« 2017年秋 北陸・東海乗り歩き【3】 北陸新幹線に翻弄された2つの第三セクター鉄道 | トップページ | 2017年秋 北陸・東海乗り歩き【5】 扇沢駅の名物ヒラ社員 »

2017/10/29

2017年秋 北陸・東海乗り歩き【4】 大糸線と信濃大町の夜

これまでの経過は ⇒こちら


Dscn6535 Dscn6537 
 糸魚川からは15時14分発の大糸線、南小谷行き普通列車に乗る。
 大糸線に乗車するのは、高校2年生の夏、友人との3人旅以来である。キハ120形ディーゼルカー1両の車内はほどよく空いており、ボックスシートに足を投げ出してのんびりと揺られる。姫川に沿って山の中を走る線路は、過去何度も雨や地震などの災害で不通になった経歴を持つ。カーブが多く、川面と線路の高低差が少ない。軽快なディーゼルカーも能力を持て余したようにのんびりと走っていく。


Dscn6544 Dscn6549
 およそ1時間で到着した南小谷で、ホームの反対側に停車していた信濃大町行き普通列車に乗り換え。ここからJR東日本の路線になり、電化区間となる。通路を挟んでロングシートとボックスシートが並ぶ風変わりなE127系電車2両の車内は、ここまで乗って来た列車ほどではないが、やはり空いている。電化路線になったものの、相変わらず線形は悪く、列車はのんびりと走っていく。


 南小谷から信濃大町にかけては、スキー場が多い。信濃森上、白馬など、優等列車の起終点駅として聞き馴染みのある駅が続くが、乗客の動きは少なく、ひっそりしている。
 東神城から信濃木崎にかけては、右手に仁科三湖と総称される三つの湖を望みながら走る。ヤナバスキー場前臨時駅あたりは、線路を挟んで青木湖とスキー場が向かい合う。湖を望みながらゲレンデを滑降するなどさぞかし楽しい光景だろうと思うのだが、のちに調べると昨年から営業休止となっている。主たる用途を失った臨時駅の行く末も気にかかる。


 小さな中綱湖を経てしばらく走り、最後の木崎湖の周りには公園やキャンプ場も見える。いずれにしても季節外れで人の姿は少ない。松本-南小谷間のいわゆる「大糸南線」には、特急列車や臨時スキー列車が多く乗り入れていたが、糸魚川側からの乗り入れ列車はここしばらく設定されておらず、松本側からの列車も往年に比べると本数は減ったように思う。スキー人口自体も減少傾向だと聞くし、スキーにせよキャンプにせよ、今やアクセスの中心は自動車である。


Dscn6555 Dscn6557 
 17時15分、信濃大町着。多くの乗客が反対側に停車している松本行きに乗り継ぐ。私は改札を出て、山小屋風の駅舎を背に、日の暮れかかった道を3分ほど歩き、いかにも由緒ありげな構えの旅館「竹乃家」にチェックインした。
 いたってシンプルなフロントで手続きを済ませて部屋へ入ると、8畳ほどの和室で、トイレもシャワーもないが、体を休めるだけなら十分である。寝る前に入った大浴場は、6〜7人ほどがゆったり入れる浴槽があり、他に客がいないのを幸い、足を伸ばしてゆっくり浸かった。全般に古びているが、清潔感のある宿である。


Dscn6559  部屋に荷物を置いて、夕食と明日の朝食を物色がてら周辺を散歩する。宿から5分足らずのところに大きなスーパーがあるが、まだ18時前で、部屋に引きこもるにはもったいない。
 駅前付近にはアーケード街が伸びている。地方都市にありがちなシャッター街かと思いきや、意外に営業中の店が多い。若者向けの飲食店も目立つ。


Img_2959  「大町名店街」と看板の上がった小路に入ると、昭和の風情がぷんぷんと漂っている。こちらも半数ほどの店は営業中で、高校生や子連れの姿も見える。
 小路の入口近くにあった「ハングリーボックス・ユキ」で、生姜焼き定食を注文。品数、ボリュームともに十分で、700円とコストパフォーマンスも高い。


 食後のコーヒーを200円で追加して、昔ながらの軽食喫茶といった雰囲気のお店で、私の母くらいの年齢でないかと思われる気さくなママさんと少しお話しした。
 45年ほど大町名店街で営業しているそうで、しばらく前まではシャッター街と化す寸前だったとのこと。その後、市のバックアップもあり、地元のみならず大阪からの移住者が店を開くなど、少しずつ活気が戻ってきているという。こうした人たちが核となって、名店街の活性化に積極的に取り組んでいるらしい。立山黒部アルペンルートという観光地を控えた地の利もあるのだろうが、観光客にも評判や良いそうである。


