« 2018年夏 東北乗り歩きの旅【2】 新設フェリーで三陸へ(2) | トップページ | 2018年夏 東北乗り歩きの旅【4】 釜石線・Ωループで仙人峠越え »

2018/07/19

2018年夏 東北乗り歩きの旅【3】 宮古の朝と山田線

 前回の続き。


Dscn0270
 岸壁からまっすぐ歩いて門を抜けると、その先に防潮堤があった。車道はそこで行き止まりになっており、その脇に雑草に埋もれるようにして細い階段がある。その階段を上って防潮堤の上に達し、反対側の階段を降りると国道45号線に出た。早朝だが車通りは多い。


Dscn0272
 しばらく歩くと閉伊川のたもとに出た。宮古大橋でひと跨ぎにして海岸沿いを北上する国道45号線から左に分かれて、小さな橋を渡る。さらに上流側にはJR山田線の鉄橋が見えた。今日現在、列車はまだ走っていないが、来年には復旧、JR東日本から三陸鉄道に移管されて、8年ぶりに列車が走り始める予定である。


Dscn0274 Dscn0275  
 岸壁からおよそ25分で宮古市街にある、「宮古魚菜市場」へ。おそらく早朝、午前7時で朝食が期待できる、市街地唯一の場所である。ドーム状の屋根を持った建物の下に、10数軒の魚屋、八百屋などが入り、中央の広い空間では、フリーマーケットのようにおばさんたちがそれぞれに野菜を売っていたりする。特に魚の鮮度の良さは見るだけで感じられる。早朝だというのに地元の客の姿もいくらかあり、のんびりと、いい空気が流れている。

Dscn0279
 その魚菜市場の中にある2軒の食堂のうちの1軒、「丼の店 おいかわ」に入り、「宮古海鮮ちらし」を食べる。900円。北海道の味覚に慣らされた私としては感動するほどではないが、私の旅先での朝食としては相当贅沢な部類に入る。


 魚菜市場から宮古駅へはまっすぐに歩いて5、6分。時間潰しに周辺をふらふらしながら駅へ向かう。8時過ぎの駅前にはバスが次々と出入りし、わずかながら高校生の姿も見える。
 駅前には、盛岡行きバス、通称「106急行」の乗り場があった。盛岡と宮古を結ぶ都市間バスで、私がこれから乗ろうとしているJR山田線のライバルである。と言っても、106急行は1日20往復、山田線の直通列車は1日4往復。はなから勝負になっていない。


Dscn0282_2 Dscn0284  
 宮古からの列車は、9時25分発の盛岡行き快速「リアス」。9時15分過ぎに改札が始まり、ホームへ上がると、キハ110系2両編成の列車が待っていた。乗客は全部で20人ほどで、バス1台にも満たない。寂しい旅立ちである。
 この列車を逃すと、次に盛岡まで行ける列車は16時07分までない。苫小牧-八戸航路利用だとこの列車には間に合わない。室蘭-宮古航路の就航が今回の乗り継ぎ旅を可能にした。まさに渡りに船である。


Dscn0290 Dscn0292  
 宮古を出発すると、市街地の中を軽快に走っていく。次の千徳あたりで市街地は尽き、あとは山の中へ入っていく。まだ勾配はきつくなく、助走の印象である。閉伊川と国道106号線が常に線路とつかず離れずで並走する。
 9時41分、最初の停車駅、茂市に着く。乗客の乗り降りはない。かつてここから岩泉線が分岐していた。駅の少し先で山田線は大きく左カーブを描くが、分岐してまっすぐ伸びる線路跡が旧岩泉線である。だが線路は分岐してすぐ先で途切れている。


Yamada Dscn0293
 茂市を出ると、にわかに勾配とカーブがきつくなる。もともと少なかった民家はほとんど見えなくなり、キハ110系の軽快さも影を潜めた。釣り人の姿も見える閉伊川と国道106号線は相変わらずぴたりと並走している。線形の悪さは線路も道路もお互いさまといったところである。
 ただ、国道の方には、時折土砂を積んだダンプが行き交う。盛岡と宮古を結ぶ高規格道路の一部、通称「宮古箱石道路」の建設が進んでおり、開通の暁には106急行はさらにスピードアップするのだろう。その時山田線はますます窮地に追い込まれる。


Dscn0301 Dscn0302  
 2015年12月、土砂崩れによる列車脱線事故が起こった平津戸-松草間を含む川内-上米内間は、昨年11月まで運休が続いていた区間。山深く急なカーブの続く線路をゆっくりと登っていく。
 区界を過ぎるとようやく勾配は緩くなる。次の上米内までの間には浅岸・大志田と2つの駅があったが、2016年に廃止された結果、駅間距離は25.7kmと非常に長くなっている。
 久々に住宅街が広がった上米内で5分停車。宮古行き快速「リアス」と行き違う。あちらも乗車率は同じくらいに見えた。ここから山岸、上盛岡と各駅に停まって少しずつ乗客を拾い、11時34分、終点の盛岡に到着した。乗客の入れ替わりはほとんどなく、宮古からの客はほぼ全員が盛岡まで乗り通した


Dscn0289  JR山田線利用で宮古-盛岡間は、最速2時間5分、運賃は1,940円。対する106急行バスは2時間15分、2,030円。運賃でも所要時間でも若干ながら優位性のある山田線快速はもっと利用されていいように思うが、現実の山田線の輸送密度は186人/km/日。JR北海道で廃止が取り沙汰されている留萌本線と同レベルである。
 本数が少ないから利用客が少ないのか、利用客が少ないから本数が少ないのか。まさに鶏と卵の関係である。道路整備が進んだ時どうなるのか。厳しい環境に置かれたローカル線がここにもあった。


 続く。


ランキング参加中です。みなさまの「クリック」が明日への糧になります。よろしかったら、ポチっとな

にほんブログ村 鉄道ブログへ にほんブログ村 鉄道ブログ 鉄道旅行へ 鉄道コム

|

« 2018年夏 東北乗り歩きの旅【2】 新設フェリーで三陸へ(2) | トップページ | 2018年夏 東北乗り歩きの旅【4】 釜石線・Ωループで仙人峠越え »

鉄道の旅人」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 2018年夏 東北乗り歩きの旅【3】 宮古の朝と山田線:

« 2018年夏 東北乗り歩きの旅【2】 新設フェリーで三陸へ(2) | トップページ | 2018年夏 東北乗り歩きの旅【4】 釜石線・Ωループで仙人峠越え »