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2015/07/08

「JR北海道再生のための提言書」をめぐる動き【1】

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 JR北海道に対して発出された事業改善命令・監督命令に基づき昨年設置された第三者機関、JR北海道再生推進会議が、このほど「JR北海道再生のための提言書」をまとめ、JR北海道に手交した。

 ⇒「提言書」本文 と 「別紙」


 提言書自体はそれほど分厚いものでもないので、興味のある方は読んでいただければと思うが、その要旨をさらにまとめると、以下のようになる。


 まず、石勝線特急火災事故や頻発した車両発煙事故、列車脱線事故を受け、これまでのJR北海道のあり方について、安全に対する意識があいまいなまま、身の丈を超えたスピードアップなどに投資する一方、老朽・劣化する設備の修繕・更新、人材育成などの地道な安全対策を後回しにした、と指摘した。同時にこうした環境の中で、技術部門や現場においても安全確保に対する意識が希薄になり、データの放置や改ざんの温床となった、と厳しく断じた。


 その一方で、札幌圏を除く北海道全体の人口減少や高速道路の整備による競合の激化による輸送量の減少、金利低下による経営安定基金の運用益の減少など、JR北海道が置かれている環境自体が厳しいことも認めた。


 その上で推進会議は、今後JR北海道は、道内の交通網において鉄道が担うべき役割を認識し、他の交通機関と連携して総合交通体系を担うべきことを前提に、安全を担保するために取るべき道として、「選択と集中」により、限られた経営資源を安全に集中させるべきとした。


 また、国に対する財政的な支援を求め、地域に対しては利用促進などによる運営支援を求める一方、優先度を明確にする過程の中では、経営全体について聖域のない検討をおこなうべきであると提言した。
 具体的には事業分野の縮小、使用頻度の少ない設備の見直し、列車の減速や減便、そして鉄道の特性を発揮できない線区の廃止を含めた見直しを挙げている。


 提言書はこの件について、「安易な路線の休廃止は進めるべきではない」と釘を刺し、ダイヤの見直しによる利便性向上や、代替交通機関の確保など、交通網維持における使命にも配慮すべきとしている。けれども裏を返せば、JR北海道にとっては、一定の移動手段を担保することを条件に、鉄道としての使命を終えた区間を廃止することについて「お墨付き」が得られた、といってもいい状況である。


 そしてこの提言が手交された、6月末から7月初旬にかけて、JR北海道の今後をめぐるさまざまな動きが新聞などにより報じられることになる。これについては次回、触れる。


 続く。

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