 「私は長いことここでやってるからわからないんですけどね」
 ママさんは淡々とそう語ってくれたが、その表情がどこか嬉しそうだったのがとても印象に残った。



 続く。



ランキング参加中です。みなさまの「クリック」が明日への糧になります。よろしかったら、ポチっとな

にほんブログ村 鉄道ブログへ にほんブログ村 鉄道ブログ 鉄道旅行へ  鉄道コム

 

|

« 2017年秋 北陸・東海乗り歩き【3】 北陸新幹線に翻弄された2つの第三セクター鉄道 | トップページ | 2017年秋 北陸・東海乗り歩き【5】 扇沢駅の名物ヒラ社員 »

鉄道の旅人」カテゴリの記事

コメント

いかさまさんの旅に影響うけて
いつもいかさまさんのこぼれ餌に食いついてしまう??私なのですが(汗)今回の記事は大糸線・大町は私の
地元長野県ですから庭みたいな??(*^-^)もので
食いつかないぞ~って思っていましたが
お食事されたのが・・・ユキ・・・??う~ん知らない(゚ー゚;
名前からしてまたいかさまさんの
こぼれ餌にいとも簡単に食いついてしまい課題山積み
まさか??長野ネタに食いついてしまうとは…(゚ー゚;
さすが…です。
こぼれ餌でも??とても楽しみにしていますm(_ _)m

投稿: ゆきぱんだ | 2017/10/30 03:41

昨年12月23日に通った時は18きっぷシーズンや帰省のせいか席が埋まるほどには混んでいましたけど、シーズンオフは空いているかもしれませんね。シュプール号でスキーに行っていたころを思い出しました。ちなみに信濃大町駅で降りると昭和軒のソースカツ丼を食べながら美味しんぼを読むのが定番です。

投稿: かわうそくん | 2017/10/30 19:40

いかかさまこんばんは。季節の代わりは早かですね。
そちらは雪便りが聞こえてきますが、雪降ってますか。
熊本も台風一過明日から寒くなりそうです。
北海道は長い冬を迎える季節ですので体調に気を付けて、お仕事頑張ってください。(◎´∀`)ノ

投稿: mitakeya | 2017/10/30 20:03

姫川沿いの風景、大好きです!
いかさまさんと同じで乗車するなら糸魚川からイイですね。谷の奥に垣間見える白馬山系・・・スキー場、そうなのですか、佐野坂(青木湖横)・五竜とおみ・白馬・白馬みねかた・岩岳・白馬乗鞍・コルチナ国際、ユーミン流れるゲレンデで滑った頃が懐かしいです^.^/

投稿: キハ58 | 2017/10/31 22:04

 ゆきぱんださん、いつもありがとうございます。
 なんだかブログの更新ごとにゆきぱんださんを吊り上げるのが少しずつ快感になってきました(笑)。殊に地元のネタで食いついていただけると、もうやめられなくなりますね。
 とはいえ私も自分の地元・岐阜の話は知らないことだらけです。いつかゆきぱんださんが私を逆に吊り上げていただけるような展開になったら楽しいですね。

投稿: いかさま | 2017/11/03 00:27

 かわうそくんさん、いつもありがとうございます。
 大糸線というとやはりスキー列車のイメージが強いですね。人口まばらな路線のシーズンオフと言えばこんなものなのかもしれません。
 昭和軒のソースカツ丼は私も興味があったのですが、残念ながらお店は閉まっていました。いつかリベンジですね。

投稿: いかさま | 2017/11/03 00:29

 mitakeyaさん、いつもありがとうございます。
 このところ本当に1年が早く感じていますが、今年も2度ほど雪が舞いました。昨年はそのまま根雪になったのですが、今年は今のところまだ大丈夫そうです。といいながらもきっとあっという間に白の世界になりそうです。
 mitakeyaさんも季節の変化に負けないで健康でお過ごしください。

投稿: いかさま | 2017/11/03 00:31

 キハ58さん、いつもありがとうございます。
 今回は糸魚川方面から入っていきましたが、28年前、初めての大糸線は、松本側から当時の急行「くろよん」で辿りました。直角座席の夜行も過去帳入りして久しいですね。
 そういえばあの当時のスキー場は常にユーミンが流れていましたね。「ダイアモンドダストが消えぬ間に」とか懐かしいですね。

投稿: いかさま | 2017/11/03 00:35

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 2017年秋 北陸・東海乗り歩き【4】 大糸線と信濃大町の夜:

« 2017年秋 北陸・東海乗り歩き【3】 北陸新幹線に翻弄された2つの第三セクター鉄道 | トップページ | 2017年秋 北陸・東海乗り歩き【5】 扇沢駅の名物ヒラ社員 »