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2015/06/04

かみかわ点描【7】鉄路の余生~美幸線とトロッコ王国

 少々時間がたってしまったが、ゴールデンウィークのこと。

Dscn4658  札幌から遊びに来た家族とともに、5月4日、マイカーを北へ走らせた。目指したのは旭川から北におよそ100kmのところにある美深町。その美深町の市街地からさらに東へ20kmほどのところにある「トロッコ王国美深」が今回の目的地である。ここでは、旧国鉄美幸線の廃線跡の一部を発動機付のトロッコで走行できる。並走する道道49号線から、その姿を見ることができる。


Bifuka  旧国鉄美幸線は、深と北見枝を結ぶことを目的に、1964年にまず美深町内の美深-仁宇布間21.2kmが開業した。しかし沿線の人口は極端に少なく、営業成績は低迷する。国鉄時代に公表されていた、100円の収入を得るために必要な経費の額を示す「営業係数」は、最も良かった1968年度でも820、最悪を記録した1983年度には4,731と、「日本一の赤字線」という不名誉なレッテルを貼られた。
 営業の継続に危機感を抱いた地元では、「日本一の赤字線」を逆手に取ったPRをおこない、さらには町長自ら東京銀座できっぷを売るなどの存続活動を繰り広げた。けれども、国鉄の経営悪化を背景とした国鉄再建法の施行により、美幸線は第一次特定地方交通線に指定され、1985年、開業からわずか21年で全線廃止となった。


 この美幸線のうち、仁宇布駅側からおよそ5kmの区間が、地元のNPOによって整備され、1998年からトロッコで走行できるようになっている。運営拠点は旧仁宇布駅の地点にあり、乗車の受付などもここでおこなわれる。私たち一家は午前11時過ぎに到着したが、発車が1時間おきのため、12時まで待つことになった。


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 12時近くなると、1時間前に出発したトロッコが続々と帰ってくる。客の下車したトロッコは、係の人たちの手で方向転換されて、次の出発に備える。私たちは出発地点の前に集合して、係の人の説明を受ける。17組ほどの客がそれぞれ小さなトロッコに分乗する。尻の下から発動機の振動が伝わってくる。足元のペダルを踏むと加速し、手元のレバーでブレーキをかけるしくみになっている。子供がいじりたがるが、一応、トロッコの運転には自動車の運転免許が必要だそうである。


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 広々とした駅の構内を出ると、線路はゆるやかなカーブを描きながら、道道49号線に沿って走る。右手からはニウプ川が近付いてきて、接近したり離れたりを繰り返しながらいくつかの支流を飲み込み、ペンケニウップ川と名を変える。線路の周囲は開けたり、白樺とクマザサに覆われた林になったりと、平坦な割には変化がある。
 ペダルを踏んだり緩めたりして、前との間隔を調整しながら走るが、ベタ踏みすればかなりのスピードが出る。最高で時速30kmくらいになるのではないか。


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 15分ほどで折り返し点に到着する。線路がロータリー式に整備されており、時計回りに一周して、元来た線路を折り返す。並行する道道は、この地点が駐車公園に整備されている。その奥に、高広の滝と呼ばれる一対の滝が流れ落ちている。右が雄滝、左が雌滝と呼ばれているとのこと。


Dscn4697 Dscn4693
 折り返しの走りも快調。まだいくぶん冷たさの残る風を切って走る気分は悪くない。子供は大喜びであったし、嫁も予想以上に良い印象を持ったようである。お父さんはお父さんで、家族に喜んでもらえたことと、鉄道の廃線跡を堪能できたこと二重の喜びで、このうえなく上機嫌だった。なによりである。


【トロッコ王国美深】 http://www.bifuka-kankou.com/torokko.php

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コメント

いかさまさん こんばんは
「日本一の赤字路線」の美幸線覚えています。確か、日本一の赤字路線の触れ込みで銀座で切符を売ったら結構売れたけど、次の年は日本一の冠が付けられずに切符も売れずに、また日本一に逆戻りを繰り返し・・・みたいな話があったような。その時のライバルが深名線だったような記憶があります(ちょっとうろ覚えですが)。
当時、話題のアイデア町長さんでしたが、私も、学生だった1980年頃、ちょっとしたイベントがあって、10数人で美深町に行ったら、町長から「美深の町でこんなに学生さんが一度に歩いているのは滅多にないことだ」と言われ、一人一人と握手をしてもらったのを覚えています。
その美幸線でこんな楽しいイベントがあるなんて!!今度北海道に行ったらぜひ行ってみたいです。

投稿: Khaaw | 2015/06/05 01:02

ワァ~良いねえ
私も乗ってみたい!
もっとPRしてもいいんじゃない
キャンプ場なんかも整備して泊まるところがあれば・・・

この間東横線の地下化によって出来た跡地に「ログロード」が出来た・・・に行って来ました。
都会は都会らしく?
田舎は田舎らしく?ってとこかな?

