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2015/10/22

2009年世界の旅【11】ボストン(9)ニュートン点描・通学路の風景

これまでの経過は ⇒こちら。 



 日本での社会人生活から一転してのアメリカでのホームステイ生活。普段とは全く異なる環境の中で、本来ならワクワクするような日々が続くはずである。けれども当初の数日間は全くそれどころではなかった。学校が終わればまっすぐホームステイへ帰り、宿題を済ませて昼寝して夕食をとって、の繰り返しであった。だから、ニュートン・センター駅や、ビーコンズ・フィールド駅の周辺に何があるのか全く分からず、ただひたすら閑静な住宅街とばかり思っていた。
 けれども、時間が流れ、学校や生活パターンに慣れてくるにしたがい、私の行動半径は少しずつ広がり始めた。特に転機になったのが、9月18日金曜日、ホームステイ生活5日目の出来事である。


 午前授業のこの日は12時半に授業が終わり、仲間たちとテラスでシャトルバスを待っていた。不意に尿意を催した私は、校舎に引き返してトイレに入った。
 すっきりしてテラスに戻ると、仲間の姿が消えている。わずかの間にシャトルバスが来てしまったようである。シャトルバスの動きは日中およそ1時間間隔、待つのも癪である。学校の外まで出ればニュートン・センター駅方面へ向かう路線バスが40分間隔で走っている。学校で路線バスの時刻を確認し、とりあえずバス通りまで出ようと歩いてみた。


 バス通りまでの道をてくてくと歩く。高い木々の間から木漏れ陽が道路に向かって射してきており、非常にさわやかだったが、バス通りまでは思った以上に時間がかかった。すでに15分ほどが経過しており、学校の掲示板に貼られた時刻表で調べた路線バスの通過予定時刻はすでに過ぎている。細い柱に「○T」の文字と、バスの系統番号である「52」の表示だけが書かれた小さな看板が付いた、停留所の名前もわからないバス停にしばらく立ってみるが、バスが現れる様子はない。次のバスは40分後である。


 どうせなら歩けるところまで歩いてみようと、普段シャトルバスで行き来しているいつもの道路をニュートン・センターに向かう。
 9月のボストンは、気候的には北海道に近いようで、朝晩は冷え込むが日中はそれなりに温度が上がる。歩きだして5分もたたないうちに体から汗が噴き出してくるのを感じた私は、上着を1枚脱ぎ、Tシャツだけの姿になった。


 1週間シャトルバスで往復した道を、あらためて自分の足でたどると、漫然と眺めていた景色が自分のものになって飛び込んでくる。道の両側には、芝生のある木造の住宅が、雑木林と交互に並んでいる。田舎の閑静な住宅街という感じである。バス停の標識は、思ったより短い間隔で立っているが、どれも全て小さな看板が柱にひとつ付いているきりで、停留所の名前もわからなければ時刻表も確認できない。40分近く歩いていると、後ろから52番のバスが轟然と私の横をすり抜けるように走り去って行った


 ちょうど1時間ほど歩き、ニュートン・センター駅のウェスタン風の駅舎にたどり着いた。距離にして6kmくらいであろう。体は汗でややしっとりとしているが、何となく気持ちがいい。食事を取るべく、以前から気になっていた駅前の日本料理店「Sapporo」のドアを開けると、1時間前に別れた仲間たちと鉢合わせになった。9ドル50セントのカツ丼を食べてみたが、薄っぺらなカツに比較して椎茸の量が多く、まずいわけではなかったが不思議な食べ物であった。


 ところで、ここに至るまで私のボストン生活には、ほとんど写真がない
 興奮したり緊張したりすると、いかに周囲の風景が物珍しく、また美しかったとしても、カメラを構えるどころではないのは私だけではないと思う。要するにそのくらい、日々緊張していたのである。
 この先生活に慣れてくるにしたがって写真は増えてくるのだが、今度は物珍しさへの興奮で、肝心なところでカメラを構え損なうようになる。いざブログを書くようになると、欲しい写真が全く残っていない。この悪い癖は未だに続いている。



 延々と、続く。




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コメント

( ̄▽ ̄)オッ!少し余裕が出てきましたね。
歩くことはいいことですよね。周りを体で感じることができるような気がします。
いまは足が悪くて歩けないけど( ^ω^ )

投稿: mitakey | 2015/10/23 09:27

写真を撮らなくても本当に深いものは心に残ってるよね。本当に感動すべき瞬間に、空気を無視してよそごとやらシャッター押し熱中することは下品と私は思ってます。海外に旅行する日本人はそうしがちでよくコミカルに笑いものにされてますね。でも気をつけないとついうっかりそうなってしまって現地の方に怒られたりとか・・・私も実はあるんですけどね(笑)。

投稿: poem | 2015/10/25 19:05

読み進むにつれ、どんどん英語がぺらぺぇらないかさまさんのイメージが固まりつつあります(*´艸`*)
しゃて、次回は何のおはなしでしょね?楽しみです

投稿: と~まの夢 | 2015/10/25 20:28

 mitakeyaさん、いつもありがとうございます。
 歩くことはこうして景色を自分のものにするためにも、そして健康を保つためにも非常に有意義ですよね。
 mitakeyaさんもだいぶ回復されたようですから、徐々に慣らし運転で完全復帰なさってくださいね。

投稿: いかさま | 2015/10/28 00:53

 poemさん、コメントありがとうございます。
 もともと私は写真に頼らないで記憶に残す派だったのです。本当に感動した風景は写真に撮るまでもなく深く残っていますが、一方でつたない文章や言葉で、友人や皆さんに感動を伝えようと思うと、写真は不可欠ですよね。
 そのバランスが難しいところです。ただ、確かに日本人はどこに行っても写真を撮り過ぎでないか、と客観的に思うことはままあります(笑)

投稿: いかさま | 2015/10/28 00:59

 と~まの夢さん、コメントありがとうございます。
 どうやら私の文章がつたないらしくて、英語のしゃべれない、聞けない私の悲劇が上手に伝わっていないようです(笑)
 このあたりから、街中散歩や遠征の話が増えてきます。ぜひ引き続きお付き合いください。

投稿: いかさま | 2015/10/28 01:01

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