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2016/11/13

2016年秋・東北乗り歩き【2】津軽線から新幹線を望む

 札幌はこの週末、もはやこの季節の恒例行事となった「嵐」という名の嵐。筋金入りのファンからにわかまで、札幌ドーム周辺は日本シリーズの時以上の人波。今年は岐阜から中学の同級生も来ていたりして、もはや1アイドルのコンサートと片づけるには大きくなり過ぎた。
 そして私はと言えば、今、最終の旭川行き特急に乗っている。コンサート終了から4時間、気合を入れて指定席をとるほどではなかったが、自由席はほぼ満席に近い状況。「嵐」グッズやトートバッグを持った客が目立つ。



 さて、前回の続き


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 5時半過ぎに目が覚めると、窓の外はすでにうっすらと明るい。徐々に白みが増していって5時50分、ほぼ定刻に青森港フェリーターミナルに到着する。これから乗る列車まではあまり時間がなく、接岸前に電話でタクシーの手配をしてあるが、安全確保のため旅客の下船はトラック・車両がすべて出た後。下船開始までをやややきもきしながら過ごす。


 10分ほどで車両の下船は完了し、私たちの番が来たのは6時5分過ぎ。たった3人の下船はあっという間に終了する。フェリーターミナルからの最寄りは青森駅西口だそうだが、私は津軽線油川駅を目指した。距離的には多少遠い程度で、これから津軽線の列車に乗る私にとっては、始発駅の青森よりその次の油川からの方が列車の時間まで余裕がある。

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 タクシーに乗ること5~6分、1,030円で運ばれた油川は、駅舎とホーム1本だけの小さな駅。待合室には2人ほど客がいる。誰もいないホームへ上がると、北海道方面からの長編成の貨物列車が駆け抜けていった。6時23分、蟹田行き普通325Mが到着するが、待合室から客がホームへ上がってくる気配はない。青森方面へ向かうのだろう。私ひとりで列車に乗り込む。


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 701系電車2両の列車は、この時間帯の流動とは逆方向を向いており、ガラガラ。車両の窓に沿って座席が並ぶロングシートで味気ないが、斜めに腰かけてゆったりと過ごせる。奥内でも貨物列車とすれ違い、特急列車のなくなった津軽線が未だ貨物列車の大動脈として活きていることを実感する。進行方向左側、田んぼが広がる向うの山際に、北海道新幹線の立派な高架が見える。


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 6時58分着の蟹田で、7時07分発の三厩行き327Dに乗り継ぎ。キハ48形2両の列車は、こちらも客は少なく、昭和の雰囲気を色濃く残したボックスシートが並ぶ車内は閑散としている。次の中小国までは、新幹線開業前に何度も行き来した区間である。


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 中小国からが初乗り区間。しばらく走ると、単線の線路から複線のレールが分岐する。JR北海道の海峡線である。今や旅客列車の走らないこの路線は、津軽線としばらく並走した後で右へゆるやかに離れていく。ほぼ同時に左手から新幹線の高架が近づいてくる。その高架を津軽線は単線で直進してくぐる。海峡線は右カーブしながらくぐって登り坂となり、ほどなくその高架に合流しているのが見えた。


 海峡線と別れた津軽線は深い山の中に分け入る。時々広がる平地は狭い田圃になっている。先ほど離れた新幹線が右手から接近してくると津軽二股。真横が新幹線の奥津軽いまべつ駅である。1日7往復しか停まらないが巨大で、こちらは小さなローカル駅である。空母と漁船ほどの差がある。今度は新幹線が左側へと去っていく。


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 今別の先で海岸線に出た列車は、最後に内陸側へ頭を振って、7時46分、終点の三厩に到着した。2両編成の列車からは数人の乗客がパラパラと降り立った。折り返しの列車の発車は35分後である。普段なら私も、駅前をぶらぶらと散歩してから折り返しの列車に乗るのだが、今日はここからさらに津軽半島を先へ進む。理由は簡単である。この先にもうひとつ、私が乗るべき「鉄道」が待っているからである。



 当分の間、続く。



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コメント

乗りつぶし鉄旅は楽しめましたか?所で今回の内容とあまり関係なくてすみませんが鉄道路線はなぜ時々廃線になったりするのでしょうか?だったらはじめからつくらなければいいのにとか思うんですけど。廃線を利用して町おこしとかに利用したらいいのに、もったいないような気がするのです。いかさまさんのブログを読んでいると北海道は廃線になる所が多いような気がしてしまうのですが気のせいでしょうか?

投稿: poem | 2016/11/15 13:20

 poemさん、ありがとうございます。
 こういう素朴な疑問がファン的には一番どきりとします(笑)
 
 道路や自動車が現在のように発達していない時代、陸上の交通機関の中心は鉄道でした。地方の均衡ある開発を目的として全国に鉄道が張り巡らされたわけですが、鉄道の本来の力が発揮できるのは新幹線や大都市に見るような大量輸送の場面です。それ以外の地方では小回りの利く道路・自動車交通の発達とともに、鉄道が衰退していったということなのだと思います。

 また、鉄道輸送のもうひとつの存在意義は貨物輸送でした。とりわけ石炭輸送は、日本全体のエネルギーにとっても不可欠な存在で、北海道や九州筑豊には一時、網の目のように鉄道が張り巡らされていました。炭鉱の閉山→貨物と人間の減少→鉄道需要の減少という経過をたどって廃線となった鉄道は、とりわけこの両地区に顕著です。

 あとは鉄道を地域振興や観光資源としてどう活用していくかですが、単純に採算性だけを考えた時、富良野・美瑛という大観光地を抱える富良野線ですらJR単独での維持は困難です。輸送密度の観点からいうと最低でも年間あと100万人、鉄道単体で黒字にするためにはその倍以上、鉄道利用者を増やさなければなりません。ハードルは高いですね。

投稿: いかさま | 2016/11/15 20:48

ありがとうございます。
廃線にはエネルギーや移動手段の変化、都市化など様々なことが影響しているんですね。
大変わかりやすく勉強になりました
いかさまさんのような熱烈な鉄道ファンをもっとふやさないといけませんよね

投稿: poem | 2016/11/18 08:41

 poemさん、ありがとうございます。
 ともすれば郷愁に駆られて「鉄道を残せ」と騒ぐばかりが鉄道ファンだと思われることもありますが、その存在意義や活用方法などを社会的な見地から見るのもファンの在り方のひとつではないかと思っています。
 また不明な点、ご不満な点があれば遠慮なく言ってくださいね(笑)

投稿: いかさま | 2016/11/24 02:35

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