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2016/12/19

2017年3月ダイヤ改正と北海道の鉄道

 JRグループ各社は12月16日、来年3月4日に実施されるダイヤ改正の概要を発表した。


 全国的にみると改正規模は小さく、可部線の延長開業(可部-あき亀山)や、新型車両の投入(男鹿線・烏山線・筑豊本線など)はあるものの、既存ダイヤをベースにした増発や輸送力調整が目立つ。
 一方、JR北海道では、今春から報じられてきたとおり、宗谷本線・石北本線系統の一部特急列車の運転区間短縮がおこなわれることになった。

 ⇒JR北海道によるプレスリリース
 ⇒過去ブログ「北海道の都市間輸送はどうなるのか」


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 宗谷本線系統は、現在、特急「スーパー宗谷」(キハ261系×4両)2往復、特急「サロベツ」(キハ183系×3両)1往復の計3往復が、札幌-稚内間に運転されている。
 今回の改正では、札幌夕刻発・稚内朝発の「スーパー宗谷」と「サロベツ」の2往復について、運転区間を旭川-稚内間に短縮する。車両はキハ261系4両編成に統一され、札幌発着の1往復がスーパー抜きの「宗谷」、旭川発着の2往復が「サロベツ」となる。


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 石北本線系統は、現在、「オホーツク」(キハ183系×4両)4往復が札幌-網走間に運転されているが、こちらは上下とも始発・終発を除く中間の2往復を旭川-網走間に短縮する。こちらは札幌発着の2往復がこれまでどおり「オホーツク」、旭川発着の2往復には、かつて急行列車に使われていた「大雪(たいせつ)」の愛称が復活する。


 「サロベツ」「大雪」は、札幌-旭川間の電車特急と接続する運行体制が取られ、旭川駅では同一ホーム乗り換えの便が図られる。特急料金も改札を出ない限り通算され、直通旅客の利便性は可能な限り確保されているといってよい。


 それはよいのだが、新ダイヤを見ていて気にかかることがある。ダイヤ設定である。
 宗谷本線・石北本線とも、始発繰り上げ・終発繰り下げの設定となっており、現地滞在時間が拡大されるのだが、同時に昼間の列車の時刻が大幅に変更されている。特に旧「オホーツク」3・4・6号で顕著である。


 そもそも列車本数が少ない区間では、最大限の利便性を確保するべくダイヤが設定されているはずである。だが今回は、乗客の利便性より車両運用の合理性を優先してダイヤが設定されているように見えて仕方がない。


Dscn6150  今回の特急再編の背景には、車両の老朽化による不足があった。特に石北本線系統で運用される車両は、1981年から83年にかけて製造された初期車である。これらの老朽車両を淘汰するため、キハ261系1000番台の投入が続く函館本線系統から比較的経年の新しいキハ183系を捻出し、かつ宗谷・石北本線系統の運用を大幅に合理化する必要があった。


 設定時刻の変更によって車両の運用は飛躍的に効率化し、宗谷本線系統ではキハ261系に車両を統一、石北本線系統では2運用の削減に成功した。しかしダイヤを大きく変更したことで、ただでさえ多くない乗客の利便性に悪い影響が出ないか、少なからず気にかかる。また、特別快速「きたみ」と特急「大雪」の役割にも明確な線引きがないように感じられ、将来的にはいずれかに統合されるのではないか、という気もしてくる。


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 もうひとつ気にかかるのは、札幌-旭川間の電車特急の運行体系である。
 これまで785系・789系1000番台のモノクラス5両編成で運転されてきた「スーパーカムイ」は、今回1往復が増発され、旧「スーパー白鳥」用789系0番台6両編成でグリーン車付の「ライラック」14往復と、789系1000番台5両編成の「カムイ」10往復に2分されることになった。こちらも愛称から「スーパー」が外れ、すっきりしている。


 1往復の増発と10往復の6両化により、札幌-旭川間では、両数ベースでの輸送力に増減はないが、宗谷本線・石北本線系統の特急減少により、運転本数自体は3往復減少する。「ライラック」と「カムイ」の運転パターンは偏っており、下り列車で見ると、始発からライラック3-カムイ2-ライラック3-カムイ2-ライラック4-カムイ3-ライラック4-カムイ3 の順となっている。

 
 本来「ライラック」も「カムイ」も札幌対旭川の都市間輸送列車である。その一方で、運転区間の短縮された「サロベツ」「大雪」の代替としての役割も兼ねる「ライラック」が4往復存在する。これらの「ライラック」は自由席が他の列車と比べて1両少ない3両である。運転間隔が1時間に開いている「ライラック13・15・22号」あたり、自由席の混雑が増すのではないかと気にかかる。


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 今回の特急列車の運行体系の見直しは、乗客減にあえぐ宗谷本線・石北本線における輸送力をこれまでどおり確保しつつも合理性を追求するものである。そのこと自体は、現在のJR北海道の置かれた環境を考えると一定の理解と評価をしなければならない。
 ただ、以前にも書いたように、札幌への一極集中が進む北海道において、直通手段を削減したことによる影響は大きいのではないかという懸念も残る。今回のダイヤ改正が、特急利用客のさらなる減少を招き、結果的に宗谷本線・石北本線の存続問題に影響を与えるような状況にだけはなってほしくない、と思う。




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