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2016/09/01

豪雨の爪痕【その2】

 旭川から美瑛、富良野にかけての一帯が台風と前線の影響によって豪雨に見舞われた衝撃もさめやらぬ8月30日、北海道は台風10号の通過による豪雨に見舞われた。
 被災された方々に心からお見舞いを申し上げたい。


 今度は北海道への上陸こそ回避されたが、強い勢力を保ったまま岩手県大船渡市に上陸、北海道の十勝地方・上川地方南部に多量の降水をもたらした。
 私の職場の営業エリアに当たる南富良野町。30日の午後から強くなった雨の影響で、31日の未明、空知川が決壊、市街地へ大量の川水が流れ込んで冠水した。

 気象庁の統計情報によると、南富良野町の降水量は、30日の日計で168mm。31日のデータは午前3時40分を最後に記録されていない。計測そのものができなかったのか、データ転送できなかったものかは定かでないが、相当の豪雨だったのは間違いない。降り始めからの雨量は500mmを超えたとの報道もある。事実だとすれば南富良野町における8月降水量は900mm以上に達している。平年の6倍近い量で、年間降水量の9割に相当する。


 各地で道路が崩落して南富良野町は一時陸の孤島となった。今日現在一部が仮復旧しており、ようやく被害の状況も見え始めている。ニュースでも頻繁に映し出されているのでご覧になった方も多いだろうと思う。

 周辺の自治体同様、南富良野町も農業が基幹産業となっている。なかでも人参馬鈴薯の作付が多いが、市街地付近をはじめかなり広い範囲にわたって畑が冠水しており、収穫への影響は避けられない。収穫した農産物を選別、あるいは加工して出荷する施設も浸水被害を受けており、稼働再開までには時間がかかりそうである。同様に豪雨の被害を受けた十勝地方を含めて、農業被害の全容はまだつかみ切れていないという。


 交通機関への影響も続いている。
 南富良野町から新得町、清水町、芽室町にかけて、冠水あるいは崩落などの影響により、国道38号線をはじめ多くの道路が通行止となっている。そのなかで、いち早く復旧した道東自動車道は、一部区間を無料開放して物流ルートの確保が図られている。

 一方、鉄道は無残な状態である。根室本線での橋梁や路盤の流出により、札幌と釧路・帯広を結ぶ特急「スーパーおおぞら」「スーパーとかち」の運転再開のめどはたっていない。23日の台風9号による豪雨で不通となった石北本線の「オホーツク」と合わせ、JR北海道は向こう1か月以上の運休を発表している。
 前回も触れたように、鉄道は単位輸送量やその効率において道路を圧倒しているが、こうした状況が続けば、相対的に鉄道の地位が低下し、ただでさえ厳しい経営が続くJR北海道への逆風になりかねない。廃止路線に関する報道もちらほらと出始めた中、こちらも心配である。



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北海道の旅人」カテゴリの記事

コメント

スキーで通る道が被害にあっているんですね。
テレビニュースで惨状を知る事に。
温暖化の性だとすれば、これからも続くことでしょう。
大変な時代となってきました。
私たちも考えなくてはいけない時代ですね。

投稿: マーチャン | 2016/09/02 06:50

台風10号の被害をニュースで、特に映像で目にするたびに心が痛みます。
東北から北海道は、私のイメージでは台風の進路とあまり関係の無い地域だと思っていました。
もう考え直さないといけないのでしょうか。
それにしても、ライフラインはもちろんですが交通機関の復旧と農作物の被害が大変気になっております。

投稿: ミミ | 2016/09/02 20:45

これまで経験したことのない立て続けの台風襲来で、北海道・東北が大変な状況になっていることに、まずはお見舞いを申し上げたいです。

農作物の被害・鉄道の復旧は、国として取り組むべき事柄で、自治体や当事者レベルでは限界があると(自治体職員の端くれとしては)思うんですが、あんまり国の動きが見えないのは極めて遺憾に思います。

ちょっと取り組むべき順位を勘違いしてやしませんかねえ…。

投稿: miyap | 2016/09/03 23:43

ニュースの映像を拝見すると、胸が痛くなります。
特に収穫を目の前にした大地の恵みが、別の大地の力で無残な姿に変わっていく・・・お取引先のご支援、お疲れさまです、いかさまさん。

投稿: キハ58 | 2016/09/04 15:05

こんにちは。
 
南富良野の様子をテレビで見た時は絶句しました。
知り合いがいるのですが、今の時代に携帯番号もメールアドレスもわからず。
落ち着いてから手紙などで確認するしかないのですが心配です。
 
北海道はこれから秋の観光シーズンでしょうに
大きな打撃ですね・・・。

お取引の会社さんのご支援、お疲れさまです。
くれぐれも気を付けてお出かけください。

投稿: 花mame | 2016/09/04 15:58

 マーチャンさん、いつもありがとうございます。
 見慣れた景色が変わり果てるさまは本当に心が痛みます。
 先日のテレビ番組によると、温暖化の影響で台風が最大勢力になる地点が、この30年で平均150km北上したのだとか。
 つらいことではありますが、そういう時代なのでしょうね。

投稿: いかさま | 2016/09/07 23:07

 ミミさん、ありがとうございます。
 私の印象の中でも台風は北海道とは縁遠いものなのですが、今から12年前、岩見沢勤務時代に、やはり大型台風の被害を体験しました。そのときは風台風でしたが、目の前でビニールハウスが倒壊するのを見るなどショッキングでした。今回は雨台風。あまり体験したくないことですが、温暖化の影響だとすれば、今後頻度は高くなるのだろうなと思います。

投稿: いかさま | 2016/09/07 23:13

 miyapさん、コメントありがとうございます。
 農地や農業関連施設の被害復旧には法律による国の対策があるのですが、交付までに事案がかかることと縛りがいろいろと多いきらいがあります。大臣の被害視察だけは各省とも迅速にお越しになられるようですが(笑)
 鉄道に関しては、そうでなくても今、北海道ではその存亡の淵に立たされていますが、JRだけの手には余る復旧費用をどうやって捻出するのか、あるいはしないのか。気になるところです。

投稿: いかさま | 2016/09/07 23:20

 キハ58さん、いつもありがとうございます。
 農業は常に自然との闘いですが、逆にその自然がこれ以上ないほどの豊穣をもたらすこともあります。ただ、これほどまでに大きな被害を受けた現場を見ると、自然相手の仕事が大変なものであるということをあらためて思い知らされます。

投稿: いかさま | 2016/09/07 23:28

 花mameさん、いつもありがとうございます。
 南富良野町の市街地付近の浸水被害は甚大ですが、幸いなことに人的被害はなかったと聞いています。ただ、元の生活を取り戻すまでにはかなりの時間がかかるのではないでしょうか。一日も早い復興を祈っています。
 取引先の工場も再開には数か月単位の時間が最低でもかかりそうです。泥は出しましたが水没した機械の補修は困難を極めるそうです。できる限りのお手伝いはしたいと思っています。

投稿: いかさま | 2016/09/07 23:32

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