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2018/06/26

2009年世界の旅【92】フランス(4) モン・サン・ミッシェルの1日・その1

 これまでの経過は ⇒こちら。


Pb084218  ドル・ドゥ・ブルターニュ駅前の小さな広場に、待つほどもなくモン・サン・ミッシェル行きのバスが入って来た。中型のバスに乗り込む客はわずか6人ほどである。
 どんよりした空の下に広がる、見渡す限り畑という荒涼とした風景の中を30分ほど走ると、ホテルやレストランなどが何軒も並ぶ市街地に入った。バス停で2人ほどの乗客が下車する。観光の拠点になる場所のようである。


 そこを過ぎると、道路の両側に寂寞とした草地が広がる。正面に海が見え、その向こう遠くに白い要塞のような建物が見えてきた。モン・サン・ミッシェル(Mont-Saint-Michel)である。まもなく陸地が尽きるが、バスは海岸線から左カーブを描いて海へ突き出すようにして伸びる道路を走る。海面からの高さがそれほど高くなく、しかも道路の両側には砂州が広がっているから、海と陸の境界線が実際のところどこなのかははっきりしない。


Pb084224_2  モン・サン・ミッシェルの前に広がる駐車場で停まったバスから下車する。振り返ると、湿った砂州の向こう彼方に、先ほど通り過ぎた市街地が見えた。
 今来た道路を歩いて少し引き返し、あらためて遠くからモン・サン・ミッシェルの威容を眺める。建物を囲むように巡らされた城壁の両脇はすぐ水平線になっているから、海の中からゴシック建築が突如浮かび上がったようにも見え、なかなか幻想的である。天気が良ければやや褐色を帯びた白い建物が青空に映えてさぞかし美しいのだろうが、残念ながら曇り空である。


Pb084230 Pb084229 
 巨大なひとつの建物に見えるモン・サン・ミッシェルは、実のところは頂点にそびえる修道院と、その門前町ともいうべき街並みとで構成されている。それが城壁で囲まれてひとつのコミュニティを形成しているというのが正しい姿のようである。実際に人が住んでいる雰囲気の民家も数多くある。
 各国の言葉に並んで、「あんないじょ りょうがえ」と怪しい書体で書かれた看板を横目に見ながら、石畳の細い道を、時計の逆回りに上っていく。道の両側には土産物屋やレストランが並んでいて、何となくお寺や神社の参道を思わせる。やがてそれらの店が尽きると、にわかに坂道が急になった。


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 本体の建物のふもとで入場料を払い、日本語のパンフレットを受け取る。それを眺めながら順路に沿って薄暗い建物の中を歩く。少し上がったところのテラスから、遥か上方の修道院を見上げると、褐色の石の間にところどころ苔むした部分が、長い間風雨にさらされて来た建物の歴史を物語っている。
 振り返るとモン・サン・ミッシェルを取り囲む海が見えた。島の周りは湿った砂浜である。昔は完全に海だったのであろう。百年戦争の折には要塞としての役割を果たし、18世紀末のフランス革命から19世紀半ばまでは国の牢獄として使われていた歴史を持つモン・サン・ミッシェルにはふさわしい立地である。



 「島と陸とを結ぶ道路によって、潮の流れが変わって砂の堆積が加速したんですね。この道路を壊して橋をかけ、潮の流れを確保することで、海に浮かぶモン・サン・ミッシェルを再現しようという工事が行われるそうですよ。」
 S君がそう教えてくれた道路は、私たちが訪れた後ほどなくして撤去工事が始まり、2014年に木造橋が完成した。年に数回の大潮の際には、その橋も海の下となり、モン・サン・ミッシェルは海に浮かぶ孤島となるという。

 延々と、続く。


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