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2018/06/21

シンガポールからのお客様【3】

 これまでのお話、【その1】 【その2】


 シンガポールからやって来た交流団員は、英語と中国語に堪能で、さらに政府が設立したランゲージスクールで、第二外国語として日本語を2~3年学んでいる。
 15日の金曜日に開催されたさよならパーティで、T君以外のシンガポール団員とお話しする機会があった。スキルの差はあるものの、最低限日常会話ができる程度のレベルには達している。私の英語が、中高大と10年間の学習にもかかわらず世界各国でパードゥンをまき散らしてきたのとは雲泥の差がある。まして第二外国語たるフランス語など、ジュテームくらいしか思い出せない。それに比べれば彼らはきわめて優秀である。


 私たちは、T君が寡黙であることを、最初のうち我が家に馴染めていないせいか、あるいはあまり日本語が得意でないせいかだと思っていた。若干その卦があったことは否定できないが、他の団員たちから「T君、もっと喋りなよ」と声を掛けられるレベルだから、シンガポールにいても相当おとなしいようである。我が家にはいないタイプの人間である。
 学校から帰ってきて家で過ごすT君は、たいてい子供部屋でイヤホンを耳に当て、上の坊主と二人、別々にスマートフォンをいじっている。これではいかん、と坊主にご注進に及ぶが、それなりに会話はしているから大丈夫、と言う。少なくとも私はふたりがわいわいと歓談しているのを1度も見ていない。大丈夫かよ、と思う。


 滞在の後半になると、そこに下の坊主が一緒にいることが増えた。上の坊主が習い事で不在の時も、スマートフォンをいじるT君の横に下の坊主がぴったりと密着して、嫁から借りたスマートフォンをいじっていたりする。何をしているのかと覗き込めば、二人で通信ゲームをしていたりする
 普段は仲がいいが時に邪険な扱いをする兄と違い、T君は終始おだやかである。下の坊主自身もシャイなタイプだから、何か通ずるものがあったのかもしれない。スマホを介したつながりも、近頃の子供は、と片付けるのは簡単だが、そういうコミュニケーションツールに慣らされた今の子供たちには彼らなりの流儀があるのだろうと思う。


 さよならパーティでは、我が家と同じように今回シンガポール団員を受け入れている家族の方ともお話しする機会に恵まれた。
 何人かのお父さんの話を伺うと、総じて男子はどちらかというと家ではおとなしく、女子の方が積極的に家族とのコミュニケーションを取っているように思われた。T君の例は多少極端かもしれないが、よくよく考えてみれば中学3年ないし高校1年のお年頃。むしろベタベタと寄ってくる方がどうかしている、と言われればそのとおりである。


もう1回続く。



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日常の旅人」カテゴリの記事

コメント

いかさまさんファミリーもT君もいい体験ができて
良かったですね!!
私は英語が苦手&恐怖症なのに外国行ったり少し暮らした時、(無謀な性格)当然ながら口数少なく?無口なっていましたが…
日常の暮らしを言葉なくても皆さん接して下さり今や井の中の蛙で国内しか行きませんがその時の思い出はかなり鮮明に残っています…いかさまさんご家族皆さまもT君も生涯の良き思い出となることと願っています

投稿: ゆきぱんだ | 2018/06/22 10:08

こんばんはいかさま。
親は気をつかますよね。
ところが子供は子供なりのコミュニケーションを何らかの形で通じ合うものがあるのでしょうね。
なかなかできない生涯の体験の中の一つとして大事にしてください。
子どもさんも一生記憶に残る体験ではないかと思います。

投稿: mitakeya | 2018/06/22 19:21

何か通じるものがある。。。子供はそれがすごく大切だったりするんでしょうねぇ(´ー`*)ウンウン
親御さんにはご苦労様なお役目、本当にご苦労様でした

投稿: と~まの夢 | 2018/06/22 21:20

 ゆきぱんださん、いつもありがとうございます。
 振り返ってみれば私もホームステイ先のホストマザーの前では相当に無口な人間だったはずです。ある種の職業として淡々と受け入れをする彼女たちの気持ちは未だによくわかりませんが、少なくとも家族同然に一緒に生活をする、ということは、私に新たな経験値をもたらしてくれたのは間違いないと思います。
 時間が過ぎて振り返った時に、いい体験だった、とT君が思ってくれることを願っています。

投稿: いかさま | 2018/06/25 01:29

 mitakeyaさん、いつもありがとうございます。
 会話が少ないながらもなんとか拾っていこう、話しかけていこうというところの意識で気疲れをした部分はありますが、少なくともわがままを言わない子だったので、その点では楽だったのかな、と思います。外国へ飛び込んでいく側も、それを受け入れる側も、貴重な体験であることは間違いないですね。
 去り際など、子供たちより私の方が感傷的になっていたのではないかと思います(笑)

投稿: いかさま | 2018/06/25 01:31

 と~まの夢さん、いつもありがとうございます。
 仕事上の重要な報告もLINEで、というようなご時世ですから、密な会話を求めるのは酷かもしれませんね。でも、同じ時間を外国人と共有するというそのこと自体が子供たちにとって斬新な経験であったと思います。手法はさまざまですし、今の時代らしいといえばらしいですよね。

投稿: いかさま | 2018/06/25 01:34

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