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2017/01/09

2016年秋・東北乗り歩き【8】花輪線から北上線へ

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 弘南鉄道の大鰐駅と隣り合って建つJR大鰐温泉駅は、屋根の赤いアクセントがどこか可愛らしい建物。駅前には小さな足湯もしつらえてあり、立ち上る湯気が誘っているようであるが、次の列車までの接続時間はわずか7分で、足を湿らせている暇もない。


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 8時07分発の普通列車で終点の大館下車。秋田犬発祥の地で、渋谷駅前にいたハチ公もこの大館の生まれなのだとか。駅前には渋谷駅同様、忠犬ハチ公像が駅を見つめて鎮座している。秋田犬保存会なるものの本部もこの大館にあると、後日秋田犬オーナーである親戚から教わった。駅から近いバスターミナルで朝早くから営業している食堂で、当地名物の「鳥もつ」で朝食。少々しょっぱい味付けだが、ごはんにはよく合う。


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 大館から、9時17分発の花輪線経由盛岡行き普通列車に乗る。
 花輪線は大館-好摩間106.9km。私の未乗路線の中では、北海道新幹線(148.8km)に次いで長い。キハ110系2両編成の乗車率は半分以下。ボックスシートを独占して列車に揺られる。意外なことにワンマン運転ではなく、指導の意味合いもあるのか、合わせて4人も乗務員が乗っている。反時計回りに大館市街の外縁を回って農村地帯へ入る。乗客は徐々に減っていき、風景は単調である。


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 大館から約40分、9時58分着の十和田南で5分停車する。行き止まりのスイッチバック式の駅である。この先路線延長の計画があったためだというが、実際にここが分岐駅になったことはなく、今に至っている。中年中心の15人ほどの団体客が乗って来て、列車がふいに賑やかになる。
 5分停車後、元来た方向に向けて発車。すぐに先ほど走ってきた大館からの線路が右にカーブして逃げていく。


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 鹿角市の中心、鹿角花輪を過ぎたあたりから、列車は徐々に県境越えの山の中へと分け入っていく。湯瀬温泉で件の団体客が下車し、車内は再び静かになる。小さいながらもあまたの温泉に恵まれた路線だが、すぐ近くを東北自動車道が並走しており、列車の窓からも、赤や黄色の木がやや色あせた緑の中に点在する森の向こうに立派な高架橋の姿をしばしば望むことができる。


 谷あいに開けた小さな集落を縫うように走り、秋田・岩手の県境を越える。松尾八幡平付近でようやく山を抜け、東北自動車道も離れていく。IGRいわて銀河鉄道との接続駅、好摩でようやく乗客が増えはじめて、12時15分、盛岡着。東北本線の普通電車で北上へ移動し、13時40分発の北上線横手行き普通列車に乗り継ぐ。


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 北上線は、1996年から97年にかけて、田沢湖線が秋田新幹線化工事のために運休した際、東北新幹線と秋田を結ぶ代替ルートとして特急列車も走ったことがあるが、現在は純然たるローカル線。花輪線のキハ110系と同じ面構えの車両が走るが、キハ100系と言い、車体長が3mほど短いワンマン運転の1両単行列車である。旅客数の少なさを物語っているが、実際、乗客は20名ほどしか乗っていない。


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 藤根で「East i-D」と呼ばれる試験車両と行き違う。東海道新幹線の「ドクターイエロー」のような存在で、普段滅多にお目にかかることはないので驚くが、周囲の乗客はさほど気に留める様子もない。ここから3駅先の岩沢あたりから周囲は山深くなり、和賀仙人から温泉施設を併設したほっとゆだあたり、錦秋湖の対岸を彩る早めの紅葉を眺めることができる。


 そのほっとゆだで半数の乗客が下車してしまい、車内はさらに閑散。次のゆだ高原から「調査員」の腕章を巻いたJR社員が乗ってくるが、ちょうど県境で最も乗客の少ない区間である。再び秋田県へ入り、乗客はほとんど増えないまま、14時55分、横手に到着した。


 花輪線、北上線はいずれも秋田県と岩手県にまたがって走る地方交通線だが、双方ともほぼ全区間で高速道路が並走しており、鉄道の利用状況は芳しくない。2014年の輸送密度は花輪線403北上線335で、いずれも県境を跨ぐ区間に限定すれば輸送密度は100人台。JR北海道ならば間違いなく「単独維持が困難な区間」の仲間入りである。えてしてこういう路線に限って景色が素晴らしかったり趣味的には楽しめるのは皮肉というほかない。今回の乗り歩きには、この先もこういう路線・区間がたくさん待ち構えている。



 当分の間、続く。



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コメント

私の実家は北上です。
ただ北上川をはさんで反対側ですけどね
高校の同級生は、北上線で通学していました。
私は、一度も列車に乗ったことはありません
温泉には車で行きますから

投稿: 姉さん | 2017/01/09 22:24

こういう路線、いいですねぇ。
私は基本的に、川と並走する線が大好きです♡
好きなのは電車か・・・はたまた水か!?(笑)

投稿: 瑠璃 | 2017/01/10 21:26

 姉さんさん、いつもありがとうございます。
 ご実家、北上だったのですね。「北上夜曲」がすぐに思い出されます。
 これだけ道路状況がよくなってしまうとお出掛けに鉄道という選択肢は少なくなりますね。特に家族でのお出掛けだと、経済的にも車の方が優位になります。便数が減って使いにくくなる鉄道の利用者は学生とわずかな高齢者。これが地方の鉄道の現実だと思います。

投稿: いかさま | 2017/01/12 00:16

 瑠璃さん、いつもありがとうございます。
 川のある風景、私も大好きです。古い鉄道路線だと、川や山など自然の地形に逆らわずに線路が引かれているので、川の流れに沿って右に左にと列車が進路を変えます。スピード重視の現在では橋やトンネルでぶち抜いてしまいますが、風景には雲泥の差があります。
 瑠璃さんも電車がお好きということで(笑)

投稿: いかさま | 2017/01/12 00:22

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