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2016/04/27

2009年世界の旅【35】ボストン(22)はじめてのおつかい・ボストン編

久々の海外編。これまでの経過は ⇒こちら。


 ニューヨークから帰った週は、ボストン滞在最後の1週間である。学校の方は木曜日に予定されているファイナル試験をクリアすれば無事終了だが、それとは別にすべきことがいくつかある。


 それは嫁に頼まれた買い物である。


 私が業務上とはいえ、ひとり海外での自由な生活を送るにあたっては、嫁にはそれなりの不満はある。子供の世話は2か月間、嫁ひとりの手にかかるわけだし、もともと旅行好きな嫁だから羨望の気持ちもあるらしい。とりたてて贅沢をするタイプではないと思うが、良い物を安く買って長く使うのがモットーの嫁にとっては、海外旅行はブランド品を手に入れるチャンスでもある。


 今回、出発前に必要な荷物をスーツケースに詰め込む私に、背後でパソコンに向かっていた嫁が、私にメモ用紙を差し出した。頭には「コーチ」と書いてあり、その下に品番と品名、色、値段が3点書いてある。さらに、ボストン市内に2店舗あるというショップの所在地までご丁寧に記入されている。これは「ちゃんと買ってきてね」という無言の圧力である。私はこうしたブランド品に疎い方であるから、嫁の指令と金を受け取って買ってくるだけの代理人である。


 私はその圧力に応えるべく、ニューヨークから帰った翌月曜日の終業後、グリーンラインD線の電車でコプリー・プレイス(Copley Place)へ行った。ダウンタウンの西端に位置するショッピングセンターで、ブランドショップをはじめ数々の専門店が入居しており、日本の百貨店をはるかに上回る巨大さである。入口のフロアマップでショップの場所を把握し、平日昼下がりの少し緩い感じの人出の中を私は歩いた。


 目的の店はすぐに見つかった。私は嫁からのメモを女性店員に見せ、これが欲しいのだ、と、例によって片言の英語でアピールした。店員はしばしそのメモを眺めていたが、おもむろにレジを操作し始めた。品物の照会をしているらしい。


 ところが、3分ほど待って店員は、
“あなたはこの品番をどこで調べたの?”
と私に聞いた。ホームページで、と返事をすると、
“あなたが調べたのは日本のホームページでしょう。この品番の品物は、どれもすでにアメリカでは扱っていません。”
 本場であるアメリカには最新鋭の商品が投入され、玉突きで日本市場に出回っているということなのだろうかも知れない。
“だから、欲しい物はちゃんとアメリカのホームページで探してらっしゃい。”
 女性店員は突き放すように言った。私がげんなりして店を去ろうとすると、背後で彼女と、もうひとり別の店員がくすくすと笑う声が聞こえた。私は非常に不愉快な気分になった。


 私はその日の夜のうちに嫁に連絡を取り、調べ直した品番を教えてもらって、翌日、学校が終わると再び街へ出た。しゃくだからコプリー・プレイスのショップには行かず、ファニエルホール・マーケットプレイスにあるもうひとつのショップへ行き、ここで無事商品を入手することができた。


 この時購入した商品は、最後の金曜日、この先使う予定のない私服や学校関係の書類などとともに日本へ発送した。一般的にはアメリカから日本へ荷物を送るときにはUSPS(アメリカの郵便会社)で発送することが多く、料金も安いようだが、中身が比較的高価なので、ヤマト運輸の国際宅急便を利用することにした。
 ヤマト運輸ボストン支店に電話すると、クーリッジ・コーナーに近い日本人向けの旅行代理店を取次店として紹介された。ビーコン・ストリートに面した雑居ビルの中にある代理店では、40代半ばくらいの日本人女性が対応してくれた。


 国際宅急便の取次は片手間らしく、準備に時間がかかるが、伝票の記入例などの様式は完備されており、何より日本語が通じるから、わからないことは聞けばよい。
 書類には、お土産のブランド品から使用済みのシャツ1枚に至るまで、荷物1点1点の品名や時価を記入する。通関の状況によって送料や関税額が変わるため、カード番号を知らせておき、後日金額確定後、発送料と関税がそのカードから引き落とされるシステムである。


 1時間ほどかけて、無事荷物の発送処理が終わった。本業の旅行代理店も閉店の時間らしく、私は対応してくれた女性と一緒に事務所を出て、小雨が落ちてくる中、C線アウトバウンドの電車に乗った。もう20年ほどボストンに住んでいるというこの女性は、特段愛想がよいわけではないが、くだらない質問にも丁寧に答えてくれる親切な人だった。終点の近くに住んでいるという彼女に礼を述べ、私はホームステイへ帰った。




 延々と、続く。



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コメント

こんにちは。
( ´艸`)プププ嫁に逆らわに生き方に
ヽ(´▽`)/!!
でも日本人を馬鹿にしたような態度は不愉快ですよね。

投稿: mitakeya | 2016/04/28 17:48

私も、夫がヨーロッパ研修に行った時は、同様のメモを
持たせたことを思い出しました

投稿: ターコイズ | 2016/04/28 20:48

 mitakeyaさん、いつもありがとうございます。
 いくらか落ち着かれたでしょうか?

 日本人を、というか、英語の喋れない人間を馬鹿にした、というのが正しいのかなと思いますが、まあ英語の国でたどたどしい言葉を話しているのだから仕方のない部分はありますね。今となってはあきらめの心境です。
 嫁の件も含めてです(笑)。

投稿: いかさま | 2016/05/02 00:19

 ターコイズさん、いつもありがとうございます。
 体調はいかがですか?

 いずこの奥様もなさることは同じなのでしょうか(笑)。
 国内旅行の時には土産にさほどの関心を示しませんが、やはり海外となると目の色が変わるようです。この話、実は今回だけに限らないのです。

投稿: いかさま | 2016/05/02 00:22

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