投稿: 姉さん | 2015/06/05 18:41

えーっ
いいなぁ。
行ってみたい
乗ってみたいーー

投稿: 瑠璃 | 2015/06/05 22:33

いかさまおはようございます。
トロッコいいですね!
自分達のために用意された線路を体で体感しながらの風景を眺めながら家族で楽しめるなんて、うらやましかーー。1号2号も堪能しとるごたっですね。

投稿: mitakeya | 2015/06/06 09:02

こんにちは!
いーですねー!
トロッコか〜、乗ってみたいな〜!
確かにお子様達が喜びそうなのに免許がいるんですね。
にしても…
二ウプ川にペンケニウップ川って…さすが北海道です。
いろんな楽しみがありますね!

投稿: ミナゾウ | 2015/06/06 15:43

いかさまさん、おはようございます
私も一昨年
乗ってきましたよ~!!
緑の濃い季節に乗ったのですが
なかなか良かったですよ!
しかし、往路でかぶっていた
帽子が風で飛んでしまい、
夫に怒られましたが
復路で見つけ、咄嗟に拾って事なきを得た
という思い出があります。

投稿: monna | 2015/06/07 07:21

 Khaawさん、いつもありがとうございます。
 当時の美深町長は長谷部町長ですね。「日本一の赤字線に乗って、秘境松山湿原に行こう」をキャッチフレーズに、美幸線を売り込んだ方です。努力の甲斐あって、赤字日本一を返上したのはいいけれど、売りを失って・・・、という循環でした。
 美幸線は第一次廃止対象であっさり消えましたが、深名線は冬期間の道路が未整備という理由で、それから10年生き永らえました。そのおかげで、私は美幸線には乗れなかったけれど深名線には乗ることができました。
 今回、こういう形で美幸線を少しでも偲ぶことができました。Khaawさん、ぜひ当地へも足を運んでみてください。

投稿: いかさま | 2015/06/08 00:14

 姉さんさん、いつもありがとうございます。
 このトロッコ王国、今は周辺に宿泊施設はなく、美深か名寄の市街地に泊まるしかないのですが、かつてはどうやら宿泊できる設備があったようです。その話を次回でちょっと書きました。

 地下化された東横線の跡も綺麗に整備されたのですね。写真を見ましたが、廃線跡の活用も土地さまざまですね。

投稿: いかさま | 2015/06/08 00:22

 瑠璃さん、いつもありがとうございます。
 美深町といいまして、旭川からでも車で2時間半ほどと、あまり足場の良くないところですが、機会があればぜひお越しください。
 まあ、足場が悪いからこそ、鉄道が鉄道として機能せず、こういうことになってしまっているのですが(笑)

投稿: いかさま | 2015/06/08 00:24

 mitakeyaさん、いつもありがとうございます。
 そこそこにスピードの出るトロッコとはいえ、鉄道としての走りを感じることはできませんが、ダイレクトに風を浴びて沿線の自然を堪能できる、トロッコならではの楽しみがあります。子供が喜んでくれたことが一番うれしかったですね。

投稿: いかさま | 2015/06/08 00:29

 ミナゾウさん、いつもありがとうございます。
 レールの上をパワーペダルとブレーキだけで走る、ある意味ゴーカートみたいなものですが、どういうわけか免許が必要なのです。

 北海道の地名はアイヌ語を源に持つものが非常に多いです。札幌のように漢字が当てられて現在に至るところもありますが、地方へ行くとカタカナのままの地名がけっこう残っています。
 空知地方には「ヤリキレナイ川」なんてのもありますね(笑)

投稿: いかさま | 2015/06/08 00:36

 monnaさん、コメントありがとうございます。
 monnaさんも訪問されたのですか。あまりメジャーではありませんが、なかなか素敵な観光スポットだと思います。
 自然の風を浴びて走るトロッコだけに、帽子やアクセサリーなどは要注意ですね。無事に見つかってなによりでしたが、あのあたりは川も近くて湿地になっているところも多いですから、場所によっては大変なことになったかもしれませんね(笑)

投稿: いかさま | 2015/06/08 00:46

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