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2018/07/22

2018年夏 東北乗り歩きの旅【4】 釜石線・Ωループで仙人峠越え

 前回の続き


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 盛岡では9分の乗り継ぎで、釜石行き快速「はまゆり3号」に乗り継ぐ。山田線の「リアス」と同じく、三陸エリアと盛岡を結ぶが、こちらは花巻から釜石線に入る。
 車両整備の都合で遅れて入線となった「はまゆり3号」は、キハ110系の3両編成。指定席車を1両連結している。車両整備の都合で遅れて入線となった2両の自由席はボックスシート、指定席はリクライニングシートと差がついているが、指定席車は閑散とした車内だけでなく、車両の外板の塗装まで剥がれ、寒々しい


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 一方、自由席は1両に20人ほどの乗り具合で盛岡を発車した「はまゆり3号」。東北本線を軽快に走り、27分で花巻着。ここで半分ほどの乗客が下車してしまい、自由席車も寂しくなる。釜石線よ、お前もか、と寂しい気持ちになるが、逆向き走行となって出発した最初の停車駅、新花巻で、花巻で下車したのと同じくらいの乗客が乗って来て、ほっと一安心する。 頭上を立派な効果で跨ぐ新幹線の効果はあらたかである。


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 土沢を過ぎると山が間近に迫り、勾配がきつくなるが、時々谷が開けて水田や畑が広がる。山田線と比べればこれでもなだらかな印象である。
 盛岡から46kmで約160mの標高差を駆け上がり、13時05分、遠野着。乗客の3割ほどが下車し、その半分ほどの乗客があった。駅頭では町の人が列車に向かって手を振っている。観光客の見送りなのだろう。


 差し引き少し空いた列車は、ここからさらに急な勾配を登る。エンジンの唸りがひときわ高くなる。釜石線で最も高い足ヶ瀬の標高は472m。わずか15.2kmで200m以上の高さを登る。列車が下りに転じるここからが釜石線のハイライトである。


 軽やかなレール音を弾ませながら、標高400mの上有住を通過すると大小のトンネルを抜けながら大きく左にカーブを切る。山の切れ目で赤いトラスの鉄橋を渡る際、はるか眼下に線路が見える。これから通る線路である。要するに、上有住と洞泉の間で、釜石線はΩ型を描きながら下っていくのである。交差はしていないが、ループ線に近い線形である。私は写真を撮ろうとカメラを構えたが、この絶景ポイントでバッテリーが切れた。交換しているうちに列車は再びトンネルに突っ込み、今度は右へカーブを始める。非常に悔しい。


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 そのΩループの右側頭部あたりに陸中大橋がある。標高253m。上有住からの8.3kmで約147mも駆け下りている。陸中大橋からさらに列車はくだっていく。右上方を見上げると、先ほど走って来た線路の赤いトラスがはるか高くにちらりと見えた。列車はこの先、洞泉までの5.9kmでさらに130m以上も下る


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 少しずつ街が開けてきて、釜石のひとつ手前、小佐野でまとまった下車があり、13時55分、標高わずか7.3mの終点、釜石着。同じように三陸と内陸部を結ぶ路線でも、山田線とはまた違った表情を見せてくれた。


 宮古と釜石の間は、三陸海岸沿いに山田線経由なら55.4km、列車が走っていれば1時間余りの距離だが、私は盛岡・花巻を大きく回って4時間半をかけてたどり着いた。それはこの両線がともに私の未乗路線であったからに他ならない。だが、この両線、特に山田線の列車本数を考えると、わずか4時間あまりでぐるりと四角形の三辺をたどることができたのは、われながら見事な行程の出来栄えである。これを可能にしたのは室蘭ー宮古航路の存在であり、川崎近海汽船には大いに感謝せねばならない。私以外の人にとってはどうでもいいことかもしれないが。



 続く。


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コメント

私は岩手県北上出身、主人は宮古出身
夏休みは、毎年帰省していました。
ただ車でですけど・・・・
行きは、北上に一泊して、釜石経由で宮古へ
帰りは盛岡経由で一気に関東へとか、釜石・陸前高田・
                 気仙沼・仙台・関東へとか
移動距離が長くって大変でした。
電車での帰省はあまりしませんでしたね

投稿: 姉さん | 2018/07/23 06:59

室蘭~宮古航路の存在、こちらの記事で初めて知りました。
こっちから宮古まで行くのが大変、利用するかと言われる厳しいですね。
釜石線も山田線も峠越えが厳しそうなのが判ります。
釜石線に並走する国道283号は何度か走っていますが、今は仙人峠道路が出来て楽に越えることが出来るようになりました。

投稿: しゅうちゃん | 2018/07/23 15:13

姉さんさん、いつもありがとうございます。
宮古はともかく、北上あたりですと新幹線一択なのかと思っていましたが(笑)、お住いの場所にもよるのでしょうね。家族での帰省となれば、費用の面からも車がベストだと思います。ドライバーはお疲れでしょうが。

車がどんどん便利になったというのもありますが、鉄道は昔、もう少し家族連れで利用しやすい雰囲気だったような気がします。

投稿: いかさま | 2018/07/27 07:52

しゅうちゃんさん、コメントありがとうございます。

室蘭ー宮古航路の開設は、震災復興の一環として定期航路開設を模索した宮古市と、苫小牧に航路を奪われて落日著しい室蘭市の思惑が一致したことが契機の一つのようです。トラックドライバーの労働環境の改善に向け、8時間以上の休憩が取れる宮蘭航路を、混雑する八戸ー苫小牧航路のバイパスにしようという意図もあるようですが、道路事情を考えるとそううまくはいかないかもしれませんね。
まずは夏の旅行シーズン、そして秋にかけての農産物輸送シーズンに期待です。

投稿: いかさま | 2018/07/27 08:01

オメガループ、大好きなところです!
鉄道の醍醐味感じますね。
バスで南下しないのが、いかさまさんらしい^.^/

投稿: キハ58 | 2018/07/28 08:31

 キハ58さん、いつもありがとうございます。
 ここは初めての乗車だったのですが、想像以上にダイナミックな風景が目に飛び込んできました。まさに鉄道の醍醐味ですね。
 三陸海岸沿いの鉄道は以前にたどったことがあるので、今回どのように肋骨線を乗り継ぐかはかなり迷いましたが、宮古-室蘭航路がなければ、盛岡から宮古へ入り、釜石へバスで抜けることになっただろうと思います。結果論です(笑)

投稿: いかさま | 2018/07/29 22:33

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