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2018/05/01

2009年世界の旅【88】ユーロスターでフランスへ

 これまでの経過は ⇒こちら。


 11月7日、土曜日。ホテルをチェックアウトし、オックスフォード・ストリートに面したバス停で何度も系統番号と経路を確認してから、10系統、キングス・クロス(King’s Cross)駅行きのバスに乗った。地下鉄の方が確実性は高いが、途中1回の乗り換えが必要になり、重い荷物を持っている身には少々しんどい。2台分のボディをつないだ連節バスは、10分ほどでユーストン(Euston)通りに出て、セント・パンクラス(St Pancras)駅に着いた。


 大英図書館に近いこの一帯には、ロンドンのナショナル・レイルのターミナルのうち3つが近接している。昨年マンチェスターへ行く際に利用した、近代的で平べったい造りのユーストン駅。立派な時計塔を持っているが背丈が低く、武骨なアーケードに囲まれているキングス・クロス駅。そしてロンドンとパリ・ブリュッセルを結ぶ国際特急「ユーロスター(Euro Star)」が発着するセント・パンクラス駅である。


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 本体イングランド中東部への列車のターミナルであるセント・パンクラスは、ひときわ背の高い褐色のゴシック建築の駅舎を擁しており、遠くからでも非常に目立つ。英仏海峡トンネルの開通以来ウォータールー(Waterloo)駅発着だったユーロスターが、ロンドン近郊の高速新線開通とともにセント・パンクラス駅発着に変更されたのは2007年のことである。ユーロスターの発着ターミナルは、ユーストン通りから、そのゴシック駅舎に沿って少し奥へ入った場所にあった。ガラス張りのモダンな新駅舎である。


Pb074196  駅舎の中に入ると、コンコースは広く、自然光を取り入れつつ、控えめに灯された照明が柔らかな高級感を演出している。ヨーロッパ大陸各国と同様、改札口はないが、その代わりに空港と同じような出入国検査場があって、パスポートや乗車チケットのチェックを受ける必要がある。


Pb074197  前年ヨーロッパに来た際、当初予定ではパリからロンドンへ、「ユーロスター」を利用する予定であった。けれども、出発の1か月前に英仏海峡トンネルで車両火災が発生し、「ユーロスター」も運休となったため断念した経過がある。
 1年越しの夢だった「ユーロスター」は、両端の機関車を含めた10両編成の列車が2本連なる、20両の長い編成である。ロンドンとパリという、ヨーロッパの二都を結ぶ特急列車の貫録だろう。1等車の入口には女性係員が立って、チケットのチェックをしている。チケットを見せると、無機質な笑みを浮かべた。


Pb074205  1等車の車内は、淡いベージュを基本にした落ち着いた色合いの雰囲気で、2人掛けと1人掛けのリクライニングシートが通路を挟んで並んでいる。6割ほどの座席が埋まっており、私の座席は、進行方向に向かって右側の1人掛け。幸運なことに進行方向向きの座席である。「ユーロスター・イタリア」もそうだったが、車両の真ん中を境にして座席の向きが変わる「集団見合い式」の座席配置になっている。日本の鉄道と異なり、座席を回転させることができないため、運が悪いと半分の確率で後ろ向きに座らなければならないことになる。


 12時29分、発車。まだ完成して2年の新線のせいか、列車が徐々に高速になっても、大きな揺れはほとんどない。ロンドンの市街地を抜けて10分ほども走るうちに、周囲にはほとんど建物が見えなくなり、牧歌的な風景になった。景色としては単調である。


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 出発して30分ほどすると、飛行機の機内食のような昼食が、私の前に運ばれて来た。私がそれに手をつけようとすると、ちょうど列車がトンネルに突っ込んだ。英仏海峡トンネルである。全長50.5kmの海底トンネルは、青函トンネルよりも数km短いが、海底部分に限って言えば37.9kmと青函トンネルよりも長い。
 このトンネルをくぐり、次に地上に出る時は別の国である。私は軽く興奮した。けれども、その一方で、トンネルの中の景色ほどつまらないものはない。トンネルに入ってしまえば、英仏海峡トンネルも青函トンネルも、ただひたすらコンクリートの壁が続く闇の中であることに変わりはない。このタイミングで食事を運んでくるとは何とも心憎い配慮である。私がそれをゆっくりと食べ終わるとほぼ同時に、列車はトンネルを抜け、フランスの穀倉地帯へと出た。この間、20分強であった。


 延々と、続く。


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コメント

ユーロスターかっこいいです
500系と同じ位の最高速度300㎞/h~ψ(`∇´)ψ高級感~っ
しかも食事付~
食べものネタにすぐ喰いつてしまいます
いかさまさんの祝賀会場はいつ頃どの地になるか??前もってお知らせ下さい(*゚▽゚)ノ国内??最果てでも師匠のお祝いに駆けつける気持ち(??)です!!整理券配布・最後尾プラカード…働かせていただきます(^_-)~☆

投稿: ゆきぱんだ | 2018/05/01 15:56

ご乗車されたんですね!
車内色まで、航空機のようです^.^/

投稿: キハ58 | 2018/05/01 23:16

 ゆきぱんださん、いつもありがとうございます。
 特急列車がビジネスライクになりつつあるのは日本もヨーロッパも同じですが、それでも簡素化されたとはいえこうしたサービスはヨーロッパならではだと思います。日本のグリーン車ではこうはいきませんね。
 祝賀会場、というほど大仰にはなりませんが(笑)、できればひっそりと祝杯を挙げたい気分もありますので、先の予定も含めて今のところどうするかはまだ考え中です。

投稿: いかさま | 2018/05/06 23:26

 キハ58さん、いつもありがとうございます。
 ユーロスターの車内は淡色のシートカラーも相まって、航空機以上に落ち着いた雰囲気を醸し出していました。これがイタリアだともっとビビッドな色遣いをしますし、これもお国柄ですね。

投稿: いかさま | 2018/05/06 23:29

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