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2016/05/09

2009年世界の旅【38】ボストン(25)ホストマザーとの確執

これまでの経過は ⇒こちら。



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 学校のカリキュラムも無事終了し、ホームステイ生活も大詰めとなった。だが残念なことに、ホストマザーとの関係式は必ずしもしっくりいっておらず、特別の感慨もなかった。
 もともと希望したホストファミリーの構成と大きくかけ離れていたことに加え、仕事持ちの独居老人で時間的に振り回されたということもある。ただ、宗教的なものも含めて、それも異文化との交流ということで自分を納得させていたように思う。


 その前の週のことになるが、故障中ということで使えなかったフランさん宅の洗濯機が、新しい機械に変わっていた。そこで私は前週の木曜、フランさんに家の洗濯機を使ってもよいか、と尋ねてみた。すると、
“まだ使い方が分からないからダメ。”
との返事であった。私は仕方なく、いつものコインランドリーへ向かい、10数枚のクォーターコインを投じて洗濯機を回した。


 修了式の朝、私は再びフランさんに同じ質問をぶつけたが、
“まだ使い方が分からないからダメ。”
と、先週と全く同じ返事である。
 もともとエージェントからの説明では、洗濯はホームステイでさせてもらえるとのことであった。しかるに私は、洗濯機の故障という理由で2度、使い方不明という理由で2度、コインランドリーへ出掛けることになった。
 洗濯に要する金が惜しい訳ではない。「使い方不明」という理由が気に入らなかったのである。その間フランさんが自身の洗濯物をどうしていたかは知らないが、私には「お前にはうちの洗濯機は使わせない」と言っているように感じられた。私は、1週間分の洗濯物とシーツを抱えて、4度目のコインランドリーへ出掛け、修了式の学校にあやうく遅刻しそうになった。


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 いつもと変わり映えのない最後の晩餐の後、盛り上がらない会話を早々に切り上げ、私は部屋へ下がって最後の掃除を始めた。最低限の礼儀である。
 2階のホールにある掃除機を部屋の中へ引っ張り込み、電源を入れると、轟音を立てて掃除機が動き始めた。薄暗い部屋の掃除をしながら、この4週間を思い返した。初日の夜、私は孤独に耐えかねて、このベッドの上でベソをかいていた。それからたくさんの仲間たちとの楽しい時間を経て、私はまたひとりぼっちになった。この間、私の英語力はそれほど進歩しなかったが、図太さはそれなりに身に付いた。私は穏やかな気分で、掃除機をかけ続けた。


 しかし、ベッドの下を覗き込んだ瞬間、穏やかな気持ちはどこかに吹き飛んだ。ベッドの下の死角には、灰色の綿埃がびっしりと敷き詰められていた。それも尋常な量ではない。厚さ数cmにもなって重なっている。どう考えても、1か月で堆積する量ではなく、場合によっては年単位で放置されていた可能性がある。よくここまで誰も気付かなかったと、ある意味感心するほどである。何も知らずにこの綿埃の上で4週間寝起きしていた私は憤然としながら掃除機のホースをベッドの下に突っ込み、綿埃を残らず吸い込ませた。


 このホームステイには後日談めいたものがある。
 ホームステイとひとくちに言っても、その応対はピンキリである。遠来の異国人を歓待しようという人もいれば、あくまでビジネスと割り切る人もいる。Aさんなどは前者に当たってかなり居心地のいい生活を送ったようだが、周囲の人々の話を聞くと残念ながら後者の方が多いように感じられる。
 日本に帰ってきてから数年後、たまたまネットサーフィン中に、フラン邸で下宿・ホームステイした数人が受けたひどい体験談をまとめたブログを見つけた。この手の情報はそのまま鵜呑みにしてよいものかどうかは微妙なところだが、事実だとすれば相当劣悪な扱いで、私などまだ良い方だったと感じる。
 雑な対応を受け、鍵もかけられない日当たりの悪い部屋で1か月過ごした、そんなことも今となっては思い出話のネタになっている。




 延々と、続く。



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