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2017/12/11

2017年秋 北陸・東海乗り歩き【15】 もうひとつのLRT~万葉線

これまでの経過は ⇒こちら


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 富山ライトレールの終点、岩瀬浜駅前からは、富山市の西隣、射水市が運行するコミュニティーバス17系統に乗る。土曜・休日だけ運行される路線である。国道415号線を走り、古い住宅街に入って、新港東口で下車。岩瀬浜から25分ほどである。富山新港の東岸にあたり、対岸の越ノ潟へ向かう富山県営渡船の堀岡発着所に隣接している。小さな発着所に人影は少ない。


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 小さな渡船は6人ほどの乗客を乗せて、14時19分に出航。堀岡発着所をバックで出てすぐに切り返し、右手に新湊大橋を見ながら進む。2012年に開通した新湊大橋にも自転車・歩行者道が整備され、渡船の存在意義は薄れつつあるが、橋を通るためにはかなり大回りする必要もあり、便数を減らしながらも渡船の運航は続いている。
 対岸の越ノ潟発着所まではわずか5分。運賃は無料である。越ノ潟の古びた発着所のすぐ向かいに、真っ赤な塗装も鮮やかな万葉線の電車が乗客を待っていた。


Image1  高岡駅-越ノ潟を結ぶ万葉線は、高岡駅-六渡寺の軌道線、六渡寺-越ノ潟の鉄道線から成る。いずれもかつて富山地方鉄道の路線であったが、軌道線は1959年に加越能鉄道に分離・譲渡された。六渡寺-越ノ潟は富山地方鉄道射水線の一部として、堀岡を経由して富山市内へ直通運転されていた。
 1966年、富山新港建設により分断された射水線は、越ノ潟以西が加越能鉄道に譲渡され、新港東口以東の運転となる。廃止された越ノ潟-新港東口の代替として運航開始したのが富山県営渡船である。加越能鉄道は第三セクター化により万葉線となり、射水線は利用客減少のため1980年に廃止された。大都市側が廃止となり、小都市側が残ったことになる。


 万葉線とて利用客の減少は同じであるが、15分間隔の頻繁運転、6編成の低床型電車導入などさまざまな積極策を打っている。土曜・休日に限り、地元出身の落語家、立川志の輔の声でおこなわれる車内放送もそのひとつで、駅案内に続いて、「この辺りは私が子供の頃によく来た辺りでして…」などと続く。どうかすると次の駅のホームに滑り込むまで喋りが続き、沿線案内というよりは生い立ち語りの新作落語のようである。


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 真新しい低床型電車には気の毒なほど貧弱な線路の上を走る。能町口の先でJR氷見線を乗り越え、万葉線の本社のある米島口からは道路の上を走っていく。すでに高岡の市街地に入っており、乗客の乗り降りも多くなる。途中で「ドラえもん」のイラストをまとった青い電車とすれ違った。高岡市は藤子・F・不二雄の出身地である。


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 高岡駅ビルの下に潜り込んで、終点の高岡駅到着。運賃は350円であるが、北陸新幹線の乗車券を持っていると、100円で利用できる「北陸新幹線乗継利用券」をもらえる。これも万葉線ホームページの「お知らせ」にひっそりと掲載されていることに、電車の掲示を見るまで気付かなかった。利用促進策の一環で、私のごとき通りすがりの旅人が恩恵にあずかるのは恐縮だが、こうしたさまざまな施策が万葉線を徳俵で踏みとどまらせているのだろう。


 全県合わせても人口が仙台市ほどしかない富山県に、路面電車を含めてかくも多くの鉄道路線が張り巡らされていることは驚くべきことである。中核市の富山市や、県内第2の高岡市も人口は減少傾向にあり、今後も厳しい経営が予想されるが、富山地鉄も万葉線も、いつまでも地元の足として活躍してほしいと願わずにはいられない。


 続く。


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コメント

富山は北陸に行くときに必ず立ち寄るのですが
その時は車で山国出身なので海辺の鮮魚・カニに集中で…(汗)
こんなに交通網があるとは知りませんでした(゚▽゚*)
鉄道だとかがやきで富山で下車は
しなかったので…
富山は日本最古の水族館・魚津水族館やカニ…
結構好きな県なのでまたいかさまさんの鉄道旅を
参考にさせていただこうかな
本当は??無料渡し船が気になるところです

投稿: ゆきぱんだ | 2017/12/11 08:09

 ゆきぱんださん、いつもありがとうございます。
 私はいつも電車に乗ることばかり夢中になっていますので、鮮魚・カニに夢中になれたり、水族館などに興味を持って訪れるのも素敵だなあ、なんて思ったりします。
 富山県の人口は約108万人余りで、富山と高岡だけで60万人を占めるそうですが、比較的規模の小さい都市でも鉄道を機能させることは可能なのですね。経営は厳しいようですが。

 無料の渡船は、昼間のせいか利用客もまばらでした。便数も年々減っているようですし、早めに体験された方がいいかもしれませんね。

投稿: いかさま | 2017/12/13 01:40

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