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2017/03/27

北海道新幹線、満1歳の成績表

 昨年3月26日、北海道民の夢を背負って北海道新幹線・新青森-新函館北斗間が開業してから、ちょうど1年が経過した。


 26日JR北海道が発表した、開業から1年間の平均乗車率は32%。1日平均の利用客数は約6,300人で、当初目標の5,000人(平均乗車率26%)を3割ほど上回ったとしている。在来線として運行されていた前年度からの比較では7割増と、新幹線開業効果としては間違いなく出ていると言える。


 JR北海道は、平均乗車率26%を前提に、北海道新幹線の収支を年間約48億円の赤字と試算していた。仮に北海道新幹線の旅客運賃・料金の客単価を5,000円とすると、乗客数が想定を1,300人上回ったことで、1日当たりの増収額は650万円。単純計算でも1年で23億円の増収となり、費用の増加を差し引いても赤字圧縮にかなりの貢献をするのは間違いない。


 ただ、この1日当たり6,300人という数字。仮に全ての旅客が新青森-新函館北斗間を通し利用したとすると、輸送密度は6,300人/km/日。この数字は在来線の区分で言うと地方交通線レベル、すなわち単独での収支均衡が困難な区間に相当する。当然ながら新幹線区間の中ではぶっちぎりの最下位で、いわゆる「ミニ新幹線」区間の秋田新幹線(盛岡-大曲)をも下回る。


 JR北海道の過去のプレスリリースによると、3月26日~9月25日、開業後半年間の成績は、1日平均利用客数7,800人、平均乗車率39%であった。この数字を差し引くと、9月26日~2月28日の約5か月間の成績は、1日平均4,900人、乗車率は推計で25%程度となり、想定を下回る推移である。
 この期間には年末年始の帰省ラッシュも含まれるが、12月28日~1月5日の1日平均利用客数は6,678人で、開業後半年間の平均値にも遠く及ばない


 1月には単月の平均乗車率は19%まで下がっている。また3月16日にJR北海道が公表した2月末までの利用実績と今日の発表内容を照らし合わせて検証すると、1月以降、1日当たりの利用客数は4,000人を割り込んでいると思われる。この時期はもともと鉄道の利用者数が低迷する時期ではあるが、開業ご祝儀はほぼ去ったと考えて間違いない。しかもこの数字は、国鉄の第3次特定地方交通線に相当する。


 現在経営再建に向けたスリム化の途上にあるJR北海道だが、旅客単価も運行経費も高い北海道新幹線の成績がJR北海道の今後を左右するのもまた事実だろう。
 しかしながら、ここまでの数字を見る限り、北海道新幹線の置かれた状況は厳しい。札幌まで開業する2030年度には状況が好転する可能性もなくはないが、青函トンネル内でのスピードアップの目途が立たなければ、航空機との間での劇的なシェア移動は期待できない。当面は函館から道南地区を目指す観光客を主たるターゲットとした利用促進策を講じていくより他ない。かなり厳しい戦いが続くように思うのは私だけだろうか。


【参考記事】
北海道新幹線に思うこと【その1】 【その2】 【その3】
2016年3月JRダイヤ改正【1】北海道新幹線への不安
北海道の鉄道新時代へ~北海道新幹線開業
北海道新幹線 1週間の成績表
北海道新幹線 連休中の利用状況とJR北海道決算



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