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2017/10/25

2017年秋 北陸・東海乗り歩き【3】 北陸新幹線に翻弄された2つの第三セクター鉄道

これまでの経過は ⇒こちら


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 国境の長いトンネルを抜けると、窓の外に雨が当たった。長岡行きの普通電車を六日町で降り、北越急行ほくほく線の電車に乗り換える。ここは初乗り区間である。たった1両の電車は「ゆめぞら」のヘッドマークを付けており、日曜日になると天井に様々な映像を映し出すらしいが、生憎今日は木曜日である。転換クロスシートの並んだ快適な車内に乗客は5~6人ほどとまばらで寂しい。


 ほくほく線は、国鉄再建法により工事が凍結された北越北線を引き継ぎ、第三セクター、北越急行により、1997年に開業した路線である。北陸新幹線の開通めどが立たない中、東京と北陸を結ぶ短絡線として高規格で建設され、越後湯沢で上越新幹線と接続する特急「はくたか」が頻繁に行き交った。
 しかし、2015年の北陸新幹線金沢開業により、「はくたか」は全廃、後にはローカル輸送だけが残された。これまでの収益を積み立てたことで、今後30年程度の運営は可能だというが、沿線人口は少なく、厳しい環境に置かれることは間違いないとみられる。


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 前方を眺めていると、立派なコンクリートの道床が伸びている。カーブも緩やかで、何しろトンネルが多い。この路線を「はくたか」は最高時速160kmで快走した。現在、普通列車の最高時速は110kmに抑えられているが、犀潟までの59.5kmを57分と地方ローカル線としては破格の速さで、乗り心地もすこぶるよい。ただ残念なことに乗客は一向に増えず、十日町、まつだい、ほくほく大島あたりで1~2人が入れ替わった程度で、終始空いていた。


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 犀潟で30分ほどの待ち合わせののち、JR信越本線直江津行き普通列車に乗る。色は塗り替えられ、座席も新しいものに取り換えられているが、国鉄時代に製造された115系電車である。もうロートルの域に入る車両だが、なんとなく落ち着いた気分になる。直江津までわずか2駅、8分の乗車が残念に思える。


Dscn6522  直江津からは、12時44分発のえちごトキめき鉄道・妙高はねうまラインの妙高高原行き普通列車に乗り換え。ET127形と呼ばれる電車はJRから譲り受けた車両である。2両編成の車内は、ロングシートの座席が6割方埋まっており、途中駅での入れ替わりも多い。直江津、高田、新井とまとまった街が続くこともあるのだろう。それでもこちらも北陸新幹線の開業に伴い、並行在来線としてJR東日本から分離された第三セクター路線である。


 ここはもう25年前に乗車済みであるが、新幹線上越妙高駅が設置されるにあたり、在来線との乗換駅とするため、旧脇野田駅付近の路線が西側に120m移設された。営業キロは変わっておらず、わざわざ乗り直すほどのことでもないのだが、近くまで来ていることだし、様子だけは眺めておきたい。とは言っても、元の風景をしっかり覚えているわけでもない。


Dscn6525  南高田の先で住宅街が途切れると、線路がやや右へカーブしていく。元線路らしき路盤が分かれていくが、周囲の農地に溶け込んでわかりにくい。高架をくぐって新幹線の西側に回り込み、上越妙高に着く。上越妙高駅の駅前広場付近にあったらしい旧脇野田駅も、元の線路の跡も、造成工事が進んでおり、痕跡はわからない。
 次の北新井で下車。200mほど離れて並走する国道にはショッピングセンターやコンビニなどが並び、車の行き来も多いが、駅の周囲は住宅も少なく、すぐ近くのパチンコ店だけがアンバランスに大きい。


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 上り列車で直江津に引き返し、同じ並行在来線分離路線のえちごトキめき鉄道・日本海ひすいラインの泊行き普通列車に乗る。一見電車かと見まがう真新しい車両はディーゼルカーで、たったの1両編成。電化区間だが、県境を越える路線で乗客も少なく、運行コストを削減するための施策らしい。ここもかつては日本海縦貫線の一翼を担う区間だったのだが、ローカル輸送の厳しさを物語っている。北越急行といいえちごトキめき鉄道といい、特急列車による都市間輸送の需要を失った鉄道の未来は、厳しい。


 続く。



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コメント

いつも私の旅&鉄道の参考書にさせていただいてる
いかさまさんの旅行記ですが・・・m(_ _)m
今回のほくほく線、以前鉄道番組で知って気にはなっていましたが…あ~またいかさまさんが誘惑の撒き餌を
私に(;´▽`A`` 
また食いついてしまい??コメントさせて
いただきました(゚▽゚*)
つづきも楽しみですが…撒き餌にすぐに食いついて
私も旅に出かけてしまうかも…
影響力ありすぎです(v^ー゜)

投稿: ゆきぱんだ | 2017/10/25 06:57

こんにちは いかさまさん
以前、金沢に住んだことがあるので、東京出張等で「はくたか」には随分とお世話になりました。特に、金沢行き最終電車には、越後湯沢の駅を小走りで、何度も乗り換えたものです。北陸新幹線開通で、このようなことになることは予想できましたが、東京一極集中に振り回される地方の典型的な例ですね。

投稿: Khaaw | 2017/10/29 20:30

 ゆきぱんださん、いつもありがとうございます。
 ほくほく線の「ゆめぞら」はけっこう話題になっていましたね。沿線人口も少なく、苦戦が伝えられるほくほく線ですが、ぜひ一度訪れてみてください。
 ゆきぱんださんには申し訳ないのですが、撒き餌というよりはポケットの穴からポロポロとこぼれた小ネタに食いついてくださるゆきぱんださんのような方がいらっしゃると、私も俄然やる気が出てきます(笑)

投稿: いかさま | 2017/10/29 23:20

 Khaawさん、いつもありがとうございます。
 ほくほく線は東京への一極集中もさることながら、凍結と解除を繰り返した整備新幹線建設工事に振り回された典型例とも言えますね。
 この会社は北陸新幹線開通後の状況を想定して、インフラの整備と利益の積み立てを進めて、特急亡き後も運行を維持できる準備をしていたそうです。頭が下がる思いですね。

投稿: いかさま | 2017/10/29 23:24

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