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2016/05/05

2009年世界の旅【37】ボストン(24)仲間たちとの別れ

これまでの経過は ⇒こちら。


 翌10月9日、午前10時半、私はいつものビーコンズ・フィールド駅にいた。修了式の今日、登校時間は11時である。ニュートン・センターまでは約10分、シャトルバスで学校まで10分強なのだが、日中1時間間隔のシャトルバスにうまく乗れる保証はなく、しかもこういう日に限って電車がなかなかやって来ない。


 私はあきらめて通りへ出てタクシーを拾った。アメリカ初のタクシー体験である。どこをどう走っているのかは全くわからず、細かなピッチでカチカチと上昇するメーター音も心臓に悪い。学校には11時ちょうどに着き、30数ドルの料金を払ってタクシーを降りると、校舎の前では、いつものように仲間たちが灰皿を囲んでたむろしていた。


Pa103038 ほどなく声がかかり、全員で校舎の一番奥の教室へ移動する。恰幅のいい白髪の女校長が現れ、今日付けで学校を去るひとりひとりに修了証書を手渡していく。ヒロシも、Aさんも、そして私も修了証書を手にした。事実上のトップクラスである112クラスを修了した学生が、校長に求められてスピーチをすると、30人ほどの仲間たちから一斉に拍手が起こった。


 それから教室に、軽食とデザート、飲み物が運び込まれて、パーティになった。仲間たちと最後の歓談である。食べるのもそこそこに、記念撮影大会になり、仲間や先生たちと次々に写真におさまる。


 同じ9月からの日本人新入生たちとはとりわけ仲良くしてもらった。
 同じ105クラスのアスカと、大学の同級生であるヒロコ、ヒロタカ。3人はこの先さらに3セッションを経て、来年の初めに日本に帰る。
 広島弁を駆使する快活なミク。倍ほど年が離れた私たちとの交流でそれなりに気を遣わせたのではないかと思うが、臆せず付き合ってくれた。彼女は日本人新入生仲間では最も長く、翌年の2月までここに残る。
 そして社会人組で、初日のバスから一緒だったヒロシ。まだ学生気分が抜けきらない若者ではあったが、対人能力や時々垣間見える思考回路にずば抜けたものを感じた。彼は勤務先の現地法人での集合研修を経て帰国する。


 語学学校に少しずつ馴染んだ後半からは、早くからいる上位クラスの日本人と交わる機会も増えた。少し斜に構えた感はあるがクールで切れ者社会人のヒデキ、学生とは思えない落ち着いた雰囲気だが笑顔が人懐っこいキヨシ。日本人だけでなく、わずか1か月で外国人も含め、たくさんの若い友達が増えた。貴重な財産である。その仲間たちの存在が大きければ大きいほど、別れる時の反動も大きくなる。


 何人かの仲間たちは名残を惜しんで遊びに出掛けるようだが、明日の出発に向けた準備が山ほど残っている私は、早々にホームステイに帰らなければならない。
 私はその時間が訪れるのが淋しく、パーティが終わった後も、シャトルバスを1本やり過ごして、学校の前でふわふわと落ち着かない時間を過ごした。その間に仲間たちがひとり、ふたりと去って行く。そのたびに私たちは互いに「Thank you!」「See you!」を繰り返した。


 シャトルバスがまたやって来た。私は、ミク、ジヨンとともにシャトルバスに乗り、ニュートン・センターで電車に乗り継いだ。
 電車でたった3駅の時間が、こんなに惜しく感じたことはない。けれども時間は無情に過ぎ、電車はビーコンズ・フィールドの低いホームに滑り込んだ。最後まで一緒だったふたりと握手を交わし、電車のステップを降りる。閉じたドアの向こうから、彼女たちはいっぱい手を振ってくれた。私はその電車が、駅の先の右カーブをゆっくりと曲がって見えなくなるまで見送った。たったひとり取り残された私は、ほんの少し泣きそうな気持ちになった





 延々と、続く。



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