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2018/11/18

貨物線を走る旅客列車~「ホリデー快速あたみ」

 前回の記事で触れたJR東日本武蔵野線は、鶴見-西船橋を結ぶ100.6kmの路線である。もともと都心を避けて東海道本線と東北本線などを結ぶ貨物線として計画され、首都圏の外縁を半円を描くように敷かれている。この他に直行する各路線との短絡線が5本ほどある。この辺りの話は以前にも書いた。

 ⇒乗りつぶしの話【2】乗ったのに実績ゼロ(2)
  ※その後、乗車記録の集計ルールは変えています。


Musashino
 通常旅客輸送は府中本町-西船橋間71.8kmでおこなわれており、鶴見-府中本町間28.8kmと短絡線の一部は、通常貨物列車しか走らない。一部の時期を除く土曜・休日に限り、「ホリデー快速鎌倉」(南越谷-鎌倉)などの臨時列車が運転される。時刻表にも「臨時列車のご案内」のページにしか登場せず、私のルールでは参考記録扱いとなるのだが、その中でも比較的乗りやすい区間である。


 たまたま前回のブログで触れたから、ということもあるのだが、11月上旬、東京へ出張する機会があり、その仕事明けの土曜日、青梅-熱海を武蔵野貨物線経由で11月10日・11日限定で走る臨時列車「ホリデー快速あたみ」に乗ってみた。全車指定席となっているが、金曜日の深夜に幸い先頭車窓側の指定席を確保できた。


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 午前8時50分ごろ、青梅線拝島駅ホームには、「ホリデー快速あたみ」を待つ乗客がすでに数十人集まっていた。そのうちの半分ほどは、ひと目でそれとわかる「その筋の方」である。
 9時少し前、青梅方面から、「ホリデー快速あたみ」が入ってくる。185系特急型電車6両編成である。白いボディに緑の斜めストライプの帯が入ったカラーリングが斬新だった車両もすでに車齢36年となり、数年中の引退も噂されている。車内には国鉄型車両の香りが随所に残っている。


 9時01分発車。まずは青梅線を立川へ向かう。立川から南武線へ乗り入れる「ホリデー快速あたみ」は、通常は下り列車しか走行しない立川-西立川間の通称「青梅連絡線」を通り、中央本線を跨いで立川駅へ入る。この辺りも鉄道ファン的には非常にレアである。運転席すぐ後ろのデッキには、何人もの「その筋の方」が出入りする。そのたびに旧式の自動ドアが大きな音を立てて開閉し、落ち着かない。


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 立川からは南武線に入り、府中本町を出ると、列車は左に南武線を分けて武蔵野貨物線に入る。しばらくは南武線と並走するが、多摩川を渡り終えると南武線の線路が左へカーブしながら離れていき、こちらはトンネルに突っ込む。長短2本のトンネルで武蔵野台地の下を突っ切っていく。闇の中で2本の貨物列車とすれ違う。


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 ようやくトンネルを抜けて明るくなったかと思うと、梶ヶ谷貨物ターミナル駅を通過する。コンテナが無数に積み上げられたターミナルは、郊外とはいえ首都圏とは思えない広さである。その横を過ぎると、列車は再びトンネルに入る。台地の上の住宅地や他路線との交点もトンネルや高架で無視するように抜けており、そもそも旅客営業をまったく前提としていない線形である。


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 トンネルを出ると、横須賀線や湘南新宿ラインの列車が走る東海道本線支線、通称「品鶴線」がすぐ隣に接近してきて並走する。こちらももとは貨物線として開業した路線である。その「品鶴線」上にある新川崎駅の少し先が新鶴見信号場で、ここから先は品鶴線と武蔵野貨物線の並行区間となる。


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 品鶴線がこちらの上を跨いで右手へ移ると、ほどなく左から接近してくる東海道本線を跨ぐ。無数の線路が並走するようになって、鶴見駅。貨物線のこちら側にホームはないが、その少し先で列車はいったん停車。「運転士が変わるんだよ」と後ろの方で誰かの声が聞こえた。確かにホームも何もないところに運転士が1人待機しており、こちらの列車から降りてきた運転士と引き継ぎをして列車に乗り込んでくる。時間にして1分ほどの儀式だが、これもまたレアである。


