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2017/12/04

2017年秋 北陸・東海乗り歩き【13】 黒部峡谷鉄道の旅(2)

 これまでの経過は ⇒こちら


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 欅平駅に到着した列車は、20分ほどで宇奈月に向けて折り返す。普段の私ならばさっさと折り返すところであるが、駅周辺には比較的近い距離に風光明媚なスポットがたくさんあると聞いており、帰りは1本遅い列車を予約してある。それでも余裕時間は50分足らずで、観光客としては失格である。


 一番名の知られているのは、黒部峡谷を大きく見渡せる奥鐘橋で、駅から徒歩10分ほどであるが、観光案内を見るうち、特別名勝・特別天然記念物に指定されているという猿飛峡が気になった。徒歩20分ほどとのことだが、健脚を自任する私ならば行って帰ってくることはできるだろう。私はスマートフォンの地図を頼りに、欅平駅からの坂道を下った。


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 看板に従って黒部川沿いの遊歩道をしばらく歩くと、道幅はどんどん狭くなり、小さなトンネルになった。照明もなく、小さな明り取りの窓から差し込む光を頼りに早足で歩くが、起伏が激しく息切れがする。クマの出没に備えて金属棒で手すりを叩いて歩くように、などという物騒な看板もあり、進むにつれて心細くなってきた。冬期間、雪に閉ざされた鉄道沿いの作業通路を歩く作業員の気持ちがほんの少しわかるような気がする。


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 トンネルを何本かくぐり、足元の悪い遊歩道を上下左右にくねくねと歩く。振り返ると貧弱な遊歩道とトンネルの姿も見える。ほとほと嫌になりかけた頃、小さな展望台に着いた。ここが猿飛峡らしい。両側に山が迫る峡谷の川幅は確かに狭く、猿が飛び越えたという名の由来も納得できる。この遥か上流に大量の水を湛えた黒部ダムがあるとは思えないほどである。川の水は深く蒼く、木々の間から降る日の光が神秘的な絶景である。


 だが、あまり悠長に景色を眺めているわけにもいかない。欅平からここまで、私の足でも10分強を要している。しかも帰りは上り坂が多い。また速足で引き返すが、足が張っているのがわかる。土合駅、黒部ダム、そして猿飛峡と、足を酷使する場面が今回は多い


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 欅平駅に帰り着いたのは9時20分頃で、もう奥鐘橋を眺めに行く余裕はない。私は駅のベンチに座り込んで休憩を取り、9時37分発の宇奈月行き列車で折り返した。前寄りに6両の特別客車、後ろに7両の普通客車をつないでいる。私は7号車の普通客車に乗る。遊園地の豆汽車のような客車はドアも窓もなくオープンだが、汗ばむほど運動をした私にはちょうどよい。


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 帰りの列車は途中駅で頻繁に行き違いをおこなう。まずは小屋平で短い列車とすれ違う。この列車は時刻表に乗っておらず、関西電力の専用列車である。1両に数人、作業員が乗っているのが見えた。
 さらに鐘釣、猫又、出平と続けて一般列車と行き違う。このくらいの時間帯になると欅平行きの乗客は多く、特に普通客車はほぼ満席に近い。こちらはガラガラである。


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 笹平でも行き違いのため5分ほど停車。関西電力の専用駅だが、広いホームにはトイレや喫煙コーナーがある。ホームに降りてもよいとのことで、狭い車内から外へ出て、タバコを吸いながら背伸びをする。ややあってやはり満員の客を乗せた一般列車が、ホームのない川側の線路をゆっくり通り過ぎていく。


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 行き違い設備のない黒薙以外のすべての駅で行き違いを繰り返し、1時間22分かけて、10時59分、宇奈月に到着した。富山地鉄の電車まで少し時間があったので、駅近くの山彦橋まで散歩する。以前は列車が走っていた橋で、対岸のトンネルにその面影が残る。この橋から、現在列車が走る新山彦橋を見上げると、はるか高くに架かる赤い橋を、宇奈月11時06分発のトロッコ列車がのんびりと渡っていった。


 ちなみに黒部峡谷鉄道は、6月30日未明からの豪雨により、7月9日まで全面運休となっていた。被害が比較的軽微だったため、10日に宇奈月-笹平、15日には全線で運転を再開した。山岳地帯を走る風光明媚な路線では、しばしばこうした災害に襲われる。
 私はこの出来事をつい最近まで全く把握していなかった、3年前に同じ理由で静岡県の大井川鐡道井川線に乗り損ねており、反省も学習もないこと甚だしい。今回の行程に影響がなかったことに今更ながら安堵したのであるが、実は今回の旅行では思わぬところで「やらかして」いる。それについては、また後日。


 続く。

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コメント

気の利いたコメントを…と読み返す度に
「やらかしている」の一文が脳裏から離れず
(;´▽`A`` そのやらかしとやらが
次回なのか…もっと後なのか…(゚ー゚;気になって眠れない
(;ω;)いかさまさんの話術にはまっています(汗)
続き楽しみにしていますm(_ _)m

投稿: ゆきぱんだ | 2017/12/05 02:14

いやー、素晴らしいレポ、拝見できて嬉しいです。
この鉄道なしでは出会ない風景なのですから。
私はタバコ吸わないのでわからないのですが、こういういっぷくはいかがですか?^.^/

投稿: キハ58 | 2017/12/05 22:52

 ゆきぱんださん、いつもありがとうございます。
 今回も術中にはまっていただき感謝です(笑)
 今の段階で申し上げるわけにはいきませんが、この後、おいおい明らかになっていくことと思います。まあ、大した話ではないので、詳細が判明した際のゆきぱんださんのリアクションが、多少怖くもあります。

投稿: いかさま | 2017/12/07 22:26

 キハ58さん、いつもありがとうございます。
 確かに、この鉄道がなければ絶対に出会うことのない風景でした。感謝ですね。
 タバコは正直言うとやめたくて仕方がないのですが、禁煙と喫煙を繰り返しながら現在に至っています。小さな灰皿を何人かで囲んで吸う、そんな肩身の狭い思いをするのなら思い切ってやめれば、と、他人事のようにいつも思うのです(笑)

投稿: いかさま | 2017/12/07 22:30

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