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2018/06/07

2009年世界の旅【91】フランス(3) TGVを楽しむ

これまでの経過は ⇒こちら。


Pb084213  翌日朝7時にホテルへ迎えに来たS君とともに、メトロ1号線と4号線の電車を乗り継いで、パリ・モンパルナス(Montparnasse)駅へと着いた。フランス西部へ向かうTGVの起点駅である。
 大柄だがどちらかというと無機的な駅ビルの前に、鉄橋のごときアーチを描いたガラス張りの飾りがアクセントとしてついている。朝7時半のパリは、霧雨模様の天気ともあいまってまだ薄暗く、駅ビル内の照明がぼんやりとこちらを照らしている。


 TGVは、「ユーレイルパス」所持者は安価な「パスホルダー・チケット」を購入することができるが座席数限定。昨日パリ北駅で、行きのチケットは入手できたが、帰りのチケットが入手できなかった。モンパルナス駅の窓口で、再度挑戦してみるが、結局手に入らず、普通にチケットを購入した。それも直通列車は売り切れで、途中のレンヌで乗り換えることになるらしい。行きのパスホルダー・チケット3ユーロに対し、帰りのノーマル・チケットは73.4ユーロと20倍以上の開きがあり、ユーレイル・パスの力を思い知らされる。


 最高時速320kmを誇る世界最速列車、TGVは、日本の新幹線としばしば比較される。だがその間には大きな違いがある。
 それは、新幹線が始発・終着駅を含めて全線を新線として建設し、在来線との互換性がないのに対し、TGVは、駅周辺は在来線を利用し、中間を「LGV」と呼ばれる高速新線で結んでおり、需要の少ない在来線への直通も可能である点である。
 山形や秋田へ直通している「ミニ新幹線」が、仕組み上TGVに近いが、もともと在来線への乗り入れを前提につくられたTGVと、先に新幹線があって後から在来線の規格を合わせたミニ新幹線とはそもそものコンセプトが異なる。


Pb084214  8時05分発のTGV8091列車は、シルバーのボディに青い帯をきりりと締め、ホームで出発を待っていた。両端の動力車を含めて10両編成の列車が2本連なっている姿は、昨日のユーロスターと同様であるが、この列車は途中レンヌ(Renne)で列車が分割される。片方はイギリス海峡に面したサン・マロ(Saint Malo)へ、もう片方はフランス西端に位置するカンペール(Quimper)へと向かう。私たちが乗るのはサン・マロ行きの方である。


Pb084216  2等車の車内へ入ると、2人掛けの座席が、通路を挟んで両側にずらりと並んでいる。残念ながら座席が回転できないのはここも同じで、見ず知らずの客と向かい合わせになる。ユーロスターの1等車では感じなかったが、2等車は4列座席だからだろうか、少し圧迫感を感じる。車両の幅自体も狭いのだろう。日本の新幹線は、レール幅こそTGVと同じだが、あちらは2列+3列の5列を並べても、もっとゆとりがある。


 列車は走り出すと、ビルが並ぶパリの市街を横目にゆっくりと走る。ほどなく地下へもぐり、市街地区間をトンネルで抜ける。再び地上に出るとぐんぐん加速していく。乗り心地は悪くない。雨が本降りになってきたらしく、窓を激しく叩いたかと思うとあっという間に後ろに流れて行った。空も明るくならず、周囲の風景は淡い灰色の中に沈んでいる。


 8時59分に、最初の停車駅、ル・マン(Le Mans)に到着する。自動車の24時間耐久レースで名高い町である。パリからおよそ180km、平均時速は200kmになる。高速新線はここで終わり、列車は在来線に乗り入れる。3分停車ののち発車。相変わらずの曇り空で風景は変化に乏しく、つい居眠りが出る。


 10時20分にレンヌに到着。ル・マンから約180kmである。パリ-ル・マン間より20分ほど余計にかかっているが、それでも平均速度は130kmを超えている。列車はここで分割され、別々の方向へ向かう。3分停車で出発したカンペール行きを見送り、7分停車ののちこちらも発車する。列車は大きく右にカーブし、周囲に建物のまばらな寂しい支線に乗り入れた。どう考えてもローカル線の風情で、列車の歩みも目に見えてゆっくりになる。


Pb084217  およそ30分、10時56分にドル・ドゥ・ブルターニュ(Dol de Bretagne)駅に到着。これから向かうモン・サン・ミッシェルへの最寄り駅であるが、ここまで乗り入れてくるTGVの本数は少なく、レンヌからバス利用が主流のようである。
 なるほど、駅前へ出てみると、世界に冠たるTGVが停車するにはふさわしくない、村の中心駅といった感じの小さな駅である。駅前広場はきっちりと整備されているが、駅前の風景は寂しく、およそ世界遺産への玄関口とは思えない風情であった。



 延々と、続く。


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