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 鶴見からは東海道本線を走り、10時05分、横浜に到着。武蔵野貨物線を堪能した私はここで列車を降りた。貨物線を走る列車もレアだが、駅構内など細かいところでの走行経路、乗務員の引継ぎなど、楽しみの多い列車であった。参考記録にしておくのがもったいないような体験ではあるが、自分で決めたルールであり、公式記録上の乗車実績はゼロである。


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コメント

記事を読んでいたら、昔名鉄の特急北アルプス号が新鵜沼駅で名鉄犬山線から高山本線に入る短絡線を思い出しました。貨物線でいえばJR末期にナゴヤ球場の前の臨時駅にJRの客車列車かディーゼル列車で行ったことも思い出深いです。

投稿: かわうそくん | 2018/11/19 19:20

いいですね!
185系のうなるモーター音、好きです^.^/

投稿: キハ58 | 2018/11/19 22:26

 かわうそくんさん、いつもありがとうございます。
 「北アルプス」も「ナゴヤ球場正門前」も懐かしいですね。私は残念ながらどちらにも乗ることができませんでした。今となっては残念ですが、仮に両方とも残っていたら、おそらく新鵜沼の連絡線は記録対象、ナゴヤ球場正門前の方は参考記録、という整理になったのでは、と思います。
 どちらも今のJR東海には望むべくもない、個性派ですね。

投稿: いかさま | 2018/11/22 00:38

 キハ58さん、いつもありがとうございます。
 何となく騒がしくも懐かしい国鉄型電車のモーター音も、めっきり聴く機会が減ってしまいましたね。地方ではまだ働く姿が見られますが、そろそろカウントダウンの域に差し掛かってくるのではないか、と思っています。

投稿: いかさま | 2018/11/22 00:40

面白い記事をいろいろとありがとうございます。
私は北小金支線未乗ですが、関西在住のため、なかなかつぶしに行く機会に恵まれません。あと、東戸塚からの通勤ライナー限定区間も未乗です。JR未乗はこの2区間です。それも含め、全鉄道の未乗距離は約30キロです。短いようで、完乗達成にはまだまだかかりそうです。
またあれこれご教授ください。

投稿: ろうろう | 2018/11/25 13:16

 ろうろうさん、コメントありがとうございます。
 私は「湘南ライナー」区間は乗車済みですが、北小金支線は未乗です。ここも「参考記録」区間という整理にしていますが、臨時列車といいながら割とコンスタントに列車が走っている印象ですね。いずれ乗りに行かねばと思っていますが、行楽シーズンの休日限定となると、遠方の人間にはつらいものがあります。
 また情報交換させていただければと思います。よろしかったらまたお越しください。

投稿: いかさま | 2018/11/26 23:47

湘南モノレールの沿線在住のウォーターロボと申します。
先日わたらせ渓谷線に乗り、関東の鉄道もあとは水郡線と上越線と某テーマパークのモノレールを残すだけになりました。
関東に住んでいても短絡線に乗る機会はあまりないものですが、よく珍しい列車の指定席が取れましたね。
よく鎌倉駅で南越谷行きの快速を見ますが、全車指定席になり、夕方からは出掛けないもので乗る機会がありません。
中央線や東北線の貨物線から武蔵野線に入る列車も未乗です。
数年後には横浜の羽沢を介してJRと相鉄が乗り入れますので、ぜひ乗りに来てください。

投稿: ウォーターロボ | 2018/12/21 23:15

 ウォーターロボさん、初めまして。コメントありがとうございます。
 お返事が遅くなって申し訳ありません。

 武蔵野貨物線を走る臨時快速には以前は自由席があったようですが、今年はことごとく全車指定席ですね。JR東日本は最近、特急やこうした列車の全車指定席化を進めているようですが、実際のところ利便性はどうなのでしょうね。

 相模鉄道とJRの乗り入れは、1年後の来年12月を軸にして調整中であると今日のニュースで報じられました。全線完乗は達成しても、こうしたところでこまごまと新たな路線が誕生する、このエンドレス感が乗りつぶしのいいところだと思います。開業、楽しみです。

投稿: いかさま | 2018/12/31 22:53

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