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2016/05/30

愛すべき怪物番組「笑点」への思い

 「笑点」が大好きである。


 先ごろ放送50周年を迎えた「笑点」。物心ついた頃からどういうわけか私はこの番組が大好きだった。まだ幼稚園に入るか入らないかの頃、新興住宅地の真ん中にあった母の実家近くの小さな広場で、近所の子供たちを前にして大喜利の真似事をしていたというから、相当の筋金入りである。


 一番古い記憶にあるラインナップは、司会の三波伸介を筆頭に、歌丸木久蔵(木久扇)、圓窓圓楽(先代)、こん平小円遊。座布団運びは「手を挙げて横断歩道を渡りましょう」の松崎真である。Wikipediaなどによると、このメンバーによる並びは1977年3月までなので、私が4歳半くらいの時の記憶ということになる。よくもまあ覚えているものだと我ながら感心するが、一方で林家九蔵時代の三遊亭好楽がメンバーだった記憶はほとんどない。きわめて断片的な記憶といえる。


 三遊亭圓楽が司会に復帰し、九蔵(→好楽)の後任に三遊亭小遊三が加入、さらにその好楽が桂才賀の後任で復帰して以降、メンバーは固定した。マンネリの最たるものともいえるが、日曜日の夕方という脱力感漂う時間帯のテレビ番組としてはこれが正しかったのかもしれない。同一メンバーによる大喜利は、2004年9月のこん平休演まで16年間続いた。


 これ以降、メンバーの病気などによる休演が続く。脳梗塞に倒れた圓楽から司会を引き継いだ歌丸も、2008年の腰の手術以降、何度となく傷病により収録を欠席する。本来なら舞台上手から登場すべきところが下手から登場するようになり、つらそうなのが画面からも伝わってくる。木久扇も2014年に初期の咽頭がんで休演した。「楽屋で医者が待機」とか「ある種のドキュメント番組」などと笑いのネタにしているが、そろそろ笑えない域に達しつつあるように私は感じていた。


 50周年を区切りに歌丸勇退となるのではないか、と予想していたのは私だけではないと思うが、予想は現実となった。後任が誰になるかはネット上でもさまざまな憶測が飛び交った。私は個人的にはマツコ・デラックスとか小堺一機あたりが面白いのではないかと思っていたが、これまでの歌丸やそのほかのメンバーの言動から、後任が落語家であることは間違いなく、連帯感を重視する姿勢からメンバー内の昇格と踏んだ。
 司会というポジションの特性上、出演歴や香盤の上の者が務めるのが最適だと考えると、キャラの定着している木久扇はともかく、本命は円楽、対抗・好楽で、「若手大喜利」の司会経験がある昇太が穴と予測した。


 笑点50年の歴史を先頭に立って支え続けたのは、最多出演を誇る歌丸であり、初回からのメンバーである先代圓楽とこん平だったと言える。11年前、笑点は、先代圓楽の司会引退、こん平の休養による新メンバー加入という転機を、番組の象徴でありリード役の歌丸を司会に据えるという、いわば「最終手段」で乗り切った。
 今回はその象徴の降板である。「笑点」をさらにこの先長く続けていくためには、10年、20年と司会を勤められる新しい「象徴」が必要である。このことが、マスコミも含めて「穴」と思われていた昇太を司会に起用した最大の理由なのではないだろうか。


 そう考えると、昨日発表された新メンバーが2代目林家三平だったということにも、なんとなく納得がいく。昇太の司会就任は、遠くない未来に今後何年かの間に、現在78歳の木久扇をはじめ、過半のメンバーを入れ替えるという「フラグ」と考えることもできる。だとすれば、知名度の高い現メンバーが残っている間に、笑点の次世代の「顔」をつくらなければ、若手中心のメンバーへのバトンタッチは視聴者離れを招く。そうならないためには、落語の巧拙は別として、一般向けにもともと高い知名度を持つ三平の存在はうってつけともいえる。年齢も45歳と昇太より年下で、序列的にも締まる。個人的にはこの人選には多少の異論もあるが、もう少し長い目で見ないといけないのかもしれない。


