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2016/01/12

JR北海道 料金・きっぷの見直し実施【2】道南・道東方面「Rきっぷ」「Sきっぷ」などの見直し

 前回、北海道新幹線開業に伴って設定・見直しされるきっぷについて紹介したが、今回見直しされるのはそれだけではない。北海道新幹線とは直接関係のない在来線都市間輸送に関するきっぷについても、かなり思い切った改廃がおこなわれる。私たち北海道民にとってはむしろこちらの方が重要で、なおかつ深刻度が高い


 ※《前回記事》JR北海道 料金・きっぷの見直し実施【1】北海道新幹線関連


1.道南・道東方面「Rきっぷ」「Sきっぷ」などの見直し

 道南・道東方面について、これまで「往復乗車券+往復特急料金」の形で設定していた「Rきっぷ」「Sきっぷ」「グリーン往復割引きっぷ」を廃止し、「乗車券往復割引きっぷ」を新設、特急料金は別途通常料金を徴収する形に改める。設備や利用列車を自由に選択できるようにし、例えば行きは普通列車、帰りは特急グリーン車などという組み合わせもできる。


 現行の「Rきっぷ」は夏冬2本立ての価格設定となっており、冬季価格のほうが410円高くなっている。札幌-函館と、札幌-道東方面の場合、新設される「乗車券往復割引きっぷ」と往復指定席特急料金の組み合わせ価格は、「Rきっぷ」の夏季価格と冬季価格の間で設定されており、夏季の利用の場合は若干の値上げとなるが、これはまあ許せる。
 ところがこれが札幌-長万部・八雲間となると、新設きっぷの価格は「Rきっぷ」の冬季価格より150円~780円の値上げとなる。


 従来「Sきっぷ」が発売されていた、札幌-苫小牧・登別・東室蘭・伊達紋別・洞爺などの区間では、「乗車券往復割引きっぷ」と、別途発売される「すずらんオプション特急券」「北斗オプション特急券」との組み合わせで、現行の「Sきっぷ」価格より若干値下げされる。


 ただし、「北斗オプション特急券」は、札幌-伊達紋別・洞爺・長万部と函館-長万部間のみの発売である。また、伊達紋別・洞爺・長万部の各駅のみの限定発売となっており、札幌・函館などでは購入できない。このため、札幌から洞爺、伊達紋別への旅行には、少なくとも片道は正規の特急料金を支払わなければならず、札幌発の往復特急自由席利用の場合、洞爺まで8,000円、伊達紋別まで7,330円となり、現行Sきっぷと比べてそれぞれ770円(11%)、1,240円(20%)の負担増となる。


 また、札幌-苫小牧・登別・室蘭間などは、「すずらんオプション特急券」のみの扱いとなる。こちらは札幌側でも購入できるが、「北斗」系統(「スーパー北斗」を含む)は利用できない。このため、これまで「はまなす」も含め15往復で利用できた「Sきっぷ」に対し、「乗車券往復割引きっぷ」と「すずらんオプション特急券」の組み合わせでは6往復の列車しか利用できないことになる。往復とも「北斗」系統を利用する場合、札幌-苫小牧で1,500円(49%)、札幌-室蘭で2,780円(59%)、札幌-登別にいたっては2,830円(68%)の大幅負担増になる。


 札幌-苫小牧間には28往復、札幌-室蘭間には14往復の高速バスが走っており、こちらとの競合もある。苫小牧については、運賃・所要時間の観点から普通列車でも代用が可能だが、室蘭についてはバスとの競争を放棄したと捉えられても仕方がない。また、新千歳空港-室蘭・伊達紋別・洞爺などの中間区間、あるいは函館-洞爺・室蘭などの区間では特急料金の軽減措置はなく、おしなべて実質値上げとなる。


 札幌-函館を直通する「北斗」系統の特急の実態を見ると、札幌-苫小牧・東室蘭間の利用客がかなり多い。「Sきっぷ」では指定料金を払うと指定席も利用できることから、特に座席の確保が難しい下り(札幌行き)列車では指定席利用も少なくない。
 推測だが、北海道新幹線の開業により、函館・新函館北斗-道央圏の利用の増加が見込まれる中、札幌側の区間利用客を「すずらん」もしくは普通列車に誘導し、新幹線からの乗り継ぎ客の指定券確保、あるいは着席の機会を増やすための今回の施策ではないか、と考える。それはそれで理解できない話ではないが、室蘭・登別・苫小牧の利用者にもう少し配慮した設定はできなかったものかと思う。


 このことは、これまで札幌と道南エリアを結ぶ都市間輸送を担ってきた「北斗」系統の役割が、新幹線接続特急寄りにシフトしていることを意味している。
 ただ、果たしてそこまで新幹線による効果が期待できるのかどうか。むしろこれまでの核であった都市間利用の客の逸走により、いっそう厳しい状況にならなければいいが、という不安が残る。


 とここまで書いてきて、あらためてJR北海道の公式プレスリリースを読むと、「使いやすく、わかりやすい」商品という言葉が繰り返し使われている。ここに書いたような割引きっぷの設定が本当にわかりやすいものなのか、それすら疑問に感じられて仕方がない。


 もう少しだけ続く。


※≪参考≫JR北海道公式プレスリリースはこちら。


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コメント

「北斗」と「すずらん」の分離。北海道新幹線の開業はこの一言に尽きると思います。「すずらん」の本数が多くなり、運行時間帯が適正化されれば問題はないでしょうが、今の千歳線の過密ダイヤでは厳しいだろうし…。

「北斗」を小樽経由で運行するという手もあるけど、線形が良くない山線だと確実に所要時間が増える。札幌まで新幹線が開通すれば、「北斗」の車両を転用して東室蘭経由・長万部発着の特急を作り、「すずらん」の役割を吸収して一本化できるかもしれないけど。

投稿: 龍 | 2016/01/13 11:36

 龍さん、コメントありがとうございます。
 「すずらん」「北斗」に限らず、利用客の遠近分離はバランスの良い輸送を実現する上で必要なことだと思いますが、「すずらん」の運転本数がこれではちょっと利便性の低下にしかならないですね。素人考えですが、東室蘭-札幌間で数両増結するようなことは考えられないのかな、などと思います。
 実態に即した輸送環境ができるのには、新幹線の札幌延伸まで待たねばならないのでしょうかね。

投稿: いかさま | 2016/01/14 23:41

北斗オプション券では格落ちのすずらんに乗れそうな気がするが乗れない、これは意外な盲点。

伊達紋別あたりならすずらん+普通列車が最速だったり、早朝深夜なら片道のみ東室蘭まで車の迎えというのもあるだろう。

今隣の客が車掌ともめてたが、オプション券は無手数料払い戻しで東室蘭までの正規特急料金とられてた。

やっぱりこの制度わかりにくすぎ。

投稿: | 2016/05/04 19:33

 匿名さん、コメントありがとうございます。
 「北斗」系統と「すずらん」の遠近分離は、新幹線開業により増加すると思われる「北斗」系統の混雑緩和を狙ったものと思われますが、従来の収益の柱であった地元乗客に対して非常に厳しい対応になっていると思います。いわゆる「下位互換」できない北斗オプション券の話もそうですが、「わかりやすい」を標榜するのであれば、Sきっぷを何らかのテコ入れのうえで残す方法もあったように思います。迷走している感は否めませんね。

投稿: いかさま | 2016/05/05 22:43

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