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2018/11/01

鉄道完乗こぼれ話【1】 「鉄道完乗」の対象とはそもそも何か

 「日本の鉄道に全部乗りました」という話をすると、ふだんあまり鉄道に関心のない周囲の人も、少なからず興味をもって話を聞いてくれる。闇雲に鉄道を乗り歩いているだけの間は、「ただの変わった人」という扱いを受けることの方が圧倒的に多かったのだが、何事によらず「成し遂げる」ということは、行動や言葉にある種の説得力を持たせることを可能にするらしい。


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 そうした中で、必ず聞かれる質問がいくつかある。そのうちのひとつが、
「鉄道全部、って、全部ですか?地下鉄も、路面電車も?
というものである。これに対して私は、
「もちろんですよ。私鉄も、地下鉄も、路面電車も。モノレールやケーブルカーも、です」
と答える。前段だけでも「ほおっ」という反応が聞かれるが、ケーブルカーのくだりまでたどり着くと、「ぎょえっ」という悲鳴交じりの感嘆詞に変わる。このあたりからやはり、随所に「やっぱり変人じゃん」というニュアンスが見え隠れするようになる。


 ただ、以前にも書いたことがあるが、「鉄道全線完乗」の定義、すなわち乗るべき路線、鉄道はどれか、ということに関しては、人それそれにルールがある。そもそも「鉄道」という言葉の定義自体が狭義から広義まで幅広いからである。
 どういうことか、そのあたりを私自身の復習も込めて、一度まとめておく。


 この先深みに入るので、興味のない方はしばしスルーで。


 私が乗車対象とした鉄道については、毎年1度発行されている「鉄道要覧」という、日本国内の鉄道をまとめた資料に基づいている。ここに記載された交通機関が、いちばん広い意味での「鉄道」であるが、この中身は大きく3つに区分できる。


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 ひとつは、鉄道要覧の中で定義されている、最も狭義での「鉄道」。専用軌道に敷かれた鉄のレールの上を車輪で走る、一般の人が抱くイメージの「電車」が基本方式である。当然、地上を走るか地下を走るかは関係なく、地下鉄も立派な鉄道である。
 この区分の中には、ケーブルカー(鋼索鉄道)やモノレール(懸垂式鉄道、跨座式鉄道)、新交通システム(案内軌条式鉄道)、さらにはレールはないがトロリーバス(無軌条電車)といった変わり種も含まれている。


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 ふたつ目は「軌道」である。もともとは道路などの上を利用して敷かれたレールを走るもので、鉄道とは準拠する法律も異なる。
 一番わかりやすいのは路面電車である。モノレールや新交通システムの中にもこちらに相当する路線、区間がある。また、大阪メトロ(旧大阪市営地下鉄)の大半の路線など、どう見ても鉄道と思われるものも、高速道路と一体で整備されたために、区分上は軌道になっていたりして、境界線は多少あいまいである。


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 みっつ目は「索道」である。これはレールではなく、鋼製のケーブルに搬送機がぶら下がっているものである。ロープウェイゴンドラのような「普通索道」と、リフトのような「特殊索道」に分かれている。


 で、この中からどれを乗りつぶしの対象にするか、ということにある。
 狭義の「鉄道」がその対象であることは言うまでもない。問題は残るふたつである。


 「軌道」は、鉄道事業法の範疇に含まれないが、どこを走るかだけの差であって、鉄道の一種だとみて問題ないと思う。一般的にも大半の軌道線は「電車」のイメージで語られる。「ゆりかもめ」のように、鉄道と軌道の区間が入り乱れて1本の線を構成している路線もある。


 問題は「索道」である。こちらは鉄道事業法に基づく乗り物であり、法的には軌道よりも鉄道に近い。だが、スキー場や観光地のリフトの類、特殊索道が鉄道の仲間、と言われても、子ザルを見せられて「あなたの子供よ」と言われたくらいの違和感がある。一般索道にしても、箱根や立山のロープウェイはともかく、スキー場のゴンドラリフトも同じ仲間だ、と言われれば、鉄道の匂いは遠のく。


 いずれにしてもどこかで線引きをしないと、「鉄道乗りつぶし」と称しながら、冬ごとに日本全国のスキー場を渡り歩かなければならないようなことになるので、「索道」はすべてを除外し、乗りつぶし対象は狭義の「鉄道」および「軌道」とした。このあたりがおそらく鉄道ファンの中でもマジョリティになるのではないかと思う。


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 それでも普通の人たちから見れば、ロープウェイと懸垂式モノレールの区別などつかないであろうし、「トロリーバス」が鉄道であるなど、全く理解できないに違いない。
 だが逆に私にしてみれば、嵐に熱狂する嫁の気持ちも、ラブライブの登場人物がすべて見分けられる坊主の眼力も全く理解できない。趣味とはそんなものである。


 深めの話、続く。


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