 1966年に「笑点」がスタートしたとき、メンバーの大半は二つ目で、真打は先代圓楽と司会の談志のふたりだけという若い番組だった。お化け番組になってしまった今では望むべくもないのかもしれないが、個人的には次の世代交代時には、30歳代くらいの新進真打、あるいは一歩手前の二つ目あたりを加えていって欲しいと思う。女性を含めて比較的若いそうに人気のある昇太、子供向けの落語を手がけるたい平に、勢いのある若手落語家を絡めれば、次世代の落語ファンを開拓していくこともできるに違いない。


 そしてこれからも、脱力感丸出しの日曜夕方を私たちが過ごせるように。




※意見には個人差があります。あらかじめご了承を。




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日常の旅人」カテゴリの記事

コメント

こんばんは。

わたしにとっても笑点は、気づいたときには始まっていて、
小さい頃から馴染みのある番組です。
なんとなく「おじいちゃん・おばあちゃんが好きな番組」っぽい雰囲気があるのに、
なぜか夕飯の支度のお手伝いをしながら、見入っていた記憶なんかもあったりして。
やっぱり日曜の夕方って、独特の雰囲気…ありますよねぇ。

ところで、いかさまさん。
笑点について論文を書けそうな勢いですね(*^-^)
文章がお上手で、いつもお話の中に吸い込まれてしまいそうです…

投稿: アケ | 2016/05/30 23:45

いかさまさんの考察バラエティさには感心しちゃいます!
新聞雑誌で、コラム記者できますね^.^/
笑点、漢字変換で8番目に出てきました・・・親しみある名前になっていますね。
歌丸と小円遊の楽しい丁々発止が印象に残っていますね~。

投稿: キハ58 | 2016/05/31 06:22

私もというか我が家も大ファンですよ
もう、かなり前ですが、熊本で公開放送があった時は
抽選に当たって、次男とふたりで見にいきました。
当時は、圓楽師匠が司会で、オンエア~は無しでしたが
収録前には一席落語の披露もあり、とてもお得感満載
だったことを思い出します。2週分の収録で、ゲスト2組は
名前は忘れましたが、マジシャン?と、「てつ&とも」
でした。 そして、テレビではわからなかったというか
ミキサーがちゃんと調整するんでしょうけど、歌丸さんの
声がとてもか細くて大丈夫かな~って思ったことなど。。。ほんと、いろいろ懐かしいです

投稿: ターコイズ | 2016/05/31 14:07

 アケさん、コメントありがとうございます。お返事遅れて申し訳ありません。
 物心つくと自然に生活の中に溶け込んでいた番組ですね。見ていた人が多かった証しなのだろうと思います。私なんぞはやや中毒気味になっていて、いないときでも録画で欠かさず観ています。

 このあたりが笑点フリークでついつい書きすぎてしまうゆえんでしょうか(笑)論じろといわれれば一晩でもいけそうです。

投稿: いかさま | 2016/06/06 01:23

 キハ58さん、いつもありがとうございます。お返事遅れて申し訳ありません。
 私の知識は少々どころかかなり偏っている方なのですが、極めた道についてはつい熱く語ってしまう悪い癖があります(笑)
 大喜利の掛け合いは、今大月対秩父、歌丸対円楽ですが、発端は歌丸・小円遊ですね。番組で手打ち式までやったとか。キハ58さんも歳がバレますよ(笑)

投稿: いかさま | 2016/06/06 01:27

 ターコイズさん、いつもありがとうございます。お返事が遅れて申し訳ありません。
 公開放送は私も一度は行ってみたいと思いながら、さすがにその機会には恵まれていません。本番の放送は大喜利も含めてカットされている部分がけっこうあるそうですし、実際に舞台を眺めながらですとテレビでは見えない独特の雰囲気があるのでしょうね。ターコイズさん、うらやましいです。

投稿: いかさま | 2016/06/06 01:30

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