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2016/05/15

北海道新幹線 連休中の利用状況とJR北海道決算

 連休明けの5月9日にJR北海道が発表した内容によると、ゴールデンウィーク期間(4/28~5/8)に北海道新幹線を利用した乗客は107,600人であった。前年同時期の在来線列車の実績比で93%、人数にして約52,000人の大幅増加となったという。


 これを細かく見てみると、この期間中11日間の延べ運転本数は、臨時列車を加えて337本。これにE5・H5系10両編成の定員731人を乗じると、提供座席数は246,347人。期間中の平均乗車率は約44%となった。この数値は、おおむね開業から3日間の実績とほぼ同じである。
 飛行機などと異なり鉄道の場合は途中駅での旅客の入れ替わりも大きい。根元区間の需要が大きい東北新幹線では、速達列車である「はやぶさ」も末端へ行くほど乗車効率は下がる。また、早朝・夜間の区間列車など極端に利用状況の悪い列車もあり、実態としては日中の列車は数字以上に混雑していたのではないかと推測する。


 同日に発表されたJR東日本のプレスリリースによると、同じ期間の東北新幹線の利用状況は、北海道新幹線に比較的近接する盛岡-八戸間で前年比14%増(+31,000人)であった。北海道新幹線区間は、比率からも絶対数からもこれ以上に数字を伸ばしている計算になっており、新幹線開業の効果は間違いなく現れている。数字の多少はさておき、まずは喜ぶべき傾向だと思う。


 一方で、北海道新幹線と接続して道央圏を結ぶ特急「スーパー北斗」「北斗」の利用客は、74,100人(東室蘭-苫小牧間実績)と、前年比3%(2,400人)の増加にとどまった。札幌から旭川方面、帯広・釧路方面など、他の在来線特急が軒並み前年割れとなった中では善戦と言えなくもないが、北海道新幹線の旅客増からすると物足りない。


 期間中のJAL・ANAの利用客は合計で前年比6,000人余りの減少にとどまっており、北海道新幹線は航空からの転移以上の需要を創出したと言える。増加分の旅客のうちの少なからぬ数が札幌などさらに北を目指した(あるいは北から来た)はずだが、JR在来線がその輸送を担い切れていない。JR以外の選択肢、例えばレンタカー、バスなどを利用した人もかなりの数になると考えられる。時間・料金的にアドバンテージがない中で、こうした需要をどう鉄道に惹きつけていくかが、今後のJR北海道に与えられた課題だと思う。



 同じ日に発表されたJR北海道の平成27年度決算によると、鉄道運輸収入は前年度と比較して16億円ほど増加したものの、修繕費・減価償却費や新幹線開業準備費用の増加などにより、営業損益は447億円の赤字、経常損益も22億円の赤字と、前年と比べて大幅に悪化した。
 赤字ローカル線の整理や運行本数の削減、新幹線と並行する在来線の切り離しなど、合理化と赤字削減に向けた努力は続くが、年間50億円近いとされる北海道新幹線の営業赤字もあり、平成28年度計画では営業損益はさらに悪化する。経営の構造的な問題は別にして、新幹線の効果を他の区間に波及させていくための施策はもう少し積極的に考えられてもいいのではないかと思う。



≪参考≫各社ホームページのプレスリリースによる連休中の輸送状況
  JR北海道、 JR東日本、 日本航空、 全日空 




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