゾウさん、いつもありがとうございます。
 私の会社は幸い、毎年定期点検(=人間ドック)を受けさせてもらえますので、環境的にはありがたいことですが、それでも毎年何人かは体調を崩しておやめになられたり、また亡くなられる方もいらっしゃいます。
 気を付けていても防ぎきれないのが病気ですが、せめてリスクを減らすべく、管理しながら働かないといけませんね。肝に銘じて、お互い頑張りましょう(笑)

投稿: いかさま | 2015/06/21 01:17

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