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2018/10/14

2018年8月 鉄道全線完乗への旅【7】 北海道新幹線でJR制覇(2)

前回の続き。

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 新青森を発車するとほどなく住宅は途切れ、すぐに田園地帯に入る。黄緑色の稲が水田を埋め尽くしている。左手から少しずつ山が近づいてきて、しばらくの間、新幹線は水田地帯の西端に沿って走る形になる。


 津軽半島の山の中を何本かのトンネルで貫き、わずかばかりの平地が広がると、右手から津軽線の線路が近づいてきて、その分岐線が新幹線に合流してくる残念ながら、新幹線の高架の防音壁に阻まれてじっくりと観察できないここから木古内手前までの区間は、在来線の海峡線と北海道新幹線が同じ路線を共有する。とはいっても、海峡線を走る定期列車は貨物列車のみで、定期の旅客列車はない。「TRAIN SUITE 四季島」などの臨時列車だけである。


 共用区間に入ると、列車の速度が明らかにそれとわかるほどに下がる。北海道新幹線の設計上の最高速度は260kmだが、貨物列車とのすれ違いの安全が確保できないため、共用区間の最高速度は140kmと在来線時代と同等に抑えられている。このため、新青森-新函館北斗148.8kmは最速でも1時間01分を要する。近い将来、一部列車で最高速度の引き上げが予定されているが、北海道新幹線が速達性を存分に発揮できるようになるまでにはまだ時間がかかる。

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 さらに2本の長いトンネルを抜けて、10時07分、奥津軽いまべつに到着。乗降客はいないようである。新幹線ホームの左下には、在来線規格の海峡線の待避線が見える。そのさらに奥には津軽線の津軽二股駅があるはずだが、防音壁の立つ高架の新幹線駅からは見えない。

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 津軽線を右に分け、短いトンネルを6本抜けると、次が青函トンネルである。このあたりの感覚は、これまでに在来線で何度も味わってきた。線路の規格は立派なはずだが、フワフワと落ち着きのない小さな揺れが続く。開業当初に感動した、滑るような走行への感動はあまりない。トンネル通過の所要時間はおよそ25分。暗闇の中、車内販売で買ったコーヒーを飲みながら、旅の記録の整理を続ける。

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 不意に窓の外が明るくなる。窓の外は北海道である。かつて知内駅だった知内湯の里信号場を通過。奥津軽いまべつ駅と同じように、新幹線の線路の外側に在来線の待避線が並んでいる。再びトンネルに入り、7つの短いトンネルを抜けて、10時44分、木古内に到着。ここも乗降客の姿は見えない。さらに何本かのトンネルを抜けると、高架の下に再び水田が広がる風景となった。


 列車はゆっくりと減速を始め、大きく左へ向かってカーブする。相変わらず線路の付近には水田が広がっており、とても駅が近づいているようには感じられない。それでもレンタカーの営業所や広大な駐車場が見え始め、右手から函館本線の線路が近づいてくる。こちらは新青森に輪をかけて、駅周辺は何もないようである。


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 中間2駅に丹念に停まった「はやぶさ1号」は、10時57分、新函館北斗に到着した。この瞬間、JR全線19,797.1kmの完乗達成である。
 ホームに降りて通りすがりの乗客にシャッターを押してもらい、私は悠然と改札へ向かった。わずかな乗り継ぎ時間の間に一度外へ出て、今から5年ほど前、まだ建設途中だった新函館北斗駅の今の姿を眺めておこうと思っていた。


 ところが、この日の「はやぶさ1号」は、前回も書いたとおり、7割にもならんという高い乗車率で、出口も乗り換え改札も長蛇の列。私は駅の外へ出るどころか、列車内で食べる昼食すらまともに買うことができず、在来線ホームへ急いだ。たくさんの乗客が待つ狭いホームに出ると、はるか向こうから乗り継ぎ予定の「スーパー北斗9号」が接近してくるのが見えた。何の感慨に浸る暇もない、JR全線完乗であった。



 この話は、下の記事の最終行から5行目へと続く。
 ⇒日本の鉄道全線完乗~なぜ「すすきの」だったのか




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コメント

JR完乗おめでとうございます。
うらやましい!
自分は乗ったことある線数えた方が早いくらいです。

投稿: カシスキャット | 2018/10/15 18:22

吉岡海底駅と竜飛海底駅に降りられなかったことが自分としては悔しいところですが、ツアーとかで降りられたらなあと思っています。

投稿: かわうそくん | 2018/10/15 18:51

 カシスキャットさん、コメントありがとうございます。
 以前に乗ったことがある路線でも、季節や気候が変われば全く違った印象を受けることが多いですね。そういう意味では闇雲に乗り回ればいいというものではないと、少々反省している次第です。寝たまま通過、という路線も実は2本ほどありますし…。

投稿: いかさま | 2018/10/21 23:54

 かわうそくんさん、いつもありがとうございます。
 私も吉岡海底、竜飛海底の両駅にはついに降りられずじまいでした。この2駅は今は定点として、非常時の避難路としてしか降りることができません。よって降りずに済むのに越したことはなさそうですね(笑)

投稿: いかさま | 2018/10/21 23:56

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