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2017/09/20

2009年世界の旅【78】オランダ(6) 日本語・日本食・日本への思い

これまでの経過は ⇒こちら。


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 アムステルダムの街を歩いていると、日本語に接する機会が意外と多い。だがその多くはアムステルダムを訪れる日本人観光客を当てにしたものと思われ、残念ながらどうにも印象がよろしくない。飾り窓地帯の中にあるエロビデオ屋の看板に堂々と日本語が書かれているのを見ると、どうにも残念な気分になる。中華料理屋の店先のメニューに「ワソタソスープ?」などと控えめに書かれている文字を見れば、ナイツの漫才かよ、と思わず突っ込みたくもなる。日本人コミュニティが確立しているデュッセルドルフとは雲泥の差がある。


 けれどもそんなアムステルダムにも、日本企業の出先や現地法人が少なからず存在するわけで、J君のように居を構えて勤務している日本人も多い。そういう人たちが集まる地域が小さいながらも存在しており、日本人向けの食事や商品を提供する店もある。


Pa313840 以前の記事でも書いたが、J君が住んでいるアムステルフェンという地区はそういう場所のひとつである。土曜日の昼、ザーンセ・スカンスへのドライブの後連れて行ってくれたショッピングモールには、日本人向けの商店や書店、日本料理店が点在している。そのうちの1軒、お好み焼き屋「いし井」で昼食をとった。
 ショッピングモールの外に面した小さな店だが、小上がりがしつらえてあり、そこに座って豚玉やモダン焼きを堪能した。豚玉1枚が11ユーロというから、日本の倍の値段だが、味の方は日本のそれと変わらずおいしかった。


 日曜日の夜は、アムステルダム最大の展示場施設、ライ(Rai)国際展示場の近くにある、 「博多せん八」という名の居酒屋でJ君との最後の夕食をとった。店の中へ入ると、木の風合いが暖かい店内には日本の歌謡曲が流れている。棚には日本の酒が並び、日本のビールのポスターも貼られている。
 乾杯し、焼き鳥をつまんでいると、どうかすると日本にいるような感覚になる。開店直後で空いていた店には、ひと組、ふた組と客が現れ、店内は次第に賑やかになっていった。


 学生時代から純粋で人懐こく、またオーストラリアで半年間過ごした経験を持つJ君だが、駐在で昨年アムステルダムに来た当初は、現地人ばかりのスタッフとの意思疎通に大変苦労をしたらしい。前年、郊外のイタリア料理店で食事を共にした時、彼と「家族」について議論になったことがある。お互い微妙に意見は噛み合わなかった。常に家に帰れば家族がいるという生活が日常である私と、家族を思いながらひとりヨーロッパで仕事をする彼とでは、感じる家族の重み、あるいは存在感もまた違ったであろうことは想像に難くない。


 今年、1年ぶりに向かい合ってゆっくりと話をした君は、昨年よりもいくぶん気持ちに余裕ができたように見受けられた。駐在1年半が経過して慣れたこともあるのだろうし、この1年の間に新しい家族がまたひとり増えたことも大きいのだろうと思う。来年の春になると、その家族がオランダにやって来て、4人でのオランダ暮らしが始まると彼は言った。これも遠い異国でひとりこれまで過ごしてきた彼にとっては無上の喜びだろう。私は我が事のようにうれしく感じた。


 2時間余りをそこで過ごし、代金は67ユーロ、約9,000円。酒をあまり飲んでいないことを考えても、手頃な料金である。ホテルまで送ってくれたJ君に感謝の意を告げ、別れる。別れ際に、また来るよ、と言ったような気もするが、その当てはない。むしろ、2年続けてここに来ることができた、そのこと自体が奇跡的ではある


 延々と、続く。


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