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2018/04/16

JR北海道「維持困難線区」は何処へ【4】根室本線(滝川-富良野-新得)

Furano
 石勝線の千歳空港(現在の南千歳)-追分、新夕張-新得が開業したのは1981年10月のことである。このとき、追分-夕張の夕張線のうち、それまで紅葉山と名乗っていた新夕張までの区間が石勝線に編入されて、札幌と帯広・釧路を結ぶ幹線の一部となった。


 根室本線・滝川-新得の凋落はここから始まった。石勝線の開業前、札幌と帯広・釧路を結ぶ特急・急行のメインルートは滝川・富良野経由だった。石勝線開業を機に、特急「おおぞら」の全3往復と、急行「狩勝」4往復のうち2往復が石勝線経由となった。2往復がかろうじて残った滝川経由の「狩勝」も徐々に縮小されて1990年に廃止、快速列車に格下げとなって、この区間から優等列車が消えた。


1991046  それでも、富良野という道内有数の観光地を抱えていたこの区間では、JR発足後、行楽シーズンを中心に「フラノエクスプレス」などの観光列車を運行するなど旅客獲得に向けた努力も続けられている。
 しかし残念ながら営業成績は精彩を欠いている。石勝線開業直前の1980年度、4,944人/km/日だった輸送密度は、石勝線開業後の1985年度には729人となり、2016年度には滝川-富良野が432人、富良野-新得は154人となっている。


 沿線の自治体のうち、赤平市・芦別市は空知総合振興局に属し、岩見沢・札幌への志向性が高い。富良野市と南富良野町は上川総合振興局管内で、旭川との流動が大きいが、観光客も含めて札幌方面への一定の流動もある。ただし、4市町とも人口は減少傾向にあり、特にかつての産炭地である赤平市・芦別市はここ30年で半減している。


 とはいえ、富良野は、富良野線沿線にある美瑛町と合わせて、雄大な北海道の自然を楽しめる観光地として人気が高い。昨今では中国などからの、いわゆるインバウンド客も増加している。私は仕事で富良野・美瑛周辺を行き来することが多かったが、ドライブインやj観光名所、列車内も含め、時期を問わずどうかすると日本人より中国人の方が多いのではないか、と感じることもしばしばだった。


 インバウンド客は「ジャパン・レール・パス」など割引率の高い外国人専用パスを利用する人が多く、JR北海道の収益への効果は微々たるものかもしれないが、滝川-富良野間の根室本線は、札幌・千歳を基点とした旭川方面への周遊ルートに組み込み、観光列車やフィーダーバスなどと組み合わせたニーズの取り込みは図れるのではないかと思う。
 また、札幌-富良野間には高速バスも1日10往復が運転されており、地元住民も含めて一定の流動があることを示している。JR北海道の示すとおり、地域における負担等も含め、鉄道を残していくための協議は進められてしかるべきだと思う。


Dscn1060  一方、富良野-新得間の状況は厳しい。南富良野町の人口は2,500人あまりしかなく、そのほとんどが富良野を指向している。新得は十勝総合振興局管内に属しており、富良野エリアとの日常的な行き来は限定的である。

 2012年9月、私はこの区間を、当時日本最長時間を走る普通列車だった2429Dで走破したことがある。滝川始発時点から1両きりのディーゼルカーの車内を埋め尽くした内外からの観光客は大挙して富良野で下車。その先は十数人の乗客が残るだけになり、しかもその半数は、最長鈍行列車そのものを目的にやって来た「その筋の人」であった。

 ⇒参考記事 滝川発釧路行き・2429Dの旅(2) 富良野→新得


 加えて、2016年秋の台風被害により、東鹿越-新得(厳密には上落合信号場まで)間は線路がいたるところで損壊して不通になっている。復旧には10億5,000万円を要することから、JRは復旧に消極的で、代替も含めた効率的な交通体系が必要だとしている。
 災害が経営の厳しい鉄道の命脈を断つのは今に始まった話ではないが、行き着くところは金の話である。国も道もその素振りは全く見せない。自治体にしたところで、新得町が関心を示すとは思えず、富良野市と南富良野町だけで負担する力はないだろう。


Img_1528  南富良野町の中心にある幾寅駅。高倉健が主演しヒット作となった映画「鉄道員(ぽっぽや)」の舞台になった駅である。
 駅前にロケで使用されたディーゼルカーのカットモデルが鎮座しているが、現在、本物の列車は発着していない。この駅に再びディーゼルカーのエンジン音が響く日が来る可能性は限りなく低い。


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コメント

やはりいかさまさん(師匠)の口利きで
就農するしかないですね…
ほんと雪と寒さの問題がなければ(u_u。)
すぐにでも実行したい??気持ちは本物なのですが…

投稿: ゆきぱんだ | 2018/04/17 16:05

 ゆきぱんださん、いつもありがとうございます。
 どこかに農業やりたいっていう若い方がどちゃーっといらっしゃらないですかね。日本の食を守り、鉄路を守る。北海道にとってはこれ以上ない存在で称賛されること請け合いなんですが(笑)

投稿: いかさま | 2018/04/18 23:53

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