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2017/03/05

2016年秋・東北乗り歩き【14】昭和の残り香・その2~力餅売りと飯坂線の駅

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 赤湯へ引き返して奥羽本線の普通列車で米沢へ。さらに普通列車に乗り継いで福島へと向かう。どちらの列車も719系電車の2両編成だが、前者はワンマン、後者は車掌が乗務していて、車内改札もおこなわれた。電車の面構えはJR発足のころ流行したブラックフェイスで、同じ顔つきの車両は全国に存在する。座席の配置が独特な電車の、前方が大きく見渡せる最前部に陣取るが、米沢発車後1駅であっさりとカーテンを下ろされる


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 山形と福島の県境を越えるこの区間は、かつては4駅連続スイッチバック駅が存在した急勾配区間。車窓がこころもち傾いているのがはっきりとわかる。米沢から3つ目、峠駅が近づくと私はドアの近くに立った。スノーシェルターに覆われた峠駅の狭いホームに、昨今ではめっきりお目にかからなくなった駅弁立売りの姿を見つけ、ドアが開くのとともに猛ダッシュ。めでたく当駅名物「峠の力餅」を入手し、電車に転がり込むとほどなく発車。何とか間に合った。


Dscn6049  営業元の「峠の茶屋」のホームページによると、「峠の力餅」の販売開始は1901年というから、歴史は115年。私は初めてこの区間を通った1995年にもこの力餅を求めるべく、今回と同様の動きを取ったが、昼過ぎの時間帯だというのに売り子の姿はなく、空振りに終わった。21年ぶりのリベンジ成功である。1折1,000円ちょうどの力餅のふたを開けると、大福餅が10個。さっそく1個いただく。甘い餡を包む餅はやわらかく、シンプルな味だが、おいしい。
 駅に売り子が立つのは昼間の時間帯に停車する3往復、6本の普通電車の停車時だけだという。ホームにはカメラを構えた人や、私と同じように力餅を買い求める人の姿も多くみられたが、残念ながらその多くは列車の客ではなく、車で乗り付けた人々のようである。
 

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 2つ、3つと餅にかぶりつく間に、13時54分、福島着。JRの立派な駅ビルを出て左手へ進み、福島交通飯坂線の電車乗り場へ移動する。古びたアーケード、そこから続く乗り場への道、そしてステンレス製のラッチが鎮座する改札と、なんとも昭和の雰囲気が漂っている。


Dscn6059  窓口で、飯坂線とこれから乗る予定の阿武隈急行のフリー乗車券に飯坂温泉の日帰り入浴券がついて1,500円の「飯坂温泉日帰りきっぷ」を購入し、14時15分発の電車に乗る。東急からお輿入れした2両編成の電車は、座席がほぼ埋まる乗り具合である。
 きっぷに添えられた日帰り温泉マップを眺めていると、隣席のおばさんに声を掛けられた。地元の方だったので、駅から近くてよい温泉を教えてもらおうとマップを見せると、話をずいぶん遠回りさせ、要所要所に「M屋だけはやめた方がいい」と挟みながら、2軒ほどの名前を挙げてくれた。こちらは相槌を打つだけでも忙しく、車窓を眺めている余裕もない


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 終点の飯坂温泉駅までは23分。降り立ってみると、ホームに置かれたベンチや、福島駅同様の改札ラッチが昭和の駅風景を思い出させる。改札を抜けると、天井から吊るされた案内表示も、昭和後期の国鉄駅でよく見かけたものと同じ。今や見る機会も少なくなったが、なんとも懐かしい気分になる。そういえば今回の旅は、龍飛館に始まり黒石の街並み、弘南鉄道の駅や電車、いたるところで見かけた木造の古びた駅舎など、昭和の残り香がいたるところに感じられた4日間だったように思う。



 もう少し、続く。



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コメント

福島までおいでになったのですね。
『峠の力餅』はたまに食べたくなるので車で買いに行きます。
飯坂線7000系もまもなく引退し、東急1000系に置き換えられます。

投稿: しゅうちゃん | 2017/03/06 21:40

 しゅうちゃんさん、コメントありがとうございます。
 私にとって初めての、そして21年ぶりのリベンジになる「峠の力餅」は格別の味でした。ただ、わずか数十秒の停車時間にホームへ出て買うのは勇気がいりますね(笑)
 飯坂温泉からの帰りの電車からは、まだお化粧前の真っ白な顔で出番を待つ1000系の姿も見えました。中古車とは言いながら世代交代が進んでいきますね。

投稿: いかさま | 2017/03/08 22:17

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