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2016/04/18

43歳・初沖縄【8】71年目の沖縄 歴史と現実

 熊本・大分を中心に、未だ大きな余震が続いています。被災された方々に心からお見舞いを申し上げ、一日も早い終息と平穏な生活が戻りますようお祈り申し上げます。


Okinawa10 沖縄編の最後に、どうしても書いておきたいことを。


 観光地として限りない魅力を持つ沖縄は、今から71年前、太平洋戦争における最後の地上戦の戦場となった場所でもある。
 日本本土防衛の最後の砦となった沖縄戦は、1945年3月26日の慶良間諸島から始まり、一般市民を含めて18万人余りの犠牲者を出し、6月23日、日本軍の牛島満司令官と長勇参謀長の自決をもって組織的な戦闘を終結した。



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 3か月に及んだ沖縄戦の戦跡は、島内至るところに残されているが、なかでも最後まで激しい戦闘が繰り広げられた本島南部は沖縄戦跡国定公園に指定されている。
 3日目、「おきなわワールド」の訪問後、そのうちのひとつである沖縄平和祈念公園を訪れた。公園のある糸満市摩文仁は、沖縄最後の組織的戦闘がおこなわれ、牛島司令官・長参謀長が自決した場所でもある。時間の関係で入場できなかったが、公園内には平和祈念資料館も設けられている。
 海岸線に近い広場には、平和の礎と呼ばれる記念碑が並んでいる。碑には沖縄戦で亡くなった人々の名前が、出身地、名前順に刻まれている。これほどまでに多くの人々が命を落としたということに、あらためて思いが至る。


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 平和祈念公園から国道331号線を西へ4kmほど走ると、国道沿いの少し奥まったところにひめゆりの塔が立つ。当時の沖縄県立第一高等女学校と沖縄師範学校女子部の生徒によるひめゆり学徒隊が従軍した陸軍病院第三外科の地下壕跡にあたる。96名が潜んだ壕は6月19日朝、手榴弾による攻撃を受け、91名が亡くなった。この話を教えてやると、坊主たちは小雨に濡れる壕の中を覗き込むようにして、しばし言葉を失った。


Dscn5316 太平洋戦争の敗戦の結果、沖縄はアメリカ軍により占領され、その後27年間アメリカの統治下に置かれた。終戦後の東西冷戦、また朝鮮半島情勢が緊迫を強める中、沖縄はその地理的条件からアメリカの極東戦略において重要な地位を占めることになり、軍事基地の整備が進んだ。この図式は終戦から71年、また日本復帰から44年を経ても変わらない。


Dscn5381_2 沖縄における軍事施設の中で、重要な位置を占めているもののひとつが普天間飛行場である。沖縄本島中部の宜野湾市にあり、面積は4.8平方キロメートル。宜野湾市全体の25%を占めている。海に面した市街地からほんの少し内陸へ入ると、小高い丘の上に飛行場の入口があった。宜野湾市自体が基地を中心に戦後の発展を続けたことを示していると同時に、住宅街や市街地に近接した基地の危険性も示唆していた。1996年、当時の橋本首相により条件付き返還の方向性が示される。


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  その普天間基地の移転先候補として取り沙汰されているのが名護市辺野古付近である。
 名護市街地から国道329号を東へ走ると、左手に鉄柵を巡らせた森が見える。在日米軍海兵隊基地、「キャンプ・シュワブ」で、20平方キロメートルにおよぶ敷地の沖合が飛行場の建設場所になっている。時の政府の無責任な言動に振り回された挙句、工事の凍結を巡って国と県が対立し訴訟にまで発展した。キャンプ・シュワブの正門前には、移設反対派の住民が連日座り込みを続けている。


 風光明媚で太陽と海と戯れる魅力を「陽」とするならば、戦争の歴史と基地の存在は沖縄の「陰」の部分に相当する。このことは沖縄の地を訪れるうえで、いくらか知っておいた方がいいことのように思う。


 沖縄編、終了。



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コメント

こんにちは。
先日沖縄生まれの知り合いのおっちゃんに
本をお借りしたんです。
タイトルは『でいごの花のしたに』だったかな。
著者を記録してなくて思い出せませんが
5年前に出版されたようで
戦後65年の話になりますが、私にとってとても勉強になった一冊です。沖縄の青い空ときれいな海には
忘れてはいけない過去があるのですね。
今度、いつか沖縄に行く時は
違った視線での観光になりそうです。

投稿: kasukasu chan | 2016/04/19 13:33

 kasukasu chanさん、コメントありがとうございます。
 「でいごの花の下に」、私も読んだことがありませんで、少し調べてみましたが、ぜひ読んでみたいと思いました。
 沖縄戦にまつわる本はいたるところで出版されています。わずか3か月の戦いながらその全貌を全て理解するのは大変ですが、少なくとも沖縄が地元住民を巻き込んだ地上戦の舞台になったことは記憶しておくべきでしょう。そうすると沖縄のまた違う側面が見えてくるように思います。

投稿: いかさま | 2016/04/21 00